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離職率0%を実現!アウトソーシングテクノロジー様の新卒研修。
「自分自身と未来を、こんなに深く考えたのは初めてだった。」
ある新卒社員がそう語ったのは、アウトソーシングテクノロジー株式会社(以下、OSTech)とGEKI社で実施した新しい研修、Your Compass Session。
OSTechは「この世界にある、あらゆる“はたらく”を革新する企業に。」というミッションを掲げ、技術サービスと人材育成に注力する企業です。
この新卒研修では、キャリア研修という仕事に限ったものではなく、それぞれらしい人生を歩めるように、新卒社員たちの人生の指針を描きました。
今回はOSTech 事業推進本部 営業企画部 営業開発課の山田祥功様にお話を伺い、会社としての新しい研修の挑戦とその成果を紐解きます。
1. 離職率の壁を越える――新たな研修が求められた背景
新卒社員への期待と課題の狭間で、なぜ新たな研修を構築する必要性を感じたのか。その背景について伺いました。
ー新卒社員向け研修の一環として、新たな研修を構築しようと思われたきっかけを教えてください。
私たち営業開発課は、新卒社員の研修を担当しており、昨年初めてバックオフィスの社員に向けて、統括的な新卒研修を実施しました。その中で、早期離職者の多さや、新卒社員が自分の将来像を明確に描けていないという課題に直面しました。特に、”言われたことはできるが、自ら進んで動こうとする姿勢が足りない”と感じる場面が多くありました。そこで、外部の専門知識を活用して、より主体的に未来を描けるような研修を作りたいと思ったのがきっかけです。
ー現場の声や状況がきっかけでその課題に気づかれたのですか?
そうですね。去年の新卒研修を振り返った際に、特に気になったのは離職率の高さです。バックオフィスの新卒社員35名中3名が1年以内に退職していました。それだけでなく、現場に出た新卒社員が『どう行動していいかわからない』『先輩に聞くのが怖い』といった声を上げていたのも印象に残っています。社会人としての自立心や指針が定まっていないと、配属後のギャップが大きいのだと痛感しました。
ー新卒社員の方々に特に感じた課題やギャップについて、もう少し具体的に教えていただけますか?
昨今の新卒社員の多くは、社会や会社に対する期待感が薄い印象を受けます。もちろん優秀な人たちばかりで、指示されたことはしっかりこなすのですが、自分の未来をどう描きたいかといった主体性が欠けていると感じました。また、就職前にイメージしていた職場環境と実際の現場とのギャップも大きく、入社後すぐに『思っていたのと違う』と感じてしまうケースが多かったです。
ーそうした課題を抱える中で、GEKIへの依頼を決められた背景を教えていただけますか?
実は、前任者より「新卒研修でユニークなことができる会社がある」という話を聞いたのがきっかけでGEKIさんに依頼しました。他にもいくつかのブランディング会社に相談していましたが、多くは既存の研修パッケージを提案されるだけでした。一方で、GEKIさんは私たちの課題に合わせてゼロからプログラムを作るとおっしゃっていただき、その姿勢に感銘を受けて、最終的にGEKIさんへ依頼を決めました。
ーGEKIに依頼するにあたって、特に期待したことは何だったのでしょうか。
やはり、新卒社員が主体的に考え、動けるようになることが第一の目標でした。1カ月の研修プログラムでは、ビジネスマナーやツールの使い方など、座学が中心になる部分が多かったので、主体性を養うような切り替えポイントを作りたかったんです。その中で、Your/Our Compass Session を研修のハイライトとして位置づけ、社会人としてのマインドセットを根本から変えることを期待していました。
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2. 自分を知る“Your Compass Session”――1日目の核心に迫る
1日目に実施されたYour Compass Sessionは、新卒社員が「自分の人生のコンパス」を描き、自身の過去、現在、そして未来を深く見つめ直す時間となりました。このユニークな取り組みの詳細について伺いました。
ー研修内容について、特に「個人のコンパス」を描くという部分が印象的ですが、具体的にどのようなことを行ったのでしょうか?
1日目のYour Compass Sessionでは、各新卒社員が自分の過去、現在、未来を振り返るワークを行いました。人生の指針となる軸を考えるのですが、ただ書くだけではありません。講師であるGEKIの方々が各テーブルを回りながら深掘りをしてくれました。例えば、『これを書いた背景にはどのような経験がありましたか?』や、『この目標を達成したときにどのような気持ちになりたいですか?』といった質問を投げかけてもらうことで、表面的な振り返りではなく、社員一人ひとりの内面に触れるような時間になりました。最後の発表では、感極まって涙を流す社員も多くいて、私自身も非常に心を動かされました。
ー内観ワークに近いですね。この研修の中で、特に印象的だったエピソードはありますか?
