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30代からのイギリス大学院留学:出願準備の概要

こんにちは、gegegenta_ です。

2023年秋からイギリスの大学院に進学することになりました。
準備する過程で先人の情報がとても参考になったのと、
分からなかったことや心残りなこともあったのとで、これからイギリスや海外の大学院を目指す方に役立てばと思いnoteを書きます。


プロフィール

31歳、会社員9年目です。大学では英米文学専攻、大学卒業後は、コンサルティング会社やAI関連の事業会社で、UXリサーチャー・UXデザイナーとして仕事をしてきました。どちらも大学院の専攻とは直接関係はありません。

大学時代は海外インターンシップを行う団体に所属し、そのときから国際協力や海外キャリアの世界に興味を持っていたのですが、新卒では残念ながら縁がありませんでした。海外に行きたい、大学院に行きたいという思いはずっと温めていたものの、会社が忙しかったのと、そのときに出会ったUXデザインの仕事が楽しくなっていたのもあり、検討を先延ばしにしていました。

30代に差し掛かって今後のキャリアをどうしようかと改めて考えたときに、今の世の中で本当に大事だ・問題であると思うことに取り組みたい、チャレンジしたいという結論に至り、大学院受験を本格的に始動させました。

出願校と進学先

2023年10月よりUniversity of Essex MA Theory and Practice of Human Rights (エセックス大学修士課程・人権専攻)に進学します。

エセックス大学はイギリスの中では比較的新しい大学です。社会科学分野での教育や研究の質に定評があり、特に人権の分野では世界トップクラスの大学です。日本からは、国際人権法を学ぶため弁護士の方が多く進学されているそうです。

出願は以下の4校にしました。

  • University of Essex / MA Theory and Practice of Human Rights *進学

  • University of Sussex / MA Gender and Development

  • University of East Anglia / MA Gender Analysis in Global Development

  • University of London The School of Oriental and African Studies (SOAS) / MA Gender and Law

結果はすべて無条件合格(Unconditional Offer)をいただくことができました。
実は、出願時点では学びたいことや修了後のキャリアについてイメージをクリアに持ちきれていなかったこともあり、最終的な進学先決定にあたってたくさん悩みました。ただこれはある程度仕方ないというか、どうしても未知の分野に進むので肌感もないし、出願する前に悩むより、受かってから悩む形でよかったのかなと思っています。
進学先決定に至るまでの思考過程や参考にした情報、また出願時に作成したPersonal Statementについては、また別の記事で書きます。

出願準備のタイムライン

こんなタイムラインで準備を進めました。

  • 2022年7月

    • 2023年秋からの大学院進学を目指すことを決意

    • 学びたいこと/進学先の比較検討を開始

  • 8月

    • 留学コンサルに問い合わせ、カウンセリング受講・申込

    • 大学から成績証明書・卒業証明書を取り寄せ

    • IELTS申込・受検準備

  • 9月

    • IELTS受検→スコアメイク完了

    • 推薦状の依頼

    • 並行して奨学金情報のチェックなど

  • 10月〜11月

    • PS(Personal Statement/志望理由書)の準備

      • レビュー受講→ドラフト作成→添削受講

    • 履歴書作成

    • 推薦状の回収・英訳

    • 出願

      • メールを見直したら11/25にApplicationの提出が完了していました

  • 12月〜2月

    • 順次結果報告を受領

  • 3月〜4月

    • 改めて各校を比較しながら、進学先を検討

    • 4月末ごろに進学先を決定

    • 奨学金の応募書類をいくつか提出(私は今回ひとつも通過できなかったので、あまり参考にならないかもしれません…)

  • 5月〜

    • リーディングリストから参考図書をいくつか取り寄せて読んでみる

    • アカデミック英語の講座受講

    • ビザや寮、航空券などの渡航準備

私が出願したコースは、いずれも面接や試験はありませんでした。MBAで要求されるGMATもなく、提出するPersonal Statementも研究計画書ではなく志望理由書のようなものなので、大学院受験の中では比較的準備しやすいかと思います。

出願書類について

各大学で求める書類はほとんど同じです。概要と、準備したことを書いておきます。

IELTSのスコア

イギリスの大学院受験にあたってはTOEFLが使えず、IELTSの受験が必須です。(厳密にいうと大学の出願自体はTOEFLでも良いのですが、ビザの申請にはIELTSが必須のようです)

学校によってOverall 6.0~7.0程度の基準があります。また各項目で6.0以下がないこと、といった条件を課しているところもあります。

なお、IELTSのスコアが足りていなくても、条件付き合格/Conditional Offerといって、Pre-sessional(英語を強化するサマースクールのようなもの)を受講し、パスすることを条件に入学を許可されることがあります。もちろん英語力はあるに越したことはありませんが、IELTSのスコアが少々足りなくても、諦めずにチャレンジしてみてください。

私は以前受けた際にライティングのスコアが低かったので、参考書を購入し、3週間ほどライティングの集中強化を行いました。
スコアは Reading 9.0, Listening8.0, Writing7.0, Speaking6.5, Overall 7.5 でした。

Speakingは時間切れになってしまったり、正直に答えた結果うまく伝えられなかった設問があったので(無難な回答をしておけばよかった…)心残りはあったのですが、最低基準はクリアしたので1回でスコアメイクを完了しました。

