決済方法について想うこと
気がつけば11月ももう直ぐ終わりで、すでに気分は師走モード。
師走という言葉は12月に先生が走ると子供の頃覚えましたが、正しく理解したのは落語を聞くようになってから。
江戸時代の日本では商売、掛けでの売り買いが日常的。それは現代も同じですが、その掛けの期限が12月31日までと結構悠長な時代だったようです。そのため、12月になると売掛金の回収に多くの商売人が街中を走り回っていく。
落語の話の中でも、この売掛金の回収から、お金のない町人が逃げる滑稽話が多数出てきます。
ふと思い返してみると、これに近い風習が昭和から平成の頭ぐらいまでは残っていた気がします。私の実家も商売をやっていたので子供の頃に祖父が小切手を振り出す姿を見ていました。あの頃はあれがどういう意味かわかっていなかったのですが、当時の話を母に聞くと、当時の小切手(実家の話かも知りませんが)は年2回の回収となっていたらしく、その時期になると、振り出した小切手の支払い金額が想定外に大きくて、運転資金をかき集めるのに結構大変だったとか。
もっとも、右肩上がりの時代からバブル絶頂期だったので、世間にはそれなりに余裕があって、そのようなのんびりした支払いでもよかったのでしょう。
現在はというと、とにかく早めに入金してもらいたいという方が大半。それだけ厳しくなってきた問いことだと思います。
コロナ前にPayPayが手数料無料で店舗への導入を進めてきたこともあり、電子決済が街中の店舗でもだいぶ聞くようになってきました。また、各自治体でも〇〇ペイといった産業振興策が結構出てきていて、その導入をした店舗が多いです。
電子決済の利点は現金を扱わなくていいところ(と私は理解しています)。積極的にこれを使い始めてから、カバンから財布を出す機会が本当に減りました。
逆にスマホの重要度は上がっているのですが、スマホの用途は広いので常に身につけているもの。かつ、きちんと認証をかければセキュリティーも高いので安心です。人前で財布を出すのは躊躇われるけど、スマホを出すことにはあまり抵抗ないのもこの辺りかもしれません。
一方で、クレジットカードの利用については、まだまだ制約が多いように感じています。地域通貨(そうか、〇〇ペイは地域通貨の発展版ですね)やPayPayは使えるけれど他はNGという店舗はまだまだ多いです。この理由としては、手数料もさることながら、支払いまでの期間もかなり影響している気がします。特にPayPayや楽天ペイ、Squareは最短で翌日支払いが条件によっては可能になるので、店舗側としては、現金に近い形で取り扱うことが可能です。一方で通常のクレジットカードの場合は30日ぐらいかかるケースも多く、資金繰りが難しくなるからです。
ただ、利用者側の立場で見ると、PayPayや〇〇ペイは基本的には口座から入金なので、今手元に現預金残が少ない場合は使えません。PayPayは現在は他社クレカも使えますが、25年にはPayPyaカードからのみになる予定。なので、利用を躊躇されるケースもあります。Squareであれば通常クレカとも紐づいているので25年以降はひょっとするとSquareの方が優勢になる可能性はありますね。
スーパーアプリという言葉があります。一つのアプリでコミュニケーション、決済、宅配便・映画チケット予約などのサービス利用と生活の様々なシーンをカバーできるアプリです。東南アジアでは結構流行っていてインドネシアのGoJecや中国のWeChatが有名です。欧米では各サービスに特化した大手(AmazonやUber、Xといった具合)が強いので、そこまでのスーパーアプリはないようです。
日本では、LINEがそれに近づいていると言われています。Yahoo(PayPay)とZHDの統合の話もあり、こちらが進む気配もしますが、先ほどのクレカ締め出しのことを考えると、中国やインドネシアと社会的背景も異なるので、なかなか一社が独占ということは難しく、他社が優勢に立つことも考えられます。
その辺りも考えながら決済手段に幅をもたせつつ導入していくことがお店側には求められてきます。もちろん、支払いが短期になりつつあるとはいえ資金繰りにはご注意をというところでしょうか。
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