【キンボシ西田・有宗】「売れたい」「頑張りたくない…」2人の現在地【ユニットでKOC準決勝】
異なる「2人のスタンス」
ーーこちらの動画内で、以前一度解散の危機が訪れたという話をされていましたよね。踏みとどまった時の話し合いで有宗さんが「俺は頑張れない」とおっしゃった、と。すごくインパクトがありました。
そう仰りつつも、∞ホールのレギュラーとして色々な劇場で活躍し、毎年M-1では着実に戦績を上げていて。2人のスタンスはちがうのに活動の幅を広げているところに、魅力を感じました。
この動画が公開されたのは2022年ですが、今も有宗さんのスタンスは変わりないですか。
有宗 やらないムーブはありますよね(笑)。
西田 そうですね。基本的に何にもやらない(笑)。今も「こういうのやれば」って言っても、気付いたら辞めてます。
有宗が一時期、インスタで「毎日ツッコミ」っていうのをアップし続けてたんですよ。
https://www.instagram.com/kinboshiyouzong/
西田 最初、1年くらい続いて。それを面白いって言ってくれる芸人集めて、「ベストなツッコミを決めるライブ」を開催したんです。インディアンスの田渕さんとかも出てくれて盛り上がって。でも気づいたらしれっとやらなくなってて。セカンドシーズンはなし。
有宗 まあ〜。
西田 僕は相撲好きのフックで色々(番組とかに)呼んでもらうことが多いんですけど、相方が一緒に出た時に「何出来る?」って話になるじゃないですか。「ギャンブル好き」って答えるけど、そこから特に広がらず。
「何か広がる特技とか作ったら」って言っても「そうだよなー」って言って、今に至ります(笑)。
有宗 意欲がないんですよね。
西田 この動画で明かした解散話が出るまではイラつきしかなかったんですけど、それを経た今は、もう「無」。いい意味で期待しないでいれてるんで。
解散寸前の状態でコンビでしっかり話し合えたのは、本当良かったです。
西田 有宗高志、高い志って名前なのに、これですよ。
有宗 まあまあ。
ーーギャンブルの方面でお仕事が広がるのは、いかがですか。
有宗 番組やってる人たちって知識量(のレベルが)違うから。あれば、もちろん喜んでって感じですね。
ーー以前、こちらの企画を実施されていましたよね。
西田 もう2年前かあ。大変でした。やったのが6月で(賞レースの)調整の時期でもあったし。
有宗 やらせてもらって本当によかったんですけど、どうしてもわざわざ機会を作ってもらってるんで「コーナーライブの前に僕らだけネタ披露」みたいなことが起きてたんですよね。
芸人がカラオケするライブで、冒頭に僕らの漫才が入って。お客さんからしたら「なんで?」って感じになるじゃないですか。
西田 正直、自分たちのペースである程度ゆったりできるのかと思ってたら、結構ガチガチだし、もちろんネタはやらなきゃいけないし。ちゃんと(2人の仲が)ギスギスしました。
でも、これはマジで経験して良かったですね。仲の悪い時期を経験して一度爆発してるからこそ、今があります。
リセットできる「キンボシのラジオ場所」
ーー毎週火曜日に、YouTubeで「キンボシのラジオ場所」を放送されていますよね。
西田 やってます!YouTubeの登録者数こそ伸びてないですけど。
有宗 体感ですけど、劇場に観に来てくれるお客さんは増えましたね。
西田 ラジオのおかげでマジ仲良くなりましたね。週に1回、顔合わせて2人で話出来るんで。
始める前は、僕が思ってることをあんまり言えなくて。溜めて溜めて爆発するみたいな感じだったんですけど、週1で言える場所があるから、助かってます。
有宗 いい場所。
西田 ラジオだから面白おかしく話す分、絶対喧嘩にもならないし。
マイルドかつ。色々な人に聴いてもらって言質も取れる。
そもそも僕としては、ラジオはずっとやりたかったんです。けど、ちょっと恥ずかしくて言えなくて。ラジオやろうぜとか……なんか恥ずいじゃないですか。
有宗 なんで始めたんだっけ?
