ネイチャーバーガーパーク(神保町よしもと漫才劇場芸人連載企画 vol.2)
神保町よしもと漫才劇場所属の令和ロマン、ネイチャーバーガー、9番街レトロが月替わりで登場する新企画。
第2回目はネイチャーバーガーの二人がお届けします。
『良い家に住みたい』(担当:三浦)
芸人の売れるための教えとして『家賃の高いところに住め!』という教えがあります。
聞いたことある方もいらっしゃると思います。
『売れたいなら家賃の高いところに住め!』
これは家賃が高ければ、仕事を頑張ってなんとしてでも家賃を払わなければならない状況を作るというカラクリです。
お世話になってる先輩に「家賃の高いところに住んだ方がいいんですかね?」と伺うと、
「その方がモチベーションになるし必死になれるんだよ。」や「家賃上げても関係ないよ。仕事増えてるし。」や「ルームシェアしてるから家賃一人2万だよ。」なんて意見もあり様々です。
そんな意見を聞いて参考にはするのですが、ぼくは『売れたい』からとか『仕事が欲しい』からとかではなく、普通に良い家に住みたいです。
これはぼくの実家があまり良い家とは言い難いお家だったからです。
イライラした兄の貧乏ゆすりで家が揺れてテーブルのペンやマジックが床に落ちるくらいの家でした。
夏は冷房が無く、冬は暖房が無い外と同じ気温の家でした。
そんなぼくが上京して1番最初に住んだ家は、駅から徒歩15分の風呂なしトイレ共同の1ルームで、2万7千円で目の前の駐車場が3万3千円のアパートでした。
もちろん暖房も冷房も無いです。壁は砂壁なので地震がきた日に帰宅すると粉が部屋中に散らばってるので、砂の散らばり具合で『今日は震度3かな〜?』と予想しネットで調べて『震度2かよ!』と答え合わせをしたりしてました。
今は引っ越して駅から徒歩20分の1Kで4万5千円の風呂トイレ付きに住んでます。そして冷房のみついてます。成長しましたね。
この家の装備をどんどん増やしていくようなRPGゲームをやっている感覚がたまらなく快感です。リアル人生ゲームです。
なのでぼくは良い家に住みたいし住むと決めています。今狙っている家は駅から徒歩5分の5万7千円で、5畳と6畳でトイレにウォシュレットが付いてる夢のような部屋に標準を合わせてます。
でも家賃を支払うためにはお金が必要ですね。結局、仕事を頑張らなければならないってことですね。わかりました。仕事します。良い家に住みたいので。いや! お仕事ください! ネイチャーバーガーパーク見てる方! お仕事ください!! 良い家に住みたいので!!!
次回までには良い家に住んでますように。また〜。
「日本語ラップをみんな聴いて」(担当:笹本)
どうも、はじめまして芸歴5年目ネイチャーバーガーの笹本はやてです!
たますぃ!!!!!!
僕は20歳の頃から現在の29歳になるまで、ずっと日本語のヒップホップが大好きです。
最初は地元の不良に無理矢理フリースタイルラップをやらされていて、聴いたこともない音楽を不良たちを笑わせるためにめちゃんこ聴き漁りました。
「サビとか無いし、なんか歌詞も何言ってるかわかんないし、なにより不良みたいな見た目の奴らが歌っててヘドが出そう」
そう思いながら聴いていました。
けれども気付いたら聴くのが毎日の日課になっていて、見た目は不良だけれど、全員がちゃんとアーティストなんだと認識し始めてからはむちゃむちゃ尊敬しています。
そんな、最初はヘドが出るほど嫌いだった日本語ラップを、今では生きる指針にしているほど大好きになった僕がオススメする日本語ラップの曲を紹介していきたいと思います。
まずオススメしたい曲は、
「TERIYAKI BEEF/SEEDA & OKI(GEEK)」
です!
これは僕が20歳のとき最初にハマった日本語ラップです。
これはどういった曲かと言いますと、SEEDAというヒップホップホップ界ではむちゃんこスーパー有名なラッパーが、RIP SLYMEのメンバーであるILMARI(モデルのえびちゃんの旦那さん)と、RYO-Z(ちょいぽっちゃり目の方)と、m-floのVERVAL(常人の理解を超えたおしゃれする人)と、WISE(個人的にはむっちゃラップ好き)。
そしてプロデューサーのA BATHING APEの生みの親であるNIGOによるユニット「TERIYAKI BOYZ」に喧嘩を売る曲です。
文章長すぎて読むのめんどいかもだけどごめんね。
かなり熱こもってるわ。いま。
タイトルにある「BEEF」というのは、ヒップホップの世界では「喧嘩」を意味しています。
「あいつとあいつがいまBEEF状態らしい。」
みたいな使い方ですね。
さて、この曲のPVがYouTubeに上がっているので観ていただいたらわかるのですが、とにかくSEEDAがTERIYAKI BOYZのメンバーにブチギレてます。
ことの発端はTERIYAKI BOYZの曲の中に、このSEEDAとOKIの2人で出している「sai bai man」という曲の一部が使われていて、それが「まるで俺たちをバカにしているんじゃないか」と受け取ってしまったためです。
むちゃむちゃ、PVでブチギレてます。
20歳の頃の僕は「大人げねぇなぁ」と半分バカにするように見ていましたが、曲が始まってからは衝撃を受けました。
歌詞(リリック)のなかに、TERIYAKI BOYZのメンバーや、そのユニット自体の存在意義的なところも含め、おしゃれに、かつユーモラスにラップされていて、ただがむしゃらに喧嘩を売っているわけではなかったからです。
「おめーまじできめぇんだよ、クソ野郎ども」みたいな陳腐なフレーズは一切なし。
一行一行に意味が込められていて、その文章を読解するのも、むちゃんこに楽しくて、20歳の僕は夢中になって聴きまくりました。
もともと海外ラッパーの喧嘩は、殴り合いではなく、曲でやり合うんだということをそこで初めて知りました。
日本にはあまり馴染みがなく、海外育ちのSEEDAだからやったのですが、それに対してVERVALは日本の音楽シーンを大事にしていたのでその曲にアンサーは返さなかったんですけどね。
ただ、リスナーを巻き込んだこの戦いにとっても僕は惹かれて、そこからヒップホップのルーツや、文化を調べるようになりました。
そしたら気づいたときにはドップリ。プリプリ。
いま神保町漫才劇場でもひっそりヒップホップを広めています。
少しでも、日本語のヒップホップへの興味関心が増えたらいいなと願いながら、今日も不良たちを避けながらイヤホンで重低音と共にライブへ向かいます。
聴いたよ!って方は僕にお声がけください。
息を荒くしながら喜ぶ僕の姿をその目に焼き付けにきてください。
それではまた! ますぃ!!!
■ネイチャーバーガー
2015年結成。NSC東京校21期生。三浦リョースケ(左)、笹本はやて(右)のコンビ。
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