蛙亭×9番街レトロ 京極の大阪“カリスマ”時代と中野の強心臓を語る
蛙亭(イワクラ、中野周平)と9番街レトロ(京極風斗、なかむらしゅん)が出演する『渋谷×神保町 若手プレミアムマッチ』が、8月26日(木)、ヨシモト∞ドームステージⅡにて開催される。
ヨシモト∞ホール所属芸人と神保町よしもと漫才劇場所属芸人が、ネタとトークを行う本公演。お互い大阪からの上京組で共通点はあるものの、これまでガッツリとした絡みはほぼナシ。そんな2組が、いよいよステージで相対する。話を伺うと、知っているようで知らなかった蛙亭と9番街レトロの関係性、お互いの印象が明らかになった。
今回、じっくり語ってもらうだけでなく、お互いをスマホで撮り合ってもらった。インタビューはもちろん、芸人同士でしか見せない4人の表情も見どころ。ライブ本番前の手引書として読んでいただきたい!
左から 蛙亭・イワクラ(以下、イワクラ)、9番街レトロ・京極風斗(以下、京極)、蛙亭・中野(以下、中野)、9番街レトロ・なかむらしゅん(以下、なかむら)
なかむらは太陽で京極は喋りづらかった?
ーー蛙亭さんが大阪NSCの先輩。『よしもと漫才劇場』での絡みはあったんですか?
中野:京極の方がギリギリあるくらいで……。
京極:ほとんど喋った記憶がないですね。
ーー9番街レトロさんは東京で結成されたコンビ。どちらかと言えば、東京で仲良くなった形ですか?
京極:完全にそうですね。東京に来てから仲良くなる大阪芸人って多いんですよ。絶対に1度は寂しい思いをするんで、そこで知っている顔を見たら安心するというか。大自然さんや男性ブランコさんもこっち来てから仲良くなりました。
なかむら:「大阪からきたんやろ?」って話しかけてくれるイメージですね。蛙亭さんもその感じで話しかけてくださいました。
中野:(大阪時代)京極の方は話しかけにくかったよ。特に、先輩・後輩は全員話しかけにくかったと思います。
京極:芸歴を縮めていいので(大阪時代は)丸ごとなくしたいですね。
イワクラ:昔、“カリスマ”って呼ばれていたもんね(笑)。
(蛙亭・中野撮影)
京極:前のコンビ時代、漫才でカリスマキャラみたいなことをやっていたので、“カリスマ”って呼ばれるようになって……。それから、みんなの頭の中からカリスマの“本当の意味”が抜けていって、ただのあだ名になりました。
なかむら:僕ら後輩も麻痺して呼んでいましたね。コンビニで「カリスマ」って呼んだら、走って止めにきたり。
京極:僕らが上京したあとに『神保町よしもと漫才劇場』ができたんですけど、こけら落としのとき、大阪の『マンゲキ』メンバーもきて、記者会見があったんですよ。そのとき、見取り図の盛山さんが俺を見て「あ、カリスマや!」って。神保町メンバーは、“こいつ、大阪で何してん”って顔で見てました。
ーー(笑)。なかむらさんは東京に来てから蛙亭さんと知り合ったんですか?
なかむら:大阪のNSC在学中や1年目のとき、僕らが出ていたライブのMCをしてくださったくらいですね。
イワクラ:私は(なかむらの)前のコンビの相方の方が仲良かったです。
なかむら:バイト先が一緒だったんですよね。
イワクラ:相方と仲良かったんで、しゅんとも仲良かったと思いこんでいて……。東京で喋りかけたら「はじめまして」の感じやったんで、“そうか。こっちあんまり喋ってなかったな”って。
中野:「しゅん」って呼んでるん?
ーー(笑)。
中野:距離近っ! いいなー。
なかむら:中野さんも「しゅん」って呼んでください。男の先輩はみんな「なかむら」呼びなんで。
中野:……しゅん。
一同爆笑
イワクラ:(なかむらは)太陽のような“エエヤツやな”ってイメージですね。
(蛙亭・イワクラ撮影)
難しい先輩?…蛙亭のネタに衝撃
ーーでは、そんな後輩から見て、当時の蛙亭さんの印象は?