西田 ライブで、世間知らズの西田が「やればいいじゃないですか」って言ってくれて。西田に感謝ですよ。
有宗 あ〜そうだ。
僕もやって良かったですね。僕は特に、言いたい不満とかないですけど。西田が遅刻してくることもありますけど、特に。それも。言いたいとかではないです。はい(笑)。
ユニット「連合稽古」でまだ見ぬ景色に王手をかける
西田 組んだきっかけは、もう5、6年前になりますかね。あかつさんと、ワタナベエンターテインメントに所属してるマービン・ジュニアさんと「相撲好き芸人を集めて連合稽古ってライブをやりましょう」って話になったんです。
そこから何人かのメンバーが入ったり減ったりして、今のメンバーになって。2020年に、一回KOC出てみませんか?と。
有宗 初手から手応えというか、とにかく楽しかったんですよね。それで「毎年出るか」みたいな。
ーー今年は「ラヴィット!」のオープニングトークで過去2回開催されて反響を呼んだ「耳心地いい-1グランプリ」の決勝戦に「連合稽古」で進出したんですよね。手応えはいかかですか。
有宗 面白いもんで、ありますよね。準決勝に進んだとたん、みんなギラついちゃって。
最初は「盛り上がろう」で出てたのが、一気に色めき立ってきた(笑)。
有宗 超楽しいです。誰一人気使わない先輩たちだし。
「こんなのわがままだよ」って思うくらい。こんなに楽しくて、勝ち進んで。こんな贅沢いけないよ、って自分でも思う。でも、ここまで来たら、せっかくなら活かさなきゃいけない。
西田 なんかこういうのってもう、読めるものでもないというか。
これまでKOCの決勝に勝ち上がってきた、いわゆるダークホースな人たちって、ガチガチに仕上げてきてるわけじゃない場合が多いんですよね。
有宗 連合稽古は見て分かるとおり、ダークホース枠ですから。
今年は「絶妙なバランス」
ーーユニットでのコントと、おふたりの漫才。M-1も始まりますし、頭の中のスイッチの切り替えが難しそうな印象を受けます。
有宗 そこは難しくて悩んでいるというよりも、コントが肩の力を抜く良い機会になってくれてる気がします。ふだん漫才をやってるので、コントは全くの別物で、それが超楽しい。苦に感じることはないですね。
コントのネタはユニットのみんなで作るので、それも面白くて。
西田 コンビだなあって思ったのが、僕ら2人がアイデアを出す時、たいてい同じ方向にオチを持っていこうとする。でも、ユニットの他の3人は違う方向に持っていこうとするんですね。まとまりの良さよりも、営業でウケそうな方に進んでいく。発想の方向が違う。
それを持ち帰って漫才に取り入れられるのも、面白いです。
西田 まとめると、これまでM-1一筋でガチガチになってた賞レース時期と全く違う心境です。かなり前向きになってます。
自分たちの雰囲気も良くなってるし、KOCで知名度が上がることはプラスでしかない。今が頑張りどきだし、楽しみどきでもあります。
有宗 去年とは全然違いますね。根つめてギスギスするのが全てじゃないんだなって。リラックスできてるとは思います。
西田 学校の勉強なんかは、ギチギチにやればやるだけいいですけど、お笑いは…。やるはやるで必要だと思うんですけど、結局はウケるかどうか。キンボシとしてのギチギチ感は去年より薄れてますけど、良い意味で悲壮感は全くないです。これがいいバランスなのかも知れないですね。
有宗 KOCの準決勝が終わって、結果が出るまで……どうでしょうね。流れはいいんでね。本当に!
これも見て分かる通り、連合稽古って、めっちゃ気楽に見れると思うんですよね。楽しいだけだから(笑)。とりあえず、ただただ、楽しんでください。
取材・文・カメラ/小野寺美咲
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キンボシの直近のライブ出演予定(一部)
◯俺たちは絶対ムゲンダイレギュラーになる THE FINAL!!~キンボシ、とらふぐ、バビロン編~(ヨシモト∞ドーム ステージⅠ)
2023年9月23日(日)11:15開演
◯ムゲンダイフェス’23
『プレミアムワラムゲ!vol.1、2』(ヨシモト∞ホール)
『SHIBUYAサミットvol.2』(ヨシモト∞ドーム ステージⅠ)
『ムゲンダイニキ全員集合』(ヨシモト∞ホール)
2023年9月30日(日)
所属する∞ホール、ステージⅠ、Ⅱを中心に出演。オンライン配信がある公演も多数。この他、キンボシ出演予定のライブはこちらから。
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