【SVOD調査】独自色でディズニープラスが、作品数でU-NEXTが、Netflix、Amazon、Huluの牙城に迫る
GEM Standardでは毎月、定額制動画配信サービス(SVOD)の浸透状況や獲得ポテンシャル、流出入状況、ブランドイメージなどをまとめたレポート「定額制動画配信サービス ブランド・ロイヤリティ調査」を発行しています。今回、本レポートのブランドイメージ分析の指標の推移に着目し、動画配信サービスの市場動向を探りました。
ピックアップした指標は「そこでしか見られない作品の充実度」と「作品数の多さ」。それぞれ、独自色を打ち出せているかどうか、作品数の豊富さをうまく訴求できているかどうかを図る指標といえます。
指標「そこでしか見られない作品の充実度」
今回ピックアップした指標の1つ目は、「そこでしか見られない作品の充実度」(※)です。各定額制動画配信サービスに関して、利用の有無を問わず「そこでしか見られない作品がある、もしくはありそう」と答えた人の割合になります。これは、各サービスに対してオリジナリティを感じられるかどうかの指標ともいえます。
※「定額制動画配信サービス ブランド・ロイヤリティ調査」レポート内「3.ブランドイメージ 3-1.回答者全体におけるブランドイメージの状況」より抜粋
追随を許さぬ伸長が続くNetflix
Netflixは、2019年7月号以降トップを維持。12月号でAmazonプライム・ビデオに首位を明け渡すものの、翌月の2020年1月号で奪取し、首位を独走し続けています。さらに5月号では躍進を遂げ、2位以下を一気に引き離しました。
ディズニープラスが好調に躍進し、Amazonプライム・ビデオ、Huluに迫る
ディズニープラスの推移にも注目です。2019年3月にディズニーデラックスとしてローンチし、2020年6月11日にディズニープラスに移行した本サービス。調査は2019年5月号からはじまり、当初から緩やかな上昇傾向にありました。しかし、2020年4月号から6月号にかけての躍進は特筆すべきものです。最新の6月号の値では、2019年11月号のAmazonプライム・ビデオ、2020年3月号のHuluの値をそれぞれ上回りました。
指標「作品数の多さ」
2つ目の指標は、「作品数の多さ」(※)です。こちらも各定額制動画配信サービスに関して、利用の有無を問わず、「作品が多い、もしくは多そう」と答えた人の割合になります。実際の作品数ではなく、印象としての“多さ”を問う項目となるため、読み取りには注意が必要です。ひるがえせば、各サービスが作品数の豊富さをどの程度訴求しているのかを図る指標ともいえます。
※「定額制動画配信サービス ブランド・ロイヤリティ調査」レポート内「3.ブランドイメージ 3-1.回答者全体におけるブランドイメージの状況」より抜粋
上位5サービスは上昇傾向、そのほかは同程度で推移の2極化
Amazonプライム・ビデオ、Netflix、Hulu、U-NEXT、TSUTAYA TVの上位5サービスは、4月号以降好調に数値を上げています。一方でそのほかのサービスは変動が少なく、ここ1年同程度の値で推移していることが分かります。なお、5月号のTELASA、6月号のABEMAプレミアムの落ち込みは、名称変更による認知の低下に起因するものと思われます。
U-NEXTが昨年末から好調に伸び、上位3サービスを猛追
2019年11月号までほぼ変動なく推移していたU-NEXT。しかしその後、徐々に数値を上げ、2020年4月号、5月号では連続して前月比1ポイント増と躍進しています。最新の6月号の値では、2019年12月号のHuluの値を上回るなど、上位3サービス(Amazonプライム・ビデオ、Netflix、Hulu)を猛追する形で推移しています。
まとめ
「そこでしか見られない作品の充実度」というサービス独自色の面で存在感を増すディズニープラス。そして「作品数の多さ」の訴求に成功しているU-NEXT。これまでAmazonプライム・ビデオ、Hulu、Netflixの3サービスが長期にわたり、これら2指標の上位を独占し続けていました。しかし、4月号以降、ディズニープラスとU-NEXTがそれぞれの指標で勢いを増してきました。猛追するこれら2サービスの今後の動きに注目です。
■調査概要
出典:「定額制動画配信サービス ブランド・ロイヤリティ調査」からの抜粋
調査方法:インターネットアンケート
調査対象:日本在住の15~69歳の男女
調査実施日:発行号の前月末
回答者数:10,000人弱