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真輝志がきんめ鯛の軸を握っているなぁってのはこの5年ずっと感じてます

キャリア不問、ただただ話芸の良さを重視される「関西演芸しゃべくり話芸大賞」の、記念すべき10回目の優勝者となった彼ら。NSC34期生を首席で卒業しただう、高校生の時に「ハイスクールマンザイ2012」で優勝した真輝志と、すでに実力は充分にあったきんめ鯛に今回の優勝、そして“現在”を聞いてみました。

ーーまず優勝おめでとうございます。それぞれ感想をいただけますか。

だう:劇場のバトルイベントにはたくさん出させていただいてるんですけど、これまでそういったイベントで1位になったことが一回もなかったんです。それだけに今回1位を取れたことは本当に嬉しかったですね。
お互いにいい感じで漫才できたんですけど、これは1位やな、勝ったなぁって気持ちはなかったですね。お客さんがあったかくて、出てる人たちみんなウケてて、その中の僕らやったので手応えよりもネタを無事にやり切れてよかったなって気分でした。

真輝志:普段出ている賞レースと違うなと思ったのが、ネタの長さですね、大体3分から4分なんですが、この大会は7分ネタを披露しなければいけなかったという事と、客層が老若男女で、年齢層も幅広かったということでした。そして準優勝がヘッドライトさんで、ほんと芸歴制限のない賞なんだなって思いました。
優勝した時は嬉しいというより“あ、そうなんや”という感覚でした。ただ、イベント終わってから想像以上に周りの芸人がおめでとうのLINEとかをくれて、嬉しさをじわじわと実感にしました。

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ーー真輝志さんと言えば以前、月刊芸人の座談会でシェアハウス芸人座談会で登場していただきましたが、同居されてる紅しょうがの熊元プロレスさんやかべポスターの浜田さんへの報告は? そしてだうさんはご家族には?

シェアハウスをしている男女3人によるマンゲキ芸人座談会
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真輝志:浜順(カベポスター浜田)はクールで、肩をポンポンと、それで一個完結。熊元さんはこっちから報告する前に大会終わりですぐにLINEくれはりましたね。正直、僕らにしたら賞金がでかいので、使い道をどうしようかと思った時に、親と熊元さんの顔がすぐに浮かびましたから。

だう:普段から母親は応援してくれてるんで、僕がこういう大会に出るというのは伝えていたんですけど、バタバタしてて優勝したとは伝えていなかったんですね。そしたら大会中、ずっと僕らのことをエゴサーチしてくれてたみたいで、伝える前には優勝を知ってくれててLINEをくれてました。そして普段から一緒にUSJに行く祇園の櫻井さんから僕らが優勝した時の写真を保存してくれてそれを櫻井さんと仲のいいグループLINEで“なんかやってるやん”ってメッセージ付けて、くれはりました。

真輝志:僕に最初にLINEくれたのは、やすひろさんでした。

だう:それ、僕の父親やん!!

真輝志:だうのお父さんとは飲み仲間なんで(笑)。

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ーー先ほどもちょっと話に出ましたが、賞金が50万円ということで使い道は決めましたか?

真輝志:賞金をいただいて、折半しました。昔、ハイスクール漫才で優勝した時も確か同じくらいの賞金で、その時は合宿免許取るために使ったんですけど、今回、前と違うのはお世話になってる人が多すぎるので全部還元したいなと。ただ、両親とは何か美味しいもんを一緒に食べに行きたいなと思っているのと、熊元さんには普段から食事とかめっちゃお世話になってるので、良い肉を買ってそれを食べてもらうつもりです。
でも、一番初めに使ったのがICOCAへのチャージだったんですが……。

だう:僕は、弟が2人いるんですけど、まず彼らにお小遣いをあげて、両親とは一緒にご飯に行こうかなと思ってます。そして自分には財布を買うつもりです。以前、ダブルアートの真べぇさんから使っていた財布をいただいたんですよ。収入のある人からその使っていた財布を引き継いだら収入が追いつけるっていうジンクスを聞いたので。だから僕も優勝したら後輩にその財布を引き継ごうと決めてたんですけど僕のところで3年ほど滞ってて。でも今回の優勝でやっとあげることができるなって。で、そのあげる候補、何人かいたんですけど財布を買い換えるタイミングと合わなくて、たまたまイチオクのタケヤが「ボロボロやったから買い替えようと思ってました」と言ってたのであげました。でも自分がまだ財布を買ってないのでしばらくは昔のボロボロの財布を使ってます。早くいいやつを買わないとと思ってます。

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ーーコロナ禍でのコンビはどうしていましたか?

だう:直接会うのはなかなかできなかったのでLINE電話でネタ合わせはよくしてましたね。あと、去年、行うはずだった単独ライブが、緊急事態宣言が出てしまい中止になったので、インスタライブで無料配信しました。なかなかその時に配信をやってる人がいなかったので手探りでしたけど、やって良かったなと思いました。

真輝志:単独ライブが中止になった、その日に配信したんですけど、単独に来ようと時間作っていただいてた方たちはものすごく喜んでくれてはりました。

だう:後は、ヒマだったので何かしようと“さきいかモノマネ”っていうのを考え出したんです。さきいかを髪の毛につけるとメッシュ入れたみたいになるんですよ。で、嵐の松本潤さんが、ほんまに頭にさきいかをのっけてるヘアスタイルをしていて、それを写真に撮ってTwitterに上げたんです。そしたら結構反響があって、芸人からも面白いなって言われまして、「スッキリ」で自宅で面白いこと選手権というのを募集してたので、ハッシュタグを付けてアップしたら採用されました。
全国ネットにまだ一回も出たことがないのにさきいかモノマネで出て、それが嬉しくて一ヶ月くらいは続けて更新してたんですけど、もうネタがないので今はやめちゃいました(笑)。

