脚本より 

 皆様はじめまして。「死神のプロパガンダ」の脚本を務めております、金田一です。

 今回は「安楽死」をテーマとして脚本を書かせていただきました。「安楽死」と聞くと暗いイメージが先行するかもしれませんが、このテーマは現代において一元化された答えの存在しないテーマの1つです。つまり、暗いイメージもあれば、明るいイメージもあるテーマであるということです。故に正解もありません。

 こういったテーマを考えた先、我々が向かう世界はユートピアでしょうか。それともディストピアでしょうか。

 残念ながら、私達はこの問いの答えを今すぐには知ることが出来ません。いつだって約束された未来など、ただの1つも存在しません。なら、私達はこのまま目的地も分からない旅を続けなければいけないのでしょうか。

 ここで重要なのは、私達は考えることが出来て、問題について悩み、最適解を出そうと努力することが出来る生き物だということです。いつの時代も、我々は苦悩の末に僅かな希望と新たな可能性を見出し生きてきました。これからも同じです。

 私は時々こう思うことがあります。

「大変な時代に生まれてしまった」と。

 ですが、それはきっといつの時代も同じだったと思います。いつの時代も大変だった。けれど、人々は悩みながらその中に希望を見出し、光に満ちた未来を切望してきた。その繰り返しが、今日の世界を構成しているのだと思います。

 我々の悩みが希望の糧となり、より良い未来に繋がることを祈って。

 


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