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濃く深く水平線を引いていく少年、眼から夏をこぼして
花火師の死体がうかぶ湖に波紋 きれいな鳥の水浴び
うそつきにうそを教えた先生のうそがいまだにだれかを救う
恋人にならないように隣り合うふたりは始発電車でねむる
画用紙に蒼を拡げていつまでも完成しない空を描いてる
雷鳴は遠く ふたりはバスタブのなかで子どもの名前を決める