京極:その印象しかないくらい衝撃的やったんですけど、昔、ソデで見たネタが、火を飛び越えるコントやって。“火を飛び越えるってなんやねん”と(笑)。
イワクラ:めっちゃ初期のやつですね。
京極:ずっと何やっているか分からんのに、めっちゃ面白くて。“男女コンビやのに火を飛び越えようとしてる”って思ってました。
中野:それはいいだろ(笑)。男女コンビだって火は飛び越えるよ。
京極:変な男2人がやるようなネタをやっていたので、“難しい先輩なのかな”と。でも、普段は全然優しくて、トガってないし……。なんで火を飛び越えていたのかが分からん。
(9番街レトロ・なかむら撮影)
なかむら:僕は、お話をしたことなかったんですけど、かまいたちさんのラジオ番組に出られているのを聴いたことがあって、それがむっちゃ面白かったんですよ。“面白いけど変な人たちだ”と思っていたんですけど、実際に会ってみたら普通の方々でした。
中野:それも嫌だな(笑)。
ーープライベートで遊ぶことはあるんですか?
イワクラ:おうちにきたよね。
京極:(イワクラとルームシェアしている)オズワルドの伊藤さんにかわいがっていただいていて、ご自宅にお邪魔しました。そのときは、めっちゃ“お母さん”してましたね。みんなでごはん食べる感じやったんですけど、ひたすら食事の用意して「まだお腹空いてない?」「大丈夫?」とか、全員に気を遣っていました。
(9番街レトロ・京極撮影)
イワクラ:とにかく食べさせようとするからな。ごはん食べて思ったけど、京極は、芸人のときと変わらない京極だったからよかったけど、普段アホな感じのしゅんが、本当はめちゃくちゃ優しいヤツだったらしんどいだろうなって思った(笑)。
中野:なるほど。これがじつはキャラで、プロデュースのたまものだったら、しんどいだろうなってことね。
なかむら:いやいや、そんな優しくはないですよ。
中野:……っていうのもプロデュースなんでしょ?
ーー(笑)。9番街さんが2018年頃に上京、蛙亭さんが2020年に上京。お互い∞ホールに所属していたものの、9番街さんは、すぐに神保町に行ってしまったんですよね。
京極:コロナ禍もあったので、ほとんど絡みないですね。
中野:YouTubeはゲーム実況しか観たことがなかったんですけど、コロナ禍になって、芸人のチャンネルをちょろちょろ観ていたんですよ。特に自粛期間中は、(9番街の)2人のチャンネルをよく観てました。だから、実際に会った回数より、YouTubeのイメージの方が大きいかも。ただ、けっこうな数の動画を観たんだけど、ほとんど覚えてないなー。
一同爆笑
中野:『サザエさん』みたいな感じ。観ているときはめっちゃ楽しいんだけど、何も残ってないというか。
東京に来て感じた相方の一面
ーーそこまでガッツリとした共演がないのにも関わらず、2組でライブをすると聞いたときは、どう思いましたか?
イワクラ:9番街だったら知っている期間も長いし、ほかの人よりは緊張感ないなって思いました。
中野:確かに。神保町メンバーだと、一番やりやすいかもしれない。
京極:ただ、一番きっしょい距離感かもしれないですね。エピソードはないけど、安心感があるっていう。
なかむら:電車とかでたまたま会って2人っきりになっても気まずくない。
ーーなぜ、共演が少ないのに安心感が生まれるのでしょう?
