【悲報】ジェイミーさん、ポテンシャルを100%発揮できていない事が判明。ジェイミー運用論
はじめに
皆さんこんにちは格ゲーデータ分析野郎のGeminiです。
スト6も発売されて早3ヶ月が経つ今日この頃。本格的にデータ分析をやってみました第一弾、それはジェイミー研究。まあ、楽しんでってください。
ちなみにワタクシGeminiはほぼジェイミープレー歴ありません。エアプです。エアプ。その辺もご理解の上、当記事をお読みいただければ幸いです。優しくしてね。
※あと、一応、今回はジェイミーについての知識が多少ある人向けです。動画勢の方や初心者の方にはYouTubeでジェイミーの仕様も含めた一から解説を入れてわかるようにするので、そうした方は動画化を待っててね!
事の始まり
ジェイミー使いから届いた悲痛な叫びがまたデータ分析の道へ向かわせる
梅原さん主催の企画「俺を獲れ」でボコボコにされた傷も少し癒えてきた頃、以前からX上でやりとりがあったプロゲーマーの77daysさんからこんな着想の提案が。
ジェイミー弱い説が流れ始め、競技シーンでは見切られ始めた頃ってのもあってジェイミー使い達が悲痛な叫びをあげてるらしい。
こっちはこっちで俺を獲れ以降、ココロは満身創痍だし、またデータ分析して笑われるかも知らん。でもさ、挑戦ってのは笑われ続けても何度でも何度でも続けて最後にこっちが笑ってりゃいい。それ位の気持ちでこの提案乗ってやろうじゃないの!!
データ分析
データ収集
データ集めだけなら”誰でもできる”って梅原さんに言われた訳だけど、実際はそうじゃない。課題に対して”どんなデータ”の”どの細度”と”規模感”で収集するかは経験とセンスが問われる。さて、今回はどうするか?
まず、「ジェイミーは何杯目で勝率が上がるか?」という元々のお題の本質を掘り下げよう。ジェイミーは薬湯を飲む毎に酔LVが上昇し、LV0⇨LV4までの5段階で徐々に強化されていくキャラ。
恐らく、R終わりの最終酔LVと勝敗だけをグラフにしたら、LVが上がれば上がるほど勝率が上がるようなグラフが出来上がるだろう。しかし、これでは意味はない。
詳細は割愛するけど、LV4を選択できたものの、LV3をキープし起き攻め重視した試合とLV3にまでしか成れなくてそのまま負けた試合とでは意味合いが大きく異なる。それでも、どちらもLV3のデータとして集計される。そうした意味で酔LVが低いほど割り負けたデータが集計される可能性が高く、これは避けたい。
多分77さんのお題に真正面から向き合うなら同じプレーヤーにLV0で戦い続けるプラン、LV1で戦い続ける、LV2で・・・と各LV毎のゲームプランを最初に定めて数十試合ずつやってもらって集計する。みたいなやり方が正確だろうが、そんな都合の良いデータの集計はできない。
そこで、今回はお題を少し読み替えて以下のように捉えよう。
「ジェイミーは酔LV毎にどの程度のメリットを享受し、酔LVを上げるために失った機会損失とのトレードオフが見合っているのか?」
取得したデータ
データを取る以上は使い手もそして相手も最高レベルでのデータが欲しい。
しかし、ジェイミーは競技シーンでの評価が低く、少なくともSFLでは最後の使い手であった竹内ジョン選手も使用を辞めてしまった。残念ながらSFLでの集計は断念せざるを得ない。残念。
そこで、今回はMRで世界上位にいる強豪プレーヤー3名(A、B、C)を抽出し、各プレーヤー20セット(60R)の合計180R分のデータを取ることにした。因みに3名とも9月時点でMR1900越えは確認しているのでジェイミー上位プレーヤーと言って差し支えないと思う。
一応、意識した点は以下の通り。
・使い手の癖による依存度を下げる為、3名とする
・勝ち負けバイアスを極力排除するため、勝ち10セット、負け10セットとする
・2R決着、3R決着のバイアスを排除するため、3R決着のみを対象とする
・対戦LVの高い者同士の試合を抽出するため原則、ランクマ(MR戦)を対象とする
※以上を優先した為、対戦キャラについては今回は特に加味せず
なお、取得したデータのサンプルはこんな感じ。
どのタイミングで酔LVが上がったのか、どの時点でどの補正がかかってるダメージなのかが全量集計されている。これが180R分ある。
データ分析本編 ジェイミーは100%の力を発揮できているのか?
