Dreamforce 2024 #DF24 行ってきました-GAI to Agent AI era.-
2023年はこんな事書いてました。昨年は生成AIがSalesforceに組み込まれていきますよという話しでしたね。
弊社では、Dreamforce23で発表されたUnlimited+というプランに2024年初にアップグレードし、人柱としてどのような活用ができるのかを模索し実装してきました。そんな前提を踏まえて2024年はどんな話が展開されたのかについて振り返っていきたいと思います
今年は6回目の参加です
2024年は生成AI→AIエージェント
Agentforceというものが現れましたね。AstroやCodyやEinsteinと言ったキャラクターたちもサイバーな雰囲気に衣替えしてAgentの装いでした。
これは、昨年発表されたCo-pilotのリブランディングです。forceをつけたということはいよいよブランドとしても固めましたよという現れでしょう。2023に発表されたUnlimited+は半年でEinstein1 Platformとリネームされましたが、Agentforceは残るんじゃないかな(と、信じたい)
Agentforceって何よ
雰囲気はこちらへ。昨年は生成AIをプロンプトビルダーを通して利用するという部分がメインだったのですが、今年はそこから更に一歩進めて生成AIを自律的に動かすための仕組みを内包することでAgent AIとしての挙動をSalesforceエコシステムの中で作ることができるようになりますよというところまで進化をしていました。
Agentforceどうなの?
これは予約必須なセッションだったんですけど、Agentforceを使ってエージェントを作ろうという1on1セッションでした。このセッション自体が面白かったんですけど、Agentを作るためのSlackアプリが用意されていて、最初に個人情報を登録します。名前、メアド、URLといったものです。その後にディスカッションが始まるのですが、これをSlackアプリ上で録音します。
どんなことを自動化したいのかについてのディスカッションになるのですが、今回はよくあるユースケースである会員サイトへのログイン時にパスワードリセットの問い合わせをいちいちさばくのが面倒なのでエージェントに処理させたいというニーズについてディスカッションしてみました。
Slackアプリはこの録音を分析して要件定義を行い、これをAgentforce作成画面に自動送信するという仕組みになっていたようです。APIでエージェント自体つくれちゃうってことですね。録音が完了したらデータを送信すると、SlackアプリからURLが届いてそれを開けばエージェントを体験できるというものです。
そのURLを開くとサイトが展開するのですが、今回のエージェントはチャットボットということだったので、サイトの右下によくあるチャットウィンドウで立ち上がります。早速パスワードをリセットしたいとウィンドウに打ち込んでみます。シンプルにReset passwordって書くだけで大丈夫でした。
そこからが驚きだったのですが、これはよくあるモックじゃなかった。返信にこのURLに行ってリセットしてくださいっていうURLが送られてきたのですが、これが実在するページなんですよ。
最初にURLを渡したのですが、そこには https://lne.st を渡しました。このサイト自体には会員機能はないんですよね。エージェントはサイトをある程度クローリングするらしく、そこからリンクされたいた会員サイトのURLを見つけてURLを返してきました。びっくりした〜
6回目で初めてWow!と声が出ました。これはすごいぞ。早く日本語対応して欲しいけど…いつになるかな
DAY1はメインキーノートからスタート
もちろんここでもAgentforceの話しです。
個人的に面白かったのがこれ
自分でAI作らないほうがいいよって話し
生成AIは手段ですからね。最初のEinsteinの時は、主に機械学習ベースの予測モデルでしたが、これもSalesforce上で作ることで自動的に最新のデータでモデルを再構築できたりと、いわゆる構築担当者が全部面倒を見るとかなりコストが掛かってしまう部分をSalesforceが肩代わりしますという作りになっていました。これは生成AIでも同じで、LLMの言語モデルについてはどれを使っても構わないし、ファインチューニングモデルを使うというのも設定が簡単にできるという事になっているのですが、これをSalesforceプラットフォーム外でやろうとするうとどうでしょうか。生成AIを活用するにはモデル単体ではあまり意味がなく、そこに適切に情報を渡す必要があります。(この手段の一つにRAGというものがあります)
Salesforceのエコシステムを使うことで、そのあたりの技術的な面はクリアしておいてあげます。ユーザーの皆さんはそこにデータを入れるということにだけ集中すればいいんですよという話しだと理解しています。
今回のキーノートは製品の具体的な見せ方がわかるというよりは、コンセプチュアルな話が多かったですね。まだデモもできてないような話しが多かったように思います。タイミング的にも充電期間だよなとは思っていたのでそこは想定内ですね。
SlackにAgentを投入することができるようになる?
