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Pardot→Salesforce→Slackで営業に活かせるアラートを出す

先日のPardotユーザー会では、まだやってないんですけど…と言っていたことについて実装が終わった。
どんな仕組みかというと、簡単に言えばWebサイトにアクセスしてきた人をSlackに通知するよという仕組みで、社内の著者が書いた何らかの記事に興味を持ってくれた人が分かることによって、ビジネスチャンスだと判断できれば営業のきっかけになるでしょうというもの。

これまでの軌跡

これは弊社リバネスのシステム的な構成によって時間がかかったという話なので、もっとシンプルに実行しようとすれば出来ないことは無いと思う。
数年前にPardotのアクセス解析情報をもっと活かせないかと思ったのがきっかけで、そのための仕組みづくりをスタートした。

Sales Cloudにプロスペクトオブジェクトがほしい

まず最初に行ったのは、Pardotのプロスペクトに相当するオブジェクトをSales Cloud内に作ることだ。何度か書いているけど、リバネスIDと名付けられたオブジェクトがリードとコンタクト(取引先責任者)の両者に紐付けることが可能な形で作られている。これはすなわちPardotのプロスペクトと同等のものをSales Cloudにも作りましょうというアプローチだ。Pardot自体にはLead/Contactにしか同期する機能が無いため、リバネスIDも同期するようにフロー等を利用してLead/Contactが更新された場合にupdateがかかるような仕組みになっている。
これでPardot内のレコードと相対するレコードをSales Cloudの1オブジェクトの中に入れることが出来た。Lead/Contactに別れず、1オブジェクトに内包するというのが、このあとの処理をする上で重要な点。

コンテンツと著者が取得できるCMSが必要だ

リバネスでは、情報発信を https://lne.st 等のサイトではWordpress、これに加えて LID-media( https://media.lne.st )という情報発信用のサイトを構築している。
これらはDBを調べると著者情報が入っていて、メアドで照合することができる。最終的にはSales CloudのApexで処理をしたいので、これらのコンテンツ&著者情報をSales Cloudに同期する必要があるのだが、それにはCRM Analyticsのレシピを使うことにした。やり方は以前書いたこれ

Wordpressは現時点ではmySQLで動いているのもあって接続できていない。一方でLID-mediaはHeroku Postgres上で動いているのでCRM Analyticsのデータコネクタで直接接続することができる。
これによって、著者名、URLなどがSales Cloudに同期するようになる。

PostgreSQLからSales Cloudに同期した記事リスト

Pardotのアクセス情報が必要だ

Pardotにはアクセス解析の機能があるのだが、機能としてはPardotの中で使われる事が多い。ただし、Pardotのレポート機能はそれほど拡張性に富むものではない。Sales Cloud側はUIを洗練させ続けているが、そのためその他の製品についてはシンプルに作っているような気がする。そんな訳でPardotに格納されているアクセス情報を手に入れる必要があるのだが、それについてはこちらに書いた。

ここまでやると、誰がどのようなコンテンツにアクセスしたのかが分かるようになる。ただし、リバネススタッフは能動的にレポートやビューを見に行く必要がある。そういう面倒な作業は結局やらなくなるのだ。

[新規実装]通知はSlackでほしい

これはリバネスはそういう形に運用しようとしているのでそうしているだけなのだけど、Slackへの通知というのはインプットが軽くとても良い。レポートやダッシュボードと違い、Slackのチャンネルに自動的に流れてくるので見に行く必要が無くなる。ということで目指す本丸はここだったんだけど色々忙しくて手を付けられなかったのをやっとこやりました。

Slack通知サンプル

このようなSlack通知が19時に飛んでくる。今この文章書いていて気付いたが、19-24時の記録がこれだと取れないな。7時くらいにして昨日のアクセス数についての通知にすることで丸一日分のレコードが全部入るようになりますね。変えるか

ピンクの囲いの部分が、誰がアクセスしたのかを通知する部分。
どの記事に、リバネスID内の誰がアクセスしてくれたのかを確認することができる。0secの部分はPardotの滞在時間なのだが、おそらくページを開いてどこにも遷移せず閉じてしまった場合は記録が取れないので0になるのではないかという気がしますが、その他については滞在時間を取得することが出来ます。
この通知自体はSales CloudでApexでバッチ処理を書き、スケジュール実行する形にしています。具体的にはpardotの本日のアクセス情報を取得し、先ほどのコンテンツレコードとマッチさせることで著者を割り出し、諸々のリンクを貼ったテキストを錬成するみたいな処理で特に大したことはやってません。

補足ですが、こういう機能自体はPardotだかマーケティングクラウドだかにオプションがあったような気がするのですが、PCでしか使えないということで弊社での導入は諦めました。絶対に使われない自信がある(笑

一連のマーケティングの施策が完成した

そんな訳で、かれこれ数年前から考えていた事がやっとこ完成しました。ここに来るまでに、LWC使ってUI作ってみたり、色々寄り道をしてきた訳ですが、最終的にはSlackで通知するのが最強ということに帰着しています。
これによってコンテンツを作り、Pardotで誘導するだけでPardotのレポートを見ずとも自動的に通知が来るようになります。通知が増えすぎたときは、役職者のみ通知するような形に変えてもよいでしょう。


noteにはこれまでの経験を綴っていこうかと思います。サポートによって思い出すモチベーションが上がるかもしれない。いや、上がるはずです。