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2020年5月の記事一覧
ソアリン×ストームライダー二次創作「空の上の物語」まとめ
TDS(東京ディズニーシー)二次創作まとめページ。「もしもドリームフライヤーが時空を超えてポートディスカバリーにやってきたら?」という仮定に基づいた冒険ファンタジー。完結済。
あらすじや登場人物、それぞれのストーリーに関係する、ディズニーパークのBGS(バックグラウンドストーリー)をまとめました。
あらすじポートディスカバリーにおける、レベル5のストーム襲来から数日後。ミッションの命令違反によ
ソアリン×ストームライダー二次創作「空の上の物語」11.物事には光と影がある
「デイビスさん、ちょっと助けてほしいんですが」
「うげ」
「あ。露骨に、嫌な顔をしましたね」
「だってお前からの頼み事なんて、悪い予感しかしねえんだもん。……あ」
珍しくストームライダーの格納庫まで訪れたかと思ったら、邂逅早々、デイビスに依頼を持ちかけてきたペコ。その会話に気を取られて、ストームライダーにかけようとしていたホースの水が、手元が狂い、整備士のアンドレイの顔にぶちまけられた。
ソアリン×ストームライダー二次創作「空の上の物語」10.5 番外編:アンバランスよね、本当に
「謹慎解除おめでとう、デイビス」
「サンキュー、スコット。長かったー、これで元通り社会復帰だぜ」
カキン、と透き通った音を鳴らしながら、二人同時に口をつけた。スコットはバーボンのトワイスアップを、デイビスはブルームーンの匂いを嗅ぐ。薄暗いバーの中で、冷たいジンとリキュールが快く喉を流れ、脳の奥深くを晦ませてゆく。度数の高い酒を呑んだ時の、一瞬にして眩暈に掴まれる、この感覚が好きだった。菫の香
ソアリン×ストームライダー二次創作「空の上の物語」10.嵐がくれば、人は祈る
あの人を愛する以外、この世に生まれてきた意味などないのだと思った。
あの笑顔、あの微笑。あの人に出会って、初めて私は、世界の最も良い場所へと歩き出し、人生は真実に肉薄したのだと、信じていた。
……
ケープコッドまで電車で揺られると、すでにとっぷり日が暮れており、腹の虫を鳴らしたデイビスを連れて、遅くまでやっているレストランを探した。たまたま、伝統的に繰り返されてきた料理大会の予選を開催し
ソアリン×ストームライダー二次創作「空の上の物語」9.あの顔のむかつくビーバー、人を馬鹿にしているったらありゃしない
「ここね」
「ああ。どう見てもここだな」
疑問符すらいらずに確信するデイビスとカメリア。彼らが見上げているのは、悪趣味、という三文字で確かにすべてを表せる、首が痛くなるほどに巨大な建物。妖しく紫がかった赤煉瓦の壁を空高くまで聳え立たせ、翡翠色の屋根を葺いたその摩天楼は、例えるなら、悪魔の耳が生えたデコレーションケーキとでも言おうか。古今東西の建築様式をグロテスクに寄せ集めたその合成獣(キメラ