編集者になる その11(終)

今日、社内の人事部に行ったときに
「営業部の金沢です。」
と、間違えて名乗ってしまった。
そうか、まだ体に馴染んでないけど、
もう僕は編集の人なんだなあと、改めて思った。

「仕事はなんですか?」と聞かれたら、
「編集をしています」と答える。
書類とか契約書の職業の欄では、
「企画・編集」みたいな項目にマルをする。
そんなことのひとつひとつに、まだちょっと浮かれてしまう。

でも、ふと思う。
欲しかったのは肩書きじゃなくて、
編集に充てる自分の時間とか、編集に向かう自分の在り方なのだと。
「言葉を編集する」という作業を通して、
「稀なるものを理解し、共感したときに得られる面白さを、広く人々に伝える」と、自分が自分に与えた、ちょっとした使命みたいなものを背負って、
格闘する毎日が、僕はずっと欲しかったのだ。

1日に何度も
「こんなの面白いのか?」
「これはぜったい行けるはずだ!」の間を往復する。

他人がやった面白い企画や記事を見つけると
「悔しい」と本気で思う。

憧れていた人に、いつか追いつきたいとか、
そんなベタなことだって考える。

当たり前だけど、ヘコむひまもないほどに、
未熟さにヘコむ。

そんな格闘の日々を一生繰り返す人生、
めっちゃいいじゃないかと思う。
僕は、このために生まれてきたんだなとも思う。
これまでやってきたあらゆることが、
このための伏線だったんじゃないかって気さえしている。

というわけで、そんなこんなで、
なんとか、編集者になりました。

さて、
なんとなくはじめてみた「編集者になる」という連載投稿。
気づけば、プチ自分史みたいに、人生を振り返るものになっていた。
小さい頃から現在まで、ほんとに多くの人が、
いまの僕の感性や思考を作ってくれたと思う。
これまたベタなことを言うけど、人運に恵まれたのは間違いないな。
ほんとみんなにお礼が言いたいです。

最後に、
どちらかというとずっと後ろ向きだった全時代の僕にも、
ひとことだけ言ってあげたい。
「お前はいま好きなことを見つけて、なかなかいい感じに生きているよ」
って。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。
次回からは日常のnoteに戻ります!



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