2024/07/30

東畑開人『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』の再読を終える。間違いなく、いまの自分に必要な本だった。これをこのタイミングで読み直すことに意味があったのだと思う。そう考えると、刊行当時にいち早く読み、うーんなんかちがうかもと思った経験は大切だった。あそこで刺さらなかったからこそ、このタイミングでの再読にひらかれていた。この本の核となる部分は「シェアとナイショ」の2章で、その補助線を引かせた「働くこと」と「愛すること」という区別が深く、自分でももう一度考えてみたいと思っている。私はいま明らかに「働くこと」に飲み込まれてきていて、それが私のなによりも大切な「愛すること」(=だれかとともにいること)を蝕んでいる。シェアのつながりもナイショのつながりも自分にはまだ足りていないような気がして、来し方を見つめながら、考え込んでしまう。傷つくこと/傷つけることから逃れることはできなくて、これからも考え続けることになるのだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?