推薦状

学校によって1通か2通求められます。書いてもらう人は大学教員が推奨、次点で職場の同僚や上司、友人や家族は☓です。

私は大学の先生と前職の上司に依頼しました。大学ではゼミ等に所属しておらず成績も微妙、かつ卒業してからだいぶ時間が経っていたのですが、研究室にメールしたところ快く引き受けてくださいました。先生には、出願予定校と履歴書、そして書いてほしいポイントをメールで送り、ネイティブの方だったので文章自体は作成してもらいました。
上司には日本語でドラフトを作成し、適宜コメント・加筆だけしてもらいました。また英訳は留学コンサル経由で依頼しました。自分で英訳しても良かったのですが、言い回しの癖からバレやすいと聞いたので、念のため有料(¥20,000)で依頼しました。

注意点としては、

・推薦者の所属組織の正式なフォーマットで提出する
・連絡先はgmailなどのフリーメールではなく、所属組織のアドレスにする

が挙げられます。フォーマットの要件は組織のロゴが入っている等、いくつかあるので調べてみてください。私も、推薦者の方に依頼して正式なフォーマットで印刷→スキャンしてPDF化し、メールで送ってもらいました。

Personal Statement(PS)

選考にあたって、一番重要な書類です。

私の出願校では最小が500ワード、最大が1000ワードでした。
学校によって、指定されたワード数に対して、厳密にそのワード数「以下」なのか、多少はみ出してもOKなのかが違います。

これまでの経歴や学び・実践してきたこと、将来目指すこと、両者をつなぐためにこの大学・コースに進学したい理由、といった内容を詰め込みます。

私の場合、このあたりの分野をやりたい、というのは大まかには決まっていたものの、その中でさらに学びたい内容や最適な専攻、卒業後のキャリアイメージまでは見えていませんでした。イギリスの修士課程は専門が非常に細分化されているため、「なんとなくこの分野に興味がある」だけでは書けません。そのため、PSを書くこと自体が、思考を整理する作業になりました。
大学のコース情報を見たり、専攻領域に関する本やニュース記事を見ては日々興味や考えがアップデートされ、なんども書き直しました。

複数出願する分の作成は、最も制限字数が多い学校に合わせたマスタを作成し、あとは各校のコースに出願したい理由や学びたい内容、そして字数制限に合わせて削るといった調整を行いました。

PSの作成にあたって留学コンサル経由で受講したレビューがとても役立ちました。具体的なPSの内容や書き方、そして最終的な進学先の決定のプロセスも含めた詳細については別記事で書きますね。

成績証明書・卒業証明書

大学に依頼して取得します。もちろん英文です。
私の場合は、郵送で依頼し、返送されるまで2週間ほどかかりました。

なお、大学院の選考では大学時代の成績が重要な基準になります。
各校では、出願基準として
"2.1 (Upper Second)" とか "2.2 (Lower Second) "
といった成績の基準を公開しています。
だいたいの目安は2.1=GPA 3.0/4.0 以上のようです。
GPAとの対照表は以下のようなサイトで公開されています。
https://beo.jp/gpa-edit

なお、GPAのつけ方が大学によって違うため、不利にならないよう、留学コンサルで再計算してくれます。(自分で再計算できるサービスもあるようです)

ちなみに私の大学時代の成績は決して良くなく、GPAは4.0中2.7〜2.8ぐらいしかありませんでした…。
今大学生の方で将来留学したい方は、単位を落としてもGPAには響かないが、「可」や「C」のような「ギリギリ合格」の成績はGPAに大きく響く ということをぜひ反面教師にして覚えておいてくださいね。

 ただ、成績が基準に届いていないからといって即不合格になるわけではありません。私自身も周囲でも、HP上に記載されている成績の基準を満たしていなったものの、合格したケースがありました。学歴や職歴、PSの内容含めての総合判断になるので、諦めずに出願してみるのが良いと思います。

また、イギリスの修士課程はRolling審査といって、10−11月ごろに出願受付を開始後、早い順に審査し、定員に達したら締め切る制度を採用しています。
成績に自信のない方は、11月〜遅くても12月上旬には出願を完了すると良いようです。私も11月上旬に出願するという目標を立て、結果としてPSの作成に時間がかかったので少し遅れましたが、11月末に出願を完了させました。

留学コンサルについて

私は今回、beo (ビーイーオーと読みます)という留学コンサルにお世話になりました。
特にPSのレビューと添削では、大学の先生と1on1で、構成から中身まで細かくアドバイスをいただけるので、とても役立ちました。
また大学のスタッフとの個別相談の機会があったり、コンサルタントの方に学びたい内容を伝えると、条件に近い学校を紹介していただきこちらも参考になりました。
様々なプランやオプションがあるのですが、私は出願代行とPSレビュー・添削(3回まで)をお願いしました。


以上です!今後も大学院留学についての経験をまとめていく予定です、参考になればと思います。
あくまでも、私の場合はこうでしたという共有なので、ご自身の責任で最新の情報を収集し、判断を行ってくださいね。

※有料設定してますが、本文はここまでです。
購入いただけると私がイギリスでコーヒーかお茶を1杯買えます。円安につき留学資金がカツカツなので、参考になったよ!という方はぜひカンパお願いしますm(_ _)m

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