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カメラ愛を語る〜ポートワシントン笠谷・前編〜

以前、「月刊芸人」で取材したカメラをこよなく愛する芸人、田津原理音が「師匠」と呼んでいるのがポートワシントン・笠谷だ。
しかも笠谷の場合、趣味の域を超える写真のクオリティもさることながら、動画もこなす。
そんな彼の感性をくすぐったのは、関西の奥座敷・有馬温泉。
ここで、普段とは違うきんめ鯛・真輝志を撮りたいという。前半では、まず笠谷がカメラにハマったきっかけや写真への愛情をとことん語る。

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僕は初めからカメラにハマったわけじゃなくて、動画から入ったんですよ。
さかのぼること10年前、和歌山の奈賀高校に通っていたんですが、高校3年生の時に、文化祭をプロデュースすることになったんです。

母校の文化祭は1週間くらいあって、その始まりを告げるオープニングアクトみたいな動画をつくるために、初めて動画編集をやりました。
学校のパソコンを借りて、3人くらいでほとんど独学でつくったんですけど、それが自分らで言うのもなんですが、奈賀高校史上、一番ウケたんです。

その証拠に、当時の動画が10年経った今でも在校生の間で語り継がれているそうです。奈賀高校出身のファンの子に聞いたところによると、先生に「これが文化祭の教科書やから、これを目指してがんばれ」みたいな感じで僕らがつくった動画を見せられるんですって。

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それがきっかけで動画編集にハマって、芸人になってからもパソコンを買って動画編集をやり続けていたんですが、ある日「一眼レフカメラで、高画質で背景をボカしたりとかして、ナダルさんを撮影したいな」と思い始めたんです。ナダルさんを高画質で……というだけでおもしろいな、と。
それで、EOS Kiss X7(キヤノン)と、ズームレンズキットを買いました。
これを4年くらい使って、さらなる高みを目指して2年前にα7Ⅲ(ソニー)に買い替えました。

α7Ⅲは、動画に特化したミラーレス一眼レフカメラです。簡単に言うと、動画がより高画質で撮れます。
僕はちょっとシネマティックな映像を撮りたいから、それを考えるとα7Ⅲの機能が最も優れていたので、思い切って買いました。もちろん写真もフルサイズで撮影できます。

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————笠谷は、よしもと漫才劇場の芸人たちの宣材写真や動画編集なども手掛け、カメラはもはや趣味の域を超えた活躍ぶり。今回のモデルに指名された真輝志も「すげぇ! すげぇ!」と連呼していた。

芸人の写真に関しては、すごく撮影しやすいですよ。自分も芸人だからなのか、「ちょっと今日はいいのが撮れなかったかも」と感じても、実際はちゃんといい写真が撮れていたりするんです。
反対に、めっちゃムズいのはワンちゃんですね。
動くし、言うこと聞いてくれへんし、何を考えてるかわからん(笑)。

こないだ、ワンちゃんを撮りたくて、知り合いの美容室で飼っている看板犬のフレンチブルドッグとパグを撮りに行ったんですが、無愛想やし、全然僕の方を向いてくれなかったです…(笑)。

仕事がらみじゃなくても撮影するのは好きで、よく出かけますよ。
(田津原)理音と工場夜景も撮りに行きましたし、理音の地元の奈良で行われたイベントにも撮影に行きました。

カメラの楽しいところは、目に見えないものまで写るところです。
例えば曇りで真っ白の空を撮っても、RAW撮影(※撮像センサーから出力されたデータを加工せず、生に近い状態で保存したファイル)してちょっと編集したら紫色になったり青色になったり。
それが楽しいんですけど、でも結局は、おもしろいからかな。
キレイすぎるのっておもしろいんです。ナダルさんが高画質で、キレイ過ぎる状態で撮れていたり(笑)、なんでも“過ぎる”とおもしろいなと感じるんです。

今回、ロケ地に選んだ有馬はすでに下見を済ませていて、どの場所で、どんな構図で撮影するかは決めています。

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今日は、α7Ⅲと、フィルムカメラのオートボーイS2(キヤノン)、そして新しく買ったオリンパスペンS(オリンパス)を持ってきました。

フィルムカメラは理音の影響で1年前くらいから始めたんですが、デジタルとは全然違っておもしろいです。
僕は釣りも好きなんですけど、フィルムカメラは釣りに似ています。
カメラで撮って、現像して写真を見るまで、どんなのが撮れているのかわからないというのが楽しすぎて。
フィルムも買わないといけないし、現像に出さないといけないのでお金はめっちゃかかるんですけど、やめられない。

オリンパスペンSは、60年前くらいに流行した有名なカメラです。ハーフカメラといって、普通の写真ならフィルム1枚で撮るところをフィルムの半分ずつを使って撮るので、36枚撮りのフィルムで72枚の写真が撮れるんです。
それこそ、どんな写真が撮れているのかマジでわかりません。

こんな便利な時代に、あえて面倒くさいことをやっている自分が好きです(笑)。

to be continued…

後編では、きんめ鯛・真輝志をモデルに有馬の情緒あふれる温泉街を撮影した様子をお届け。なぜ真輝志をモデルに選んだのか? また、笠谷がプロデュースした普段とは違う真輝志のコーディネートのこだわりにも触れる。

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■ポートワシントン プロフィール
伊藤知貴笠谷翔平のコンビ。
伊藤の特技は、野球/水泳/遠投。
笠谷の特技は、英会話(ニューヨーク6年間在住経験あり)/動画・画像編集/写真・動画撮影/バス釣り(歴15年)/アコースティックギター

ポートワシントン INFO

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取材・構成/中野純子
撮影/月刊芸人編集部

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