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漁業法改正について思うこと

近所の生協へ行った時においてあった冊子が目に止まった。「魚はいつまで食べられるのか?」一瞬ギョッとするタイトルに惹かれて持ち帰ってみると、漁業法が70年ぶりに改正されるということらしい。

気になって調べてみた。
 今までの漁業法は「漁業の民主化を図る」ことを目的としていたが、民主化は実現されたので「民主化」の文字は消えたことと、新たな水産資源の管理システムの構築と漁業権付与の仕組みなど海面利用制度の見直しの二つが大きなポイントらしい。と言っても何のことやらなのでちょっとだけあんちょこを見ながら解説。

 水産資源管理とは、漁獲量を制限している漁獲可能量(略称TAC:Total allowable catch)というのがあり、現行の8種類(クロマグロ、さんま、すけとうだら、まあじ、まいわし、まさば・ごまさば、するめいか、ずわいがに)の8種類から順次拡大します。また、資源量の維持、回復を図りつつ毎年の漁獲可能量を決めるということで、全体的に乱獲を防止していくことになります。
 また、漁獲可能量は今まで総量が定められていただけですが、改正により漁業者か船舶ごとに割り振られる部分の大きな特徴です。要するに今まであ早い者勝ちだったのをこうすることで、漁業者の裁量により量の時期を選べるというところが大きいのです。
 もっとも、魚自体は日本の水域以外へも行ったり来たりしているだろうから、他国の水域で乱獲されることがあるなら資源量の維持回復は難しいのではないかと思う。例えば、中国・韓国・台湾ではどう言ったルールで漁業が運営されているのだろうか?特にに最近の日本食ブームでアジア諸国でも魚の生食が増えていると聞きます。日本で取れた魚がそのまま海外へ輸出される割合が増えることで、日本国内の値段が上がり日本人の手に届かなくなるという業況も考えられるし、日本に来るまでに魚を取られて他国で養殖されるようになれば、日本近海の資源量が減ってしまうことも考えられます。

 二つ目の漁業権付与の仕組みは色々と物議を醸し出しそうです。漁業権には3つの区分があります。地元漁師が近隣の漁場を共同で利用する「共同漁業権」、定置網を設置して漁をする「定置漁業権」、そして養殖のための「区画漁業権」です。この漁業権、今までは地元漁民に優先的に付与する仕組みでしたが今回の改正によりその優先権を廃止して、「漁場を適切かつ有効に活用」している人を優先とし、そう言った人がいない場合は「地域の水産業に発展に最も寄与すると認められる者」に都道府県知事の裁量により免許することに変わりました。漁場の管理ができなくなった地域に対して、地元以外の第三者の参入を許すことにより良好な漁場を維持していくとも取れますが、都道府県知事の一存で経済優先とした、企業参入の道が開かれた都会することもできます。(定義も曖昧なので)

この背景には、漁業者の後継者不足と、日本人の魚離れによる漁業の衰退があります。しかし、世界的に目を向けると漁業生産量は増加しているので、中小の漁業者が経営できる環境を整え、世界へ対して販路を開拓していく流れを作れれば、漁業の持続的成長を促すことは可能ではないかと思います。ちなみに、最近読んだ記事で北海道の釧路では中小企業がなくなり大企業に商業を任せたところ、大企業の撤退により町の衰退が激しくなった例が載っていました。

 今回なぜ気になったのかといえば、夏に気仙沼へ行ったことと、縁があるノルウェーが漁業王国だからです。気仙沼では人々は海と共に生きていく生活をえらんでいて、漁業とは切っても切り離せない土地でした。この海に開かれた土地が様々な地域への窓口となっていて気仙沼独自の繁栄を遂げてきている。だから、この土地に残り続ける判断がされてきている。また、ノルウェーも漁業王国で、ノルウェーサーモンやシシャモをはじめとする水産品の多くが日本へも輸出されているし、細長い国土に長い海岸線は日本とも共通点がある。そして、ノルウェーへ進出している日本の水産関連企業が多いことや漁業者は尊敬されており世襲制のため、なりたくてもなれない職業と聞ききます。

 ノルウェーはどう言った制度なのか?そこから日本の漁業へのヒントはないのかなど、ちょっと興味深く感じてきています。なので、この先漁業がどうなるのか。ちょっと追っていきたいと感じている。

 そういえば、今回私が関わることになった千葉県鋸南町をはじめとする南房総地域も漁業王国でした。地元の漁業者の話なんかも聞けるといいな・・・


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masaki hilano(城跡広場)
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