思わぬ邂逅
昨日、保江邦夫先生という理論物理学者の勉強会に行ってきた。
実は私、大学で物理学を学んだはずなのだけれど…。
恥ずかしながら保江先生のこと、先週まで、まったく存じ上げなかった。
たまたまYouTubeで「人間原理」なるものについて話されている動画を見付け、興味をひかれて。
いったいどんな人なのかと調べていくうちに、なんと二日後に横浜で勉強会が開かれることを知り、慌てて申し込んだという次第。
しかもこの勉強会、毎月開催されているようで、昨日でなんと63回目なのだそう。
なのに、昨日のテーマがまさに「人間原理」にまつわるもので。
保江先生のことを知ってたったの1週間で、まさかご本人の口から、知りたかった内容そのものズバリを教えていただくことになろうとは…。
ちょっとできすぎていて、鳥肌が立つ思いがした。
「人間原理」とは、宇宙のあらゆるものが存在できているのは、人間がそれを認識しているからだ、とする理論で。
なんだか傲慢な感じがあるので、もうちょっと詳しく説明をすると。
人はそれぞれ、その人だけの世界(モナド)を持っており、宇宙とはモナドの集合体である(モナド以外は何も存在しない)ということ。
すなわち、誰も認識していないものは、宇宙には存在してないってことになるわけ。
さらに、個々のモナドは独立していて、互いに作用し合うことはないのだそう。
驚いたことにこれ、私が経験を通して自分なりに理解した「人はみな、自分だけの世界を見ている」っていう理屈と同じなのよね。
いっしょにいた人が自分と同じものを見ていたとしても、認識している風景は必ずしも一致するとは限らないわけで。
だとすると、あらゆる人に共通する“真実”なんて存在し得ない、という理解から至った理屈なんだけど。
それが最新の物理学の根本原理と同じ考えかただと分り、物理学科卒としては、ゾクゾクとした知的興奮を覚えてしまったわけですよ。
なんだ私、やっぱり物理が好きなんじゃんと、改めて認識した。
一方で、昨日、いちばん記憶に残ったことは…。
「他者のモナドは、どうやったって知りようがないんだから、考える必要なんてないんです」という、保江先生の言葉で。
それって私がいま、カウンセラーから学んでることそのものなのですよ。
こんなふうに “いまの私” と ”大学時代の私” が、双方向で邂逅するというのは。
やっぱり、ワクワクすることこの上ない出来事だった。