ネイビーズアフロみながわの濃裸夢
「名前勝ち」
皆さんは、「マドンナ」と聞いて、まず頭に何が浮かびますか? 世代などにもよるとは思うんですが、僕は真っ先に「クイーンオブポップ」、あの歌手のマドンナさんが浮かびます。知ってますよね? マドンナ。「ライクアバージン」のマドンナです。セックスシンボルのマドンナです。
僕は漫才のネタなどで、言葉の間違いを指摘することをよくやっているんですが、恥ずかしながらずっと間違っていたことがありました。それは、「マドンナ的〇〇」という言葉の「マドンナ」は、前述の歌手のマドンナを指していると思っていたことです。「クラスのマドンナ」というと、「クラスにいる、あの歌手のマドンナのようにどこかセクシーで魅力的な人気のある女子」という意味だと思っていました。ところが調べてみると、この歌手のマドンナが世に出る前から「クラスのマドンナ」などの言葉は存在していたようです。「マドンナ」というのは、イタリア語で「憧れの女性」みたいな意味がある言葉だそうです。その意味から「マドンナ的〇〇」と言われていたんですね。
つまり、歌手のマドンナがすごい。というより、歌手のマドンナのご両親がすごい。我が子に「憧れの女性」という意味を持つ名前をつけたわけですし。すごいハードルの高い人生の幕開けだったわけですよね。ところが僕のように、あの「マドンナ的〇〇」の語源が歌手のマドンナだと思っていた人がいるということは、彼女はハードルを見事に超えたという何よりの証ですね。これは「名前勝ち」と呼んでいいんじゃないでしょうか? 「名前負け」とはよく言いますが、なかなか聞かないですよね? 「名前勝ち」。彼女はやってのけました。すごいプレッシャーだったでしょう。クラスメイトにコソコソ揶揄された過去もあったかもしれません。でも彼女はやってのけました。
こうなるとやってみたくなりますね、「名前勝ち」を。僕は芸名を「みながわ」と名乗っているんですが、本名は「皆川勇気」。実は僕もなかなかハードルの高い人生の幕開けだったんです。「勇気のくせに」「どこが勇気やねん」虫を怖がる度、跳び箱の8段を目の前に足がすくむ度、そんな言葉を浴びせられてきました。でも僕がこれから勇気ある行動を繰り返し、誰よりも果敢に挑む姿を世に見せ続ければ、数十年後に誰かが言うかもしれません。「『勇気100%』って、『まるでみながわさんみたいだ』って意味やと思ってました」と。そんな「名前勝ち」に憧れます。
世の中の純さん。あなたが今後誰よりも純粋で、汚れのない姿を世に見せ続けることで、誰かが言うかもしれません。「『純度100』って、『純さん度合いが100%』って意味やと思ってた」と。
世の中の瞬さん。あなたが今後誰よりも速く走る姿を世に見せつければ、誰かが言うかもしれません。「『瞬足』って、『瞬さんの足のように速く走れる』って意味じゃないの?」と。
あなたの名前はなんですか? 目指してみませんか? 「名前勝ち」を。
■ネイビーズアフロ プロフィール
2011年結成。みながわ(左)、はじり(右)。NSC大阪校33期生。
皆川:ミスチル、コブクロの曲は全曲歌詞なしで歌える。
はじり:暗記とゲームが得意。
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著者/ネイビーズアフロ・みながわ