真輝志:TikTokでエルフの荒川が注目されてますけど、あれって毎日やり続けるからバズるんであって、だうの1~2個の投稿を見た時に、面白かったから毎日やり続た方がいいでってLINEしたんですけどあきませんでしたね。今、一ヶ月続けたって言いましたけどそれも結構抜けてましたし、「スッキリ」以降、何にもバズらず、なんなら漫画の「ハンター×ハンター」くらい休んでるんですよ。

だう:さきいかモノマネにファンの人もいて、僕がさきいかモノマネ思いつかないから休止していたら、さきいかが無くなったと思いはったみたいで1kg入りの袋が劇場に届いて、「続けてください」って書いてあって、何回かさきいかモノマネやったんですけど、結局、1kg分も使いきれなかったので、ひたすら食べてました。とはいえ、来年にかけてはネタもちょっとずつ思いついたので「さきいか×さきいか」で頑張ります。

真輝志:「ハンター×ハンター」みたいになってるやん。

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ーー「M-1グランプリ」をはじめとした今年から来年の賞レースは?

真輝志:まず、昨年の「M-1グランプリ」は全然でしたね。そもそも大会自体もコロナ禍で一回戦が無観客になったりとか、3回戦がなくなったことによって、2回戦の厳しさがめちゃめちゃ上がったりとかと、変更などがあったんですけど、結果、僕ら一回戦で落ちたんです。無観客で漫才して、意味がわからなくて。で、結果聞いたら落ちてて、いったい僕ら何してるんやろ?って(笑)。

だう:スベってたら納得もするんですけどね。

真輝志:だから気持ちを入れ替えて、再エントリーしたら無事に一回戦受かってよかったんですけど。ただ2回戦の結果発表の日が、「NHK上方漫才コンテスト」の放送日やったんです。
決勝のファーストラウンドが終わって、Aブロックで僕たちが勝ち上がって、Bブロックでネイビーズアフロさんが勝ち上がって、この二組で最終決戦してもらいますってところで、「M-1グランプリ」の2回戦の結果が出まして僕らとネイビーズアフロさんが落ちて。一体、このNHKの大会の視聴者はどう見るんやろって頭抱えました。

だう:しかもその日に二組でNHK頑張った配信ライブを行ったんですけど、めっちゃ変な顔して1時間やりましたからね(笑)。とはいえ、「NHK上方漫才コンテスト」準優勝はできたのは嬉しかったです。

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ーー結成して今年で5年ですが振り返ってみてどうでした?

だう:僕から真輝志に「コンビを組もう」って誘ったんですけど。これまでもネタは相方が書いてたので、「今回もネタはよろしくな」って組みました。だから、真輝志がきんめ鯛の軸を握っているなぁってのはこの5年ずっと感じてます。

真輝志:前のコンビの時も漫才だけじゃなくコントもやってたし、自分自身もボケもツッコミもやってたので、一つのスタイルをまだ決めずにフレキシブルにこれからもしばらくはやっていくだろうなと思ってます。コンビとしての目標はやっぱり「M-1グランプリ」「キングオブコント」、個人として「R-1グランプリ」を狙う生活になるのかなと。

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ーー最後にプライベートのことをお聞きしたいのですが、だうさんは多趣味ですよね。

だう:そうですね。USJは本当に好きで、いつかこの「月刊芸人」でUSJ愛を語りたいですし、お風呂がめっちゃ好きで温泉ソムリエの資格も取ったので、それを活かせたらと。でも今年初めて仕事になりまして、西川忠志さんと浅越ゴエさんの「DEEP関西」と言う番組で若手がお勧めするものという企画でプレゼンしたら優勝してお風呂ロケに行かせてもらいまして。ここまで来るの9年かかって“すっかりお湯も冷めました”。

真輝志:・・・(失笑)。

だう:(話を変えるように)あ、真輝志はラップやんな。ビスケットブラザースの原田さんとしょっちゅう、ラップバトルをやってるよな。

真輝志:フリースタイルでやってるんですけど、見たい方はぜひ劇場とかで。ラップ、ナマ物なんで(笑)。ちなみに今日の取材前も、原田さんに「ラップしようや」って言われてしてきました。

だう:ネタ合わせの時も原田さんに会ったらラップバトルが始まるので、それ待ちってこと多々あるし。

真輝志:けど、このラップがお笑いにおけるネタの発想力につながって、結果、恩恵を受けてるのはお前やぞ!

だう:確かに(笑)。

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■きんめ鯛 プロフィール
上田だう真輝志のコンビ。
上田だうの特技はUSJ案内、温泉レクチャー(温泉ソムリエ)。
真輝志の特技は空気椅子。
2020年 NHK「第50回NHK上方漫才コンテスト」準優勝
2021年 「第10回関西演芸しゃべくり話芸大賞」優勝

■取材協力
「こっちこっち~」
住所:大阪府大阪市中央区千日前2-4-12 2F

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きんめ鯛INFO


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取材・構成/仲谷暢之(アラスカ社)
撮影/渡邉一生



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