ジェイミーは開幕酔LV0ではダメージに90%補正がかかっている。酔LVを1あげる毎に5%のプラス補正がかかるので、最終4LVまで到達すると110%の火力が出る訳だが、Rを通じて開幕の90%補正を克服して100%以上のダメージを出せているのだろうか?
詳細は以下説明の通りだが、実測値を一旦各補正値で割返し、その理論値と比較して実測値が100%を超えていれば、(つまり検証値の値が100%超えならば)そのRは酔LV上昇による火力100%超を達成したことになる。果たして結果は??
補正値上昇に関する衝撃の結果ッ!!!
結論から言うとプレーヤーA、B、Cの3名ともに勝ちRにおいて平均して100%を下回っている。つまり、補正負けしているという悲しい結果が得られた。
3名の平均は約97%。つまり、ジェイミーは一人だけ平均して10,300の体力の相手と戦っていたのと同義だった訳だ。キッツ・・・
さらに付け加えると、ジェイミーが理論上100%超の火力が出せるのはLV3以上に到達した時だけだが、LV3に到達すること自体がそれ程多くない上に、LV3になっても平均では100%を下回るし、なんならようやくLV4になったところで実測値としては101%と超火力が期待できるわけでは無いという現実も見えてきた。
そもそも、ジェイミーが酔LVを上げるタイミングを理論的に考えると次のような図になる。
LV4だと相手の残り体力に対してほぼ均等に酔っていけば、100%を達成できるが、LV3までしか行けないとなると相手の残り体力50%超の時点でLV3に到達していないとほぼ100%超えは望めない。これは結構ハードルが高い。
またLV4になるにしても既にリーサルにはLV3の火力で十分なんて状況も多々あるはずで、LV4を目指す意味は考えさせられる仕様と言わざるを得ない。。。
技追加による火力の底上げは?
一方、ジェイミーの酔LV上げには補正値上昇とは別にもう一つ意味がある。
それは、技の追加だ!LV1ではTC(ターゲットコンボ)が。LV3では点辰(コマ投げ)が。と言ったように補正値とは別に火力底上げとなる要素がある訳だ。ってことはもしかしたら酔LV0⇨LV1⇨LV2は90%⇨95%⇨100%みたいな伸びじゃなくて、90%⇨97%⇨104%みたいな伸びになってるんじゃないの?そうだとしたらLVを上げていくインセンティブも湧くよね?って思うじゃない?
って訳で調べました。
具体的にいうと、データの内、各酔LV毎の単発ダメージ※1を除いたコンボダメージを集計。LV0時点実測ダメージが90%という基準とした時に各酔LVでのコンボダメージがどう伸びていくのか?※1単発ダメージの定義詳細は前述ご参照
結果は以下の通り。
え!!!!??????LV0を基準にした時にLV3とか4で全然ダメージ伸びてないんですけど・・・・・・・・。
データ分析ってのは面白い。実に面白い。
理論上、おかしいでしょ?補正値も上がるし、使える技も増えるんだから火力は絶対上がるはずでしょ?
