「渋谷」オズワルド・伊藤俊介
1月20日(水)~27日(水)、渋谷PARCO5階「PARCO de YOSHIMOTO」にて月刊芸人初の写真展「月刊芸人 PHOTO EXHIBITION @SHIBUYA PARCO」を期間限定で開催いたします。
開催を記念して、ラフレクラン・西村真二 、空気階段・水川かたまり、蛙亭・岩倉美里、 オズワルド・伊藤俊介の4名が、『渋谷』をテーマにコラムを執筆してくれました。
彼らの想う・感じる『渋谷』を覗いてみてください。
「渋谷」
第二の故郷なんて言葉があるが、僕にとっての渋谷は、というか東京吉本の若手にとっての渋谷はまさにそれ。
故郷の定義にもよるかと思うが、僕の中での故郷と呼べるラインは、その土地に生まれついたという事実を除いた時、喜怒哀楽全てのベクトルを満たしているかということ。
涙が出るほど喜び、気失うくらい怒り狂い、立ち直れないくらい哀しみ、これさえあればというくらい楽しい場所。
すなわち渋谷という街は、東京吉本芸人にとっての故郷と言わざるを得ないのである。
我々にとって渋谷が故郷となり得る理由はもう1つある。
通常であれば、故郷から大都会東京のど真ん中である渋谷に上京してきたのなら、そこはゴールでありそこでこの先どう生きるかを模索し続けることがこの街でのスタンダードな生き方であるように思う。
ところが我々は違う。
この街に吸い寄せられるように集まった若手芸人は、この街をスタートとし、そこから各々次の場所へ居所を移していく。
例えば新宿だったり大宮だったり、地方だったりTVだったり。
スタート地点であり戻れる場所である渋谷は、そういった点からも我々の故郷と呼べるのである。
そして誰しもの目標は、早くこの街を出ること。
故郷は居続けることよりも離れることでより故郷になる。
だから早くこの街から次の場所へと進み、いつか久しぶりに訪れたこの街を、この街も変わらねえなと、スクランブル交差点をベンツかなんかで通り過ぎることで、僕もこの故郷の新たな魅力の一部となれるような気がしてならないのである。