AI回文の世界【亜門ラ太郎】

回文という一種の言葉遊びをご存知だろうか。
前から読んでも後ろから読んでも同じ音になる言葉・文のことである。

どこの誰が考えたのか、ネット上には
「農家も芋買うの?」「イカのダンスは済んだのかい」
などの名回文がゴロゴロ転がっている。

私もかっこよくて面白い回文を作りたい!

この記事では、ChatGPTやといったAIチャットサービスを用いて回文を作ることは可能なのか、試みていく。

ChatGPTに回文を作ってもらう

①頭文字のみ指定

早速ChatGPTに回文を作らせてみた。
何かしら具体的な指定があった方が良いかと思い、まずは適当な頭文字を設定してみることにする。

「ぬかぬかくん」

AIが導き出した答えは「ぬかぬかくん」であった。
後ろから読むと「んくかぬかぬ」。
「ん」で終わっている時点で論外である。

思えば私は回文について認識のすり合わせを怠っていたのではないか。
反省した。これでは人間失格である。

②定義の確認、再試行

試すようで申し訳ないが、回文の何たるかをどこまで理解しているのか尋ねてみる。
するとなんともわかりやすくフラットな説明と、丁度いい塩梅の具体例をお出ししてくれた。少し歪なところもあるが、概ね流石だ。これがAI。

これでわかってもらえたのではないか。そう思ったのは間違いであった。

「ぬかぬかくん」改め「ぬすぬす」

申し訳ございません。さっきのは間違いで、こちらが訂正版です。
なんて言われてしまえば、いやそれも間違ってるよとは微妙に言いづらい。
あ~~~~そっか、いや気にしないで全然。
むしろ気付いてくれてありがとうね……。

諦めるにはまだ早い。
これをフィードバックのチャンスと捉え、もう少し詳細に指示してみる。

③指示の具体化

「ぬくぬく飯熟んだ飯くぬぬくぬく」

回文としては成立していないが、味わい深い怪文ではある。
ほっかほかの柔らかいご飯を「熟んだ」と表現しているのだろうか。
「熟んだ飯」は「運試し」とかかっているのかもしれない。

思わぬ収穫であったが、回文でないことは覆せない。

「ぬすっとすぬ」
もう一度やってみると「ぬすっとすぬ」が繰り出された。
逆から読むと微妙に違うし、「すぬ」という動詞は私が知る限りでは存在しないが、条件を満たそうとする努力は見える。

ここで重要なのは「nu・su・tto・su・nu」というように、「っと」で一文字と捉えるとちゃんと回文にはなっているということである。

④レギュレーション緩和

先程までは、最初の取っ掛かりのつもりで付けた「ぬ」から始めるという条件が難易度を上げてしまっている可能性もあった。
シンプルな「回文を作ってください」という要求で攻めてみよう。

「ぬるい夜、夜いるぬ」

う~~~~~~ん

こちらも「夜」で一文字ととらえたらギリ回文といえるかもしれない。
ぬるい夜に、誰かがいるというイメージらしい。へ、へえ…
しかもこちらの譲歩を裏切るような形でまたしても「ぬ」である。
完敗だ。

Being AIに回文を作ってもらう

chatGPTをベースに、より検索に特化したというBeing AI。
こちらでは違う結果になるのか気になったので最後に少しだけ試してみる。

「えびすの神様はまさに神様すべし」
「えんやこらやこらやこらやこらやこらやこらやこらやこらやこらやえん」
「えびの殻をむくと殻をむくのびえ」

まとめ

AIチャットサービスに回文を作ってもらうのは難しい。

語句の対称性を意識した回文っぽいものを出してくれることもあったが、「っ」の扱いや漢字と仮名の使い分けで苦戦しているようであった。
(今回は省いたが、英語回文のほうがクオリティの高いものが出来ていた)

オリジナルを作るのではなく、回文とはどんなものか調べたり、既にある文例を教えてもらったり、そういった使い方が無難であろう。

AIに無茶振りして変な答えを引き出す趣旨の記事であったが、これを読んで本気で回文を作りたい!と思った方には、ネット上で無料公開されている回文作成ツールをおすすめしておく。

それでは皆様、よき回文ライフを〜(^_−)−☆

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