勿論、プレーヤー毎の火力のばらつきも含めてツッコミどころは多数ある。
でも、出てきた結果に嘘はつけない。これを自分の都合の良い様に捻じ曲げたらデータ分析の世界は終わり。このデータに向き合う必要がある。
考えられる理由は以下。
今回の検証では打撃コンボの対の選択肢となる通常投げはコンボ火力と同じカテゴリとして集計している。その為、終盤酔LVが上がっているフェーズで比較的通りやすい通常投げが増えることで高酔LV時の火力の平均値を押し下げている可能性は否定できない。
けれども、個人的には要因分析3で挙げたDゲージとの兼ね合いが一番大きい説を推したい。ジェイミーはOD技からだと拾えるコンボなどDゲージ使用で大幅に火力が上がりやすいキャラなので、潤沢にゲージが使える序盤の低酔LV時の火力は底上げされている可能性があって、詰まるところ
補正や技追加による火力UP貢献度 < Dゲージによる火力UP貢献度
なんじゃないかと。
ジェイミーペーパープレーヤーによる運用考察
お断り
さて、以上のデータ分析を踏まえて、ジェイミーの酔LV運用に関する方針を考えていきたい。っが、最初に申し上げた通り、ワタクシGeminiはジェイミーペーパープレーヤーである。なのでここからは机上の空論の世界でもある。つまり、ほぼ戯言の世界を優しい気持ちで見守ってね。って話なのである。
それから、データ分析というのは切り口や捉え方次第で考え方が変わるし、あくまで一つの参考として各プレーヤーが戦術に落とし込んでいくべきものだというのが私の考え。
例えば、「画面端で守る時間が長くなるほど勝率が下がる」というデータが得られたとして、①だったら画面端に押し込まれないような中央での地上戦をがんばろう!という考え方が生まれる一方で、②いや、画面端でもっと上手く立ち回れるはずだから画面端での攻防をもっと研究しよう!と考えてもいいわけだ。
同じデータを見ても活かし方は十人十色でいいと思う。それを先に言っておきたい。つまり、今回の考察は「Geminiならこう考える」というものに過ぎないことは先に言っておきたい。
戦術おすすめ度☆☆☆☆★ 100%超えを目指せ!
90%補正ふざけんな!酔LVガンガン上げて100%超えを目指せ!という方針。
結論から言うとおすすめしない。
理由1
データ分析の項でお伝えしたとおり、そもそも100%超えを目指すには相手体力の高い相当早い段階で飲み始めないとならない。変に噛み合って序盤に高いコンボが入ったりすると途端に100%超えのハードルが上がる。沢山ダメージが取れたのに少し悲しいという複雑な心境に陥る。
それでも尚、頑張ってLV4に到達したとして平均火力101%・・・。
あまりにも悲しい。
理由2
もう一度データ結果を見直したい。
そもそも、ジェイミーはどんなアクションで酔LVを上げているのか?負けRを含めた全180Rのデータによると、ジェイミーの酔アクションはその98%が魔身、流酔脚、幻酔舞によるもの。
これら3つはODでない限り基本的に別のコンボよりダメージが落ちたり、ラインの押し上げができなかったり、起き上がりのフレーム上大きな有利が取りづらかったりするアクション。
つまり、これまで殆ど言及してこなかったが、ジェイミーは酔LVを上げる上で、
「火力」「ラインの押し上げ」「F有利な起き攻め」のいずれかまたは複数を放棄してそのアクションをおこなっている事になる。
では、そもそもジェイミーは勝ちRにおいてどれだけこの酔アクションを行う機会があるのだろうか?相手の隙をついた魔身を除けば基本的にダウンを取れる行動の時に魔身、幻酔舞、流酔脚の選択が可能となるので、相手をダウンさせた回数≒酔タイミングと捉えられる。
そこで、ジェイミー勝ちRにおける与ダウンデータを見てみよう。
通常投げ時は間合い次第で魔身にリスクがある為、通常投げでとったダウンは2回に1回が酔タイミングと仮置き(係数*0.5)すると1Rで勝ち切るまでに取れるダウン数≒酔タイミングは4.0回。もう一度言います4.0回/Rです!!!!
要はLV4を目指すなら、ダウンとったらほぼ酔アクションに回しなさい!ってことです。
果たしてLV4にそれほどの価値があるのだろうか・・・。
戦術おすすめ度☆☆★★★ LV1キープ戦術
現状、こちらが現実的だと思われる。それがLV1キープ。
理由1
データ分析の項でも解説したとおり、技の追加や補正があってもLV0を90%基準にした時に酔3、4でいまいち実測値ベースの火力が伸びていないと言うのが実情。但し、LV0⇨LV1に関してはLV上げに優位なデータが出ている。そもそも感覚論的にもTCが無いのはジェイミー使いにとっても致命的だと思われる。
理由2
一切酔LVを上げないLV0戦法の場合、実質相手体力が11,100となり、誰と対戦してもザンギエフになる。これはやばすぎる。
理由3
LV4に上げた時の相手体力は実質9,860。LV1に留めた時の相手体力は10,640。
その差約780。
3回分起き攻めや火力、ラインの押し上げを我慢して得た対価が実質780ですよ!
