トイレの芳香剤愛を語る〜ねこ屋敷山崎愛子・後編〜
健やかなる時も、病める時も、いつ何時も、トイレの芳香剤の香りに癒されている猫屋敷・山崎愛子。
最近のトレンドは、スタンプ型の芳香剤で、蓋つきの詰め替え用をストックし、また、持ち歩いている。よしもと漫才劇場の楽屋にももちろん持参、当初は相方の河野をはじめ周囲の芸人からもいぶかしがられていたが、今ではすっかり理解を得られているという。
では、なぜ山崎はトイレの芳香剤にはまっていったのか。後半はその真相に迫ります。
2013年、2014年頃ですかね、当時、大学生だったのですが、お部屋用のアロマデュフューザーを買ったのが最初でした。レモンの匂いでしたね。部屋に置いたら置いたで、そこを通るたびに顔を近づけて匂ったりしていて。その時に「レモンってトイレの芳香剤みたいな匂いでめっちゃ落ち着くな~」って思っていたんです。
そしたら、だんだんアロマデュフューザーでは匂いが足りないというか、私の中で間に合わなくなって。それで、お部屋用のレモンの芳香剤を買おうと。アロマみたいなおしゃれなものじゃなくて、もろに生活用品の芳香剤を買ったんです。
それも気が付いた時には、鼻に近づけて直で嗅いでいて。「お部屋用では間に合わない」となって、「トイレ用の芳香剤が一番匂いが強いのでは?」と思って、トイレ用の芳香剤を買ったんです。そしたら「やっぱり匂いが強い!」ってなって、そこからですね。トイレの芳香剤になりました。
――香りへの欲求がエスカレートしていく山崎。自分でも止められなかった。
刺激が強いものを求めていって。トイレの匂いっていうのが「落ち着く場所の匂い」という刷り込みもあったと思うんです。それを匂ったらリラックスするようになっていたので。なので、賞レースとか、緊張する時とかも、ギリギリまで匂ってましたね。
ただ、元々は香りフェチでもなかったんですよ。香水も全然つけないし……。私はタバコを吸っているんですけど、それに近い感覚ですかね。一種の嗜好品に近いというか。タバコも止められないし、トイレの芳香剤も止められないので、こういう人間なんだと……。
タバコも1回、止めようとしたんですけど無理で。芳香剤も止めようとして無理で……。でもどっちかを取れと言われたら、芳香剤を取りますかね……。タバコは言うても体によくないので、そうなったら私は芳香剤を取りますね。歯も黄色くならないし。
――今ではトイレの芳香剤を無意識に手に取っている。
でも、一番匂っている時はご飯を食べた後かもしれないです。ご飯を食べて、タバコを吸って、これを匂う、みたいな。口の周りをご飯の匂いで終わらせたくないというか。なんでかご飯の匂いで終わるのがイヤで。どれだけおいしいものを食べてもそうですね。リフレッシュしたくて。
なので、ご飯の匂いもタバコの匂いも全部、芳香剤を嗅いでリセットします。最近、2本の芳香剤を持ち歩いていて。違う香りを1本ずつ嗅いでいます。同じものをずっと嗅いでいたら鼻が慣れちゃうんですよ。交互に違う臭いを嗅がないと匂いを感じなくなっちゃうので、1本だけでは心細いです。
――トイレの芳香剤を愛してやまない山崎。オリジナルの香りを作るという考えはないのだろうか。
それはとても興味があって、昔、調べて、アロマオイルで試して作ったりしたんですけど、すぐ空気に拡散されて匂いが長続きしなくて。結局、トイレの芳香剤の方が早いわと思ったんです。
あと、トイレの芳香剤がいいのは、ちょっと化学薬品ぽいものが入っていてほしいんだと思うんです。ケミカルなものがほしい。ナチュラル系の香りに物足りなさを感じているのは、ケミカルな成分が足りないからなんじゃないかと思います。
■ねこ屋敷 プロフィール
河野菜摘と山崎愛子のコンビ。
2017年8月30日結成。NSC40期。
河野の特技はギター、山崎の特技は似顔絵、イラスト、小道具作り。
2021年1月今田耕司オススメ芸人として『さんまのまんま』に登場。
ねこ屋敷INFO
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取材・構成/岩本和子
写真/月刊芸人編集部
写真提供/ねこ屋敷・山崎愛子
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