これは多分まだコンセプトなんじゃないかと思っているのだけど、個人的にはこれをParty on Slack( https://lne.st/gpt )でやりたかった事なんですよ。それを説明します
これはSlackのチャンネル上部ですが、人間のメンバー以外にエージェントが3入ってることがわかります。このチャンネルで使えるエージェントが3人てことでしょう。そして右カラムをみると、そのエージェントのプロフィールが書いてあるということです
プロフィールにはこうあります
日本語にすると以下の通り
このエージェントができることが端的に書かれています。適切なデータをSalesforce上から取得してその内容についての返答ができまっせということですよ。これいいと思いませんか。僕が目指したかったのはこれなんですよね。ただ、Party on Slackだとそれができない。一つのアプリで複数の役割を担うことはできるのですが、プロフィールの分離ができなかったんですよ。もちろん同じ機能のアプリを複数作ってアイコン分けして提供するってのもできなかないんですけど、なんだかなぁということで気が進まず今に至っています。(もしそれが欲しい人がいたら教えて下さい)
(これはどうでも良い事ですが、演者を撮影するカメラが自動運転になっていました。ちょっと面白かった)
Slackキーノートにももちろん出席
Slack大好き人間としてはこれは欠かせません。今回は地に足のついたアプデという感じだったかな。
これは最近弊社で行っているSlack導入支援のワークショップのときにも必ず言う事なんですけど、所属チャンネルの棚卸しが自動化されますよという話しです。チャンネルの退出って割と感情を揺さぶりやすいんですけど、これをAIが自動化しますという機能です。機械がそう言うならしょうがないじゃないか。個人的にはこれは重要な機能だと思っていてヘルシーにSlackを運用しようと思ったらこれは使いまくったほうがいいでしょう。
ハドルミーティングの自動要約はかなり良い
これはDreamforce前にもうGAになっていたのですが、改めて紹介。ハドルミーティングはこれまでちょっとした打ち合わせに使うのがメインだったのですが、この機能の登場によってあらゆるミーティングをハドルでやる機運がうまれるのではないかと思う程度にはインパクトがあると考えています
ハドルミーティングだと、誰が発言したのかがわかってますからそもそも話者分離が不要です。ToDoの設定があれば、canvasのチェックボックスでリストにしてくれるのです。打ち合わせが即ノートになる。しかもこれが検索できるしSlack AIによって内容についても把握して回答するようになってくれるのですからSlack AIを使うのであればハドルミーティングで打ち合わせしたほうが絶対いいよねってことになるでしょう。
今現在はSlackコネクトチャンネルでは使えないのですが、これいついては強力にプッシュしてもらっています。絶対使えるようにして欲しい。社外ミーティングも全部ハドルに置き換わる可能性すらある。
Agentforce in Slack
この辺は順当ですね。cohereとかAdobe Expressとかは既に使えるようになっていますのでインストールして体験してみてください。
私達が作っているParty on Slackもいずれ対応予定です。Coming Soon!