これ見合ってますか?奥さん?
わざわざ30円割引セールの牛乳を車使って遠方のスーパーまで買いに行ってガソリン代の方が高かったなんてオチじゃありません?
そもそも酔アクションを取れるような機会は1Rに平均して4回程度しか訪れない中で、理論上それを全部酔アクションに回すのがLV4です。その間、相手にはプレッシャーゼロです。もう一度言いますプレッシャーはジィェロです!
と、いう訳で真面目な話、LV4を目指すほどの合理的な理由は見出せないものの、最低限の補正とTCくらいは欲しい。それが妥協ラインLV1キープ戦術です。
ジェイミー使いの皆さん。残念ながら相手の体力はいっつもマリーザ相当です。
戦術おすすめ度★★★★★ ”いいね”と”リポスト”
こちらが今最もHOTでナウでヤングなジェイミー使いにおすすめの戦術です。
今回のワタクシの記事。総括するとジェイミーを調べてみたらかなりキッツイ仕様だったよカプコンさん!って内容になってると思います。
この記事をリポスト、いいねして頂けると記事の注目度が上がり、もしかしたらCAPCOM調整班の目に届くかもしれません。そうです。ジェイミーの仕様ちょっと見直さんかい!って話ですね。
いや、ワタクシ、ジェイミーツカイではナイデスガ。。。
正直なところ今回のデータを見ても、そもそもの仕様を考えてもLV0の90%補正はかなり重いし、マノンと違って最高LV4を目指すメリットがあまり感じられないのがジェイミーの残念なところだと感じましたね。
R持ち越しのない酔LV仕様においてLV4になった時には相手の体力もそんなに残ってないから唯のオーバーキルじゃん(・。・)みたいな。
この辺りは調整が来るんじゃないかと思うんですが、そこで中途半端な調整に終わらないようジェイミー村の皆さんが声を上げる時!!!かもしれません。
終わりに(検証余地について)
という事で、ワタクシGeminiによるジェイミー研究は一旦締めたいと思うんですが、実はこの記事を書く前にジェイミーDiscord鯖で有志のジェイミー使いの方々数名と意見交換をおこなっています。
そこで出た検証余地について最後にお話しして終わりたいと思います。
対戦キャラ毎の酔基準
今回のデータ取りではいくつかの条件を優先させる中で、対戦キャラについては選別を避け、成り行きで集計しています。特にMR上位帯での対戦の為、やや偏った
対戦キャラになってもいます。
確かに考察で上げたLV1キープ戦術は平均的な理論値としての合理性を持っていますが、対戦キャラ別にみた場合に最適解かどうかは更に研究が必要だというご意見をいただきました。以下、その実例を記載します。
・元々体力の高いザンギエフ、マリーザに対しては酔による補正値向上が他キャラ対比強く貢献するので、酔の価値が高まるのではないか?
・足の遅いキャラの場合(ザンギエフなど)、隙をついた魔身で積極的にLV4を狙いに行くのもアリではないか?
・弾キャラに対してLV2で覚える弾抜け技(爆廻)が無いのはプレッシャーがかからないので、LV2を目指す理由もあるのではないか?
など
状況別ODによるF有利での酔アクション
・酔系のコンボはOD技にすることで状況有利を作りつつ酔LVを上げるアクションの使い方や期待値などについても深く分析できると研究が深まるのではないか?
など
負けRの検証
今回はデータ検証のやり易さからその殆どを勝ちRのデータを基に分析をおこなっています。
一方、負けデータにこそ分析の価値があるのではないか?との意見もありました。
これは多分、非常に重要な事で、負けデータの分析に対する有効なアイディアが現状自分に無かった為、言及できずでしたが、今後の課題になると感じた意見なのでここに記しておきたいと思います。
ファイナルラスト
さて、この記事はようやく本当にここで終えたいと思いますが、今回の分析如何だったでしょうか?スト6になって初めてのデータ分析です。
皆さんの感想(特にコメント)をお待ちしています。この記事にでもいいですし、投稿したXに対してのリプライでもいいのでドシドシお待ちしています。
以上、Geminiでした。では、また〜