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おとなの童話 (創作童話)【たまごっち】

幼い〇君はお母さんと二人暮らしです。お父さんがいないので家は貧乏でした。

その頃、子供たちの間では「たまごっち」が流行っていましたが、お母さんの苦労を知っている〇君は「たまごっちを買って」とは決して言いませんでした。

ある時、お母さんの職場に電話が掛かってきました。〇君が交通事故に合ったという連絡でした。

お母さんは急いで病院に駆けつけましたが、着いた時には〇君はもう息を引き取っていました。

〇君の胸に顔をうずめて狂ったように泣くだけ泣いたお母さんは、ふと〇君が握り締めているなにかに気がつきました。

そっと指を拡げてみると、それはマジックインキで「たまごっち」の絵を描いた、まーるい石ころでした。


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