夜想—あしながおじさんへの孝思—(短編朗読戯曲)
劇団ロオル 短編朗読戯曲 作・本山由乃
夜想—あしながおじさんへの考想—
登場人物
女
少女
女 あたしは少女ジュディだった。
孤児のジュディ、親を知らず、恵まれない少女ジュディ。
あたしは毎夜、手紙を書いた。
宛名はもちろん、あしながおじさん。
あたしにとってあしながおじさんは、パパであり、
おうじさまだった。
少女 知らない人に手紙を書くなんて変な気がするわ。
あたしがいったい手紙を書くなんて、へんな気がするわ。
だって生まれてから手紙なんて3度か4度位しかないんだもの!
だから型破りなお手紙でもどうか許してくださいね?
あたしがおじさんのことを考えるとき、
あたしの空想の土台になっているものはほとんどないのよ?
あたしが知っていることといったら3つだけ。
女 1つ、背がとっても高い方だということ
少女 2つ、お金持ちでいらっしゃるということ
女 3つ、女の子がきらいだということ!
ここから先は
2,257字
¥ 1,000
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?