イワクラ:2人が(芸人として)生まれた瞬間を見ているからじゃないですかね。そういえば、京極は前のコンビで、漫才中「仕事しましょう」って言ってたよね(笑)。
京極:漫才を仕事として捉えていることが“カリスマ”だと思っていたので(笑)。
(蛙亭・中野撮影)
イワクラ:あれがおもろすぎて、どんなにシュッとしてカッコつけていても“こいつ「仕事しましょう」って言ってたよな”って思うんで(笑)。
ーー(笑)。では、大阪時代に感じていたイメージと今の印象は違うんですね。
イワクラ:大阪のときは、(京極が)とにかく“トガっている”って聞いていたんで、あまりもめたくないし、喋らないでいようって思っていました。でも、東京来てからは、周りも「京極は丸くなった」って言っています。
なかむら:(京極は)めちゃくちゃ変わりました。“じつはトガってないヤツ”とかじゃなくて、変わりました(笑)。
京極:やっぱりトガってたら人って笑ってくれないんですよね。
中野:丸くなった人の発言だな(笑)。
なかむら:ここ1年半くらいでトルゥンって変わりましたね。弱いところを見せることで、友だちができることを知ったからやと思います。
一同爆笑
(蛙亭・イワクラ撮影)
ーーなかむらさんは結成当時から変わらない感じですか?
京極:そうですね。ただ、もっとハツラツとしていたのに、年取って少し元気がなくなったくらいです。
(蛙亭・中野撮影)
ーー(笑)。蛙亭さんは、お互い東京にきて変わったと感じることはありますか?
イワクラ:こいつは、もともと持っていた図太さがいい方向に動いているなって思います。何にも動じないんですよ。
京極:(笑)。今日も、イワクラさんは“遅刻していない”みたいな顔してましたもんね(本インタビュー時、イワクラが遅刻してきたが、中野は動じなかった)。
イワクラはこの日撮影に10分遅刻し、5分でメイクを仕上げた。
(9番街レトロ・なかむら撮影)
中野:動じた方がいいときってあると思うんだけど、そのときって、本当は動じてないのに、頑張って動じてる。
なかむら:(笑)。動じないように演じる時はありますけど、逆なんですね。緊張もしないんですか?
中野:しないなぁ。
イワクラ:だから怖いんだよ。無敵というか。
(9番街レトロ・京極撮影)
ーー中野さんはいかがですか?
中野:大阪時代にテレビの仕事がなかったので、知らなかっただけかもしれないですけど、順応力が高いなって思います。上京して間もない頃、普段、ライブでもしないような種類の出方をして、“そんなこともできるんだ”って思いました。どちらかと言えば、不器用なイメージだったので。
イワクラ:一発目にテレビに出た時、ずっと受け身だったんですよ。番組を観て“やべぇな”って思って。振られたら何か言わなきゃいけないって分かったんで、とりあえず、何か振られたら何かを返すってことは考えています。
中野:頼もしいですよね。そのおかげで、僕が動じずにいられるってことですからね。僕が何もしていなくても、何とかしてくれる。
(9番街レトロ・なかむら撮影)
ーー(笑)。最後に、ライブをご覧になる方へメッセージをお願いします。
中野:(9番街とは)気持ち悪い距離感ですけど、ここからグッと近づくのか、パっと離れるのか、それともキープなのか……見届けてほしいですね。
イワクラ:本当にあっという間だと思います。全編トークライブでもいけるくらい喋ることがあると思うんで、ぜひどんな関係性なのか見ていただきたいです。
京極:めっちゃテンパってる中野さんとか、入りの1時間前にくるイワクラさんとか……。みなさんが見たことのない蛙亭を引き出せたらなって思います。
なかむら:……ほんまに見てほしいです。
中野:(コメントの薄さに)この時間なんだったん!
■ライブINFO
渋谷×神保町 若手プレミアムマッチ
日時:2021年8月26日(木)開場16:30/開演16:45/終演17:45
会場:ヨシモト∞ドーム ステージⅡ(東京都渋谷区宇田川町31-2 渋谷ビーム7F)
料金:前売¥1,500|当日¥1,800|有料配信(GoTo割引)¥800
※会場チケットは完売しております。
出演:蛙亭、9番街レトロ
内容:渋谷ヨシモト∞ホール所属芸人と神保町よしもと漫才劇場の所属芸人1組ずつがネタとトークをお送りするツーマンライブ!所属の垣根を越えて交流するプレミアムライブです!
■渋谷×神保町 若手プレミアムマッチ INFO
▼8月の『渋谷×神保町 若手プレミアムマッチ』の出演者詳細はこちら!
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ライター/浜瀬将樹
企画・編集/小林亜美