やはり最後の発表です。各社員が自分の言葉で未来像や人生の価値観を語る場面では、本当に心に響く瞬間が多くありました。中には、「これまで自分の弱さを認めるのが怖かったけど、初めて自分の弱点も大切に思えた」と言ってくれた社員もいました。泣いている社員が何人もいて、その場の空気感は本当に特別なものでした。私自身も胸が熱くなりましたし、他の担当者も新卒社員の真剣な姿勢に感動していました。
ー研修での環境づくりにも特徴があったと伺いましたが、具体的にはどのような工夫があったのでしょうか?
普段の研修とは異なり、空間設計にも大きな工夫が施されていました。例えば、研修会場の座席配置は普通の教室型ではなく、円卓やバラバラの向きにすることで、社員同士が自然に対話しやすい雰囲気を作っていました。また、BGMが流れていたり、服装が自由だったりと、形式ばらないリラックスした空間が用意されていたのも大きな要素でした。そのおかげで、社員たちは普段の仕事モードを一旦忘れ、自分自身について深く考える時間を持つことができたと思います。
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3. 個から全体へ―― “Our Compass Session”が生んだ一体感
2日目の「Our Compass Session」では、個人の内省を超え、同期全体で目指す未来を描く時間が設けられました。このセッションはどのような成果をもたらしたのでしょうか。
ー2日目は、全体に目を向ける Our Compass Session が開催されましたね。
はい、Our Compass Sessionでは、新卒全体の指針を考える場として、参加者全員で話し合いをしました。研修の序盤は緊張感がありましたが、GEKIさんが雰囲気を作ってくださったおかげで、徐々に意見を出し合えるようになりました。特に「自分たちは同期として何を目指すべきか」というテーマに向き合う時間が印象的でしたね。結果として、全員が一致した指針を持てたことが大きな成果だったと感じます。この研修では感情的な部分だけではなく、社会人としての自覚を育む場にもなり、まさに同期全員の成長を感じられる内容だったと思います。
ーOur Compass というテーマが与えた影響について、社員から具体的なフィードバックはありましたか?
そうですね、研修後のアンケートでは嬉しいコメントがたくさんありました。たとえば、「同期と一緒に考えた指針が、これから自分が進む道をより明確にしてくれた」「自分が発言した意見が全体の目標に反映されたことに感動した。同期の一員として貢献している実感が持てた」「これまで同期と話し合う機会はあったけれど、こんなに深い対話をしたのは初めてだった」などです。このセッションが、ただの研修ではなく、仲間との絆を深める貴重な時間となったのだと実感しています。さらに、このプロセスを経験したことで、社員たちは目標を主体的に考え、それを共有する意味を理解しました。結果的に、社員同士の結束が強まり、同期全体の雰囲気が非常に良くなったと感じています。
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4. 研修が生んだ新卒社員の絆と変化
研修を終えた新卒社員たちがどのように変化し、どのような成果を生んだのか。信頼関係や心の成長について伺いました。
ー研修を終えた後、新卒社員にどのような変化がみられましたか?
まず、2024年12月時点で離職率がゼロというのが大きな成果です。前年は35名中3名が1年以内に退職してしまいましたが、今年は半年経った現時点で28名全員が在籍しています。この結果を見て、「やって良かったな」と本当に思いました。また、新卒社員同士の信頼関係が非常に強くなったと感じています。例えば、困ったことがあれば同期同士で解決し合う姿が見られるようになり、職場でのやり取りの中でも自然と助け合う雰囲気が生まれているのを目の当たりにしました。研修を通じて社員たちが心の中で大きく成長したのだと実感しています。
ー社員同士の「絆」が形成された場面について、印象的なエピソードがあれば教えてください。
特に印象的だったのは、研修1日目の最後に行われた個人発表の場面です。それぞれが自分の過去や現在、未来について語る中で、「今まで誰にも言えなかった悩みを初めて話せた」「同期だからこそ素直にさらけ出せた」という言葉が聞かれました。発表中には感極まって涙を流す社員もいて、私自身も胸が熱くなったのを覚えています。さらに、その後の実務の場でも、この「絆」が生きています。例えば、ある社員が契約の取り方に悩んでいた際に、別の社員が自身の成功体験を共有し、一緒に解決策を考えていた場面がありました。また、些細な声かけでもお互いを励まし合う姿を見ると、研修で築かれた信頼感が実際の仕事に大きく影響を与えているのだと感じます。
ー研修後のアンケート結果について、教えてください。
研修後のアンケートでは、Your Compass SessionとOur Compass Sessionのどちらも非常に高い評価を得ました。Your Compass Sessionでは、新卒社員全員が9点または10点をつけ、平均点は9.93点でした。この結果は、自己分析を深める過程が新卒社員にとって非常に有意義だったことを物語っています。
Our Compass Sessionではさらに驚くべき結果が得られ、全員が10点満点をつけました。参加者全員が研修内容や進行に満足し、同期全体で共有する目標や指針を作り上げるプロセスに心から共感したことがうかがえます。新卒社員からは「この目標を共有できたことで、自分が会社の一員として成長していく未来が見えた」というコメントもあり、大変嬉しかったですね。
ー研修による変化は、具体的な営業成績にも反映されていますか?
