マガジンのカバー画像

旅行記いろいろ

23
ちょっとした旅行についての小文をまとめました。
運営しているクリエイター

#アート

シュチェチン独行🇵🇱

シュチェチン独行🇵🇱

ベルリンがなぜか肌に合わなくなって、心は東方へ向かい、いつしかポーランドへ行こうという意志が芽生えてきました。
とはいえ、あまりに突発的な考え故にワルシャワまでは行く余裕がなかったので、ドイツの国境沿いでそれなりに大きそうなシュチェチンという街に行こうということになりました。それまでシュチェチンという名前すら知らなかったのですが。

市内中心にある14世紀に建てられた城館へ。シュチェチンは中世から

もっとみる
会津若松とムッソリーニ

会津若松とムッソリーニ

福島県会津若松市に観光で立ち寄った時、まずこの城を訪れました。中は資料館になっています。やはり展示のメインは戊辰戦争の頃の会津藩についてで、敗者というよりは、忠義を尽くして勇敢に戦ったことが強調されています。教科書の官製の歴史とは違う面から書かれていて、歴史の多面性に思いを馳せました。

同行者は歴史にそこまで興味がなかったので、早急に城を降りて周りの茶室を覗いたら、飯盛山に向かいました。お目当て

もっとみる
「読書感想文」旅を糧とする芸術家(2006年)

「読書感想文」旅を糧とする芸術家(2006年)

西洋美術史の巨匠たちは旅をどのように作品の進化に活かしたか、また彼らにとって旅はどのような意義があったか、についてまとめられた本。各著者の論考がまとめられている、論文集です。

目次

・美術の展開に果たした芸術家の旅行の意義
小佐野重利 (総論)
・さまよえるヤーコポ・デ・バルバリ
秋山總 (ルネサンス)
・1603年のルーベンスのスペイン行と二点の絵画
中村俊春 (バロック)
・イタリアへの旅

もっとみる
モノカルチャー観光 ボン🇩🇪

モノカルチャー観光 ボン🇩🇪

大聖堂で有名なケルンからすぐ行ける街ボンは、東西ドイツ時代の西側の暫定首都の役割を果たしていたところです。それ以上に作曲家ベートーヴェンの出身地として有名だと思います。

この街に行くことは当初のドイツ観光の目的でもなく、ケルン大聖堂とその付属博物館を思ったよりも早く観終えてしまったために、どこかへ行こうということで急遽決まった目的先でした。今の自分なら街を散策する愉しみや名物を堪能する悦びに浸れ

もっとみる
マーストリヒト即興

マーストリヒト即興

気が滅入る曇り空。湿った石畳。「古都」を体感するには知識が必要だと思った。縁が無さすぎたのだ。古いことは分かるがそれが身体の中に沈静することなく目から滑り落ちていく。まったく街の歴史を知らないということは、何も見えないことと同じなのかもしれない。結局のところ知識が時間を掴むのだろうか。知識が感性を左右するのだろうか、とお堅く考えるものの低気圧でダウン…。

もっとみる
目眩のする輝き TEFAFレポート 後編

目眩のする輝き TEFAFレポート 後編

散策していると、売り込みに積極的なところと「売れなくてもいいや」みたいな雰囲気のところがあります。前者は一点売れたら奥から補充があり、忙しそうに動きまわるのですが、全く動かずなにも変わらず、代表が椅子に将軍のように座っているギャラリーも。

もう大御所ギャラリーはVIP向けにいくつか売れていてノルマを果たしているのでしょう。必死に名前を売らなければならない新参者のギャラリーと明確に違いがありました

もっとみる