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コロナで高齢の両親の行動範囲を制限した後に起きる悲劇。

11月になると喪中はがきが次々に届く。
今年は思いのほか枚数が多く、数枚学生時代の友人や知人もあったので久しぶりに連絡を取って話を聞くと、最期の亡くなり方がいずれも
悲惨で本当に気の毒な感じだった。

70代~80代の両親を持つ子供は現役世代の働き盛りが多い。なので、例えば近くに住んでいないと電話やメールで両親にいろいろアドバイスやお節介を焼くことがある。
特にリタイア世代は時間はたっぷりあることから、TVのニュースは欠かさず見ていて
感染者の数に一喜一憂している。
そんな時に子供からあれをしたらダメ、こうしたらダメというアドバイスがあればたいていの親はぶつくさ言いながらもそれに従う。

ある友人のご両親の場合。
母親がもともと身体が弱く、耳が聞こえないので父親がずっと母親のお世話をしていた。
80代ということもあり、コロナをきっかけに免許証の返納を促し、両親の行動範囲を一気に狭くし、感染しないよう手を打った…はずだった。
両親の住む土地は田舎で、車がないと実質生活はできないそんな場所だった。
車で移動できなくなった父親はまず話し相手が皆無になってしまった。
非常事態宣言が解けた頃、父親から娘の会社に電話があった。買い物に出て帰れなくなってしまったという。
父親は夫婦の生活の全てを引き受けていたくらいなので娘としてはその父親の変貌ぶりに驚きを隠せなかったらしい。
そして、その痴呆は数か月で生活が成り立たないレベルに一気に進んだ。
あんまり一気に体重が減り、弱ってしまったので父親は入院することになったのだが、
コロナで面会が制限され入院した日しか家族は会いに行けなかった。
もともと通院していた病院でもなかったので、想像するに声をかける医師や看護師も少なかったのだろう。
2週間で父親は息を引き取った。
亡くなる直前だけ家族が立ち会えたという。
長年闘病生活をしていただけでもない。
ちょっと入院して、体調が戻れば退院するはずだった。

人とのふれあいがなくなることでここまで寿命に影響があるとは思わなかった、と友人は涙ぐんでいた。

もう一人の友人もほぼ同じ話だった。
たまたまコロナの時期に父親の体調が悪くなり ちょっとだけ入院するつもりが、身体は弱っていたけれど頭はちゃきちゃきだったにもかかわらず、入院後、数週間で痴呆が加速し、あっという間に家族の顔が分からなくなり、家族がおろおろしている間に亡くなってしまったとのことだった。

このような哀しいエピソードは、今、世界中で起きていることだろう。
どの判断が正しいのか、なんてわからない。

ただ日本人はどうしても同調圧力の強い民族で、同じ方向を見て、同じ行動をしていないと叩かれる風土にはある。
東京に住む人が地方の実家に帰ると、そこに住み続ける両親や親せきが近所から嫌がらせをされるというので頼むから帰ってこないでと言われる。

ウィルスの正しい知識がないと、日々のTVのニュースに一喜一憂して、そこから受けるストレスを
自分と少しでも違う言動、行動している人にぶつけることでガス抜きをする生き方になってしまう。

自らの意思で情報の取捨選択をした生き方をしないと、常に他者に振り回される人生になっちゃうよなぁと思った射手座の新月の夜。

もうすぐ、価値・主流・ブームが所有から共有へ、物質から情報へと「水」の時代がやってくる。

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松屋町ゲハ
温かいお気持ち、ありがとうございます。 そんな優しい貴方の1日はきっと素敵なものになるでしょう。