直接的に数字へ換算するのは難しいですが、部署全体の営業成績は昨年比で向上しています。最初の研修で築かれた信頼関係や、同期同士の協力体制は成果に少なからず関係していると考えています。先輩に質問するだけでなく、同期同士で相談し合いながら仕事を進められる環境が、成果に繋がっているのではないでしょうか。
ー今回の成果を受けて、次回以降の研修で改善したい点や新たに挑戦したいことはありますか?
今年は同期間の絆がしっかりと構築されたことが良かった点です。来年はさらにその先を見据えた内容にしたいと思っています。例えば、配属後の現場でどのように動くべきかや、営業スキルだけでなく業務への主体性をどう磨いていくかなど、より実務に直結した内容を盛り込みたいです。また、研修中に築いた絆を現場でも活かせるよう、フォローアップ施策を充実させたいと思います。
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5. 働くを革新する―― “Your Compass Session”のその先へ
ーこの研修は、企業イメージや採用活動にどのような影響を与えたと思いますか?
Your Compass Sessionを通じて、社員の成長に本気で向き合う会社だという印象を外部に発信するきっかけになりました。研修風景を撮影した動画は、新卒採用の説明会で使用されていて、『この会社に入社すると、こんな研修を受けられる』という具体的なイメージを伝えられる材料として活用されています。これまでOSTechでは、エンジニア採用においては研修制度を強みとして訴求していましたが、他職種の新卒採用ではその取り組みを十分にアピールできていませんでした。しかし、この研修をPRの一環として活用することで、より広範な採用活動の武器となったと感じています。
ー今後の研修やプロジェクトで目指している方向性について教えてください。
今年は同期の絆が非常に深まり、大きな成果が得られました。ただ、来年はその先を見据えた内容をさらに強化したいと考えています。研修中は新卒社員が主役で、私たちも全力でサポートしますが、配属後は現場での戦力として期待されます。そのため、自分から主体的に動ける力が求められますが、指示がないとどうしていいかわからず困ってしまう社員も見受けられました。
来年は、このような現場での課題に対応するため、配属後の働き方や必要な力を具体的に落とし込む内容を研修に盛り込む予定です。例えば、現場で求められるスキルや心構えを事前に伝えたり、配属後もスムーズに移行できるようなサポートを検討しています。このようなソフトランディングを意識することで、新卒社員が自信を持って現場で活躍できるようにしていきたいです。
ー今後、企業として社会に浸透させていきたい文化や価値観は何ですか?
これは私個人の考えも含まれますが、OSTechのミッションである「この世界にある、あらゆる“はたらく”を革新する企業に。」という目標に向けて、特に営業や採用の分野で取り組みを進めていきたいと考えています。エンジニア職は成長指標が明確で達成感を得やすいですが、営業や採用ではその道筋が曖昧なこともあります。そこをクリアにすることで、社員が未来を描きやすい企業にしていきたいです。
ー「はたらく」のポジティブな価値観を広めるために重要なことを教えてください。
やはり、自分の指針を持つことだと思います。それは職種や業務内容に関係なく大切なことです。「Your Compass Session」で社員たちが学んだように、「自分が何を目指しているのか」「どう成長していきたいのか」を明確にすることで、仕事へのモチベーションが自然と高まります。これを全社員が持つようになれば、社内全体が前向きな空気に包まれ、社会全体への発信力も強まるはずです。
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「この世界にある、あらゆる“はたらく”を革新する企業に。」
Your Compass Sessionというユニークな取り組みを通じ、社員たちの成長と未来への指針を形にし、OSTechはその理念を体現しました。
社員の成長が企業の成長を生むという、当たり前のようで実現が難しい命題を形にしたOSTechの挑戦は、次世代の働き方にも大きな影響を与えることでしょう。
これからも、未来の「はたらく」を形作るOSTechの取り組みから目が離せません。
🔗 Your Compass Session 研修資料
🔗 Your Compass Session 研修風景Movie
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