【京都市長選】自民も立憲も同じ穴のムジナ
京都市長選はリベラル市民にとってのいわば「ウソ発見器」のように機能したように思えた。
京都は蜷川府政が36年間続いた強固な共産党の地盤であり、伝統的に共産党が強い土地柄である。
そのため、55年体制においては旧社会党までもが非共産の側につき、自民党と共闘してきた歴史がある。
先日の京都市長選では維新陣営の出馬も取りざたされたが、政治とカネ問題で公認が取り消され、共産対非共産という従来の構図になった。
立憲が共産陣営と非共産陣営のどちらにつくか注目されたが、驚いたことに、立憲は裏金問題の渦中にある自民党の側につき、非共産党陣営の候補を推薦したのである。
立憲は中道右派から左派まで幅広いウイングを持つ政党であり、反共の立場を明確にする泉健太代表と福山幹事長が非共産の立場につくのはまだ分かる。
しかし、驚いたことに左派の辻元までもが非共産陣営を応援したのである。
これは、立憲民主党支持者に対する裏切り行為であったといえよう。
もっとも、非共産陣営の松井こうじはもともと旧民主党政権で務めていただけに、旧民主党の系譜を継ぐ立憲民主党が応援しやすかったということは否めない。
とはいえ、裏金問題の渦中にある自民党の西田と、立憲の福山幹事長が同じ壇上に立って、万歳三唱をしているのを見ると、違和感を感ずにはいられなかった。
これが、自民党から政権奪取を狙う政党として、戦略的に正しいとは到底思えなかったのである。
もちろん、中央と地方では事情が異なる。とはいえ、せめて立憲は自民党と同じ候補者を支援するというのではなく、推薦を見送り、あとは自主投票にするという選択肢もあっただろう。
京都市長選は非共産陣営の勝利に終わったが、票数はかなりの僅差であった。
仮に立憲が推薦を見送って自主投票を決め、自民・公明対共産という構図であれば、間違いなく共産陣営の勝利に終わっていたはずである。
立憲はもう、岸田政権打倒を望む、良識あるリベラル市民の受け皿にはならないだろう。
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