番外編:ALStogetherという活動について
実はSlackキーノートの直後にセッションがあって参加してきました。ALStogetherという活動です。
ALSというのは筋肉が衰えてしまう病気で現時点では不治の病です。最終的には呼吸ができなくなってしまってなくなってしまうのですが、その前に体が動かせなくなるといった段階があります。
Slackがこの活動をサポートしているのですが、この環境では視線入力をサポートしていました。↑の彼女は33のときにALSが発症し、それ以来この活動を行っているようです。
Slackが生産性を上げるというのは良く言われることですが、彼女が言った「時間を有効に使えるということはとても重要」という話しは胸に来るものがありました。テクノロジーによって可能性を開いてあげられるというのはとても尊い活動だと言えます。
番外編:コミュニティリーダーパーティーにも参加してきた
Salesforceには多くのコミュニティが存在し、世界中で活動しているのですが、今年はUser Group Tokyoのリーダーとしてアカウントがありますので、初めてCommunity Group Leaders(CGL)のパーティーにも参加してきました。一年生ということで知っている人あまりいなかったんですけど、日本のゴールデンフーディーの皆さんに案内してもらって楽しんできました。
Japan Nightは会場が広くなって良かった
DAY1の夜に行われるJapan Night。今年は会場が広くなって快適でした
昨年は会場にいるのに会えなかった人がかなりいたのですが、今年はちゃんと会いに行きますというフラグをきちんと回収できました。
Salesforce NYの深田さんもお元気でした
今年ニューヨーカーになった深田さんのセッションがあるということで拝見。がんばってますよー!NYにも行ってみたいな(遠い)
Sales Cloud : Agentforce for Sales
録画して、いい感じに話せてるのかをコーチしてくれるって機能。社内的にはもう使ってると日本の人が言っていたけどどの程度使い物になるのかはまだ未知数。
SDR(Sales Development Representative)は、見込み顧客からの問い合わせに対応するインサイドセールス組織です
これはデモの中では自動的にメールの応答が進んでいくよというものだった。ものすごい自動化なんだけど、これできたら面白いけどね。
番外編:久しぶりにOhanaフロアに登った
ちなみにこの人All star rangerなんだよね。
本場のTrue to the Coreに参加
時間を10分間違えていて遅れて入ったんだけどなんというかめちゃくちゃ人が入ってましたTrue to the Core。このコーナーは、パーカーハリスがモデレーターとなり、その隣に各製品担当者が鎮座。参加者は誰でもマイクをもって質問ができるというコーナーなんです。日本でも昨年(一昨年だっけ)から取り入れてるんだけど日本は事前に質問を募集するんですよね。Dreamforceはガチリアルタイム質問だぜ。すごいよね。このコーナー大好き
今年のラップアップにはなんとパーカーが!!
わざわざ日本人のラップアップに登場してくれるなんてと感激しました。
パーカーからの質問で、Agentforce体験してくれました?という質問に手を上げた人数が全然いなくてがっかりさせてしまったんじゃないかと心配になったよ。でもありがたかったですほんとに。
番外編:キーのコピーだと??
これは会場にもなってるMetreonの一階に静かにおいてあった端末なんですけども。
鍵のコピーサービスなんですけどね…これ日本では法的にだめでしょ
アメリカだと大丈夫…なのか?車のキーとかコピーしまっせって感じの端末。鍵を突っ込むとコピーを作ってくれるってことのようだ。びっくりした
番外編:自動運転タクシーWaymoに乗った
これはメインキーノートでMarcも言及していたのですが、AIによって自律的に運転するタクシーWaymoというものがサンフランシスコを走り回っています。これは本当に走り回っているというのが適当な表現だと思っていて、ユニオンスクエアに行こうものなら何台も目にする程度には走っているのです
完全に自動運転なのでこうなります
Waymoは良いのでは
日本は今現在ライドシェアで揉めている訳ですけど、これは周回遅れの議論なのではなかろうか。例えば、Dreamforce帰国後にすぐ大分は別府に行ったんですけど、GoもUberも使えないわけです。タクシー乗りたいと思ったらそれを呼ぶ手段が電話しかない。運よくバスが来たのでそれに乗ったんですけど、それがなかったら土地勘の無い場所で途方に暮れていたことでしょう
Waymoが解決してくれるのはワンメーター乗るというニーズでしょう。これは高齢化が進んでいたりする地域では日常の足として利用できるのではないでしょうか。人間の運転手は長距離のものだけ対応すれば良いと思います
Waymoも万全じゃないので、高速道路は使えないし、サンフランシスコでも北部の限られた区間だけな理由で、そのように地域を区切って使えるようにすればよいのだろうと思います
人間にお願いするのだとしたらワンメーターは躊躇する人も少なくないでしょう。何なら運転手だって舌打ちするじゃないですか。観光地にタクシーがいない問題の解消にも繋がるでしょう。
人間の運転とどっちが安全だろうか
これは結構悩ましいと思います。WaymoのあとにUber呼んだらテスラだったんですけどオートパイロット&人力運転だと結構無茶な運転しますね。もちろんそんな人ばかりじゃないのはわかっていますが、日本でも上手な人とそうではない人の差は割とあります。
加えて、Waymoはセンサーがガッチガチに整備されています。人間の運転手のセンサーは疲労感にも左右されますし品質が安定しない。ましてや高齢者ドライバーの信頼性とは?
このあたりについては、ライドシェアなんて話を今更していないで、銀行口座が普及しなかったアフリカで携帯の普及と同時にモバイル決済が一気に普及したように、ライドシェアを飛ばして自動運転タクシーの普及にかじを切ってみてはどうでしょうか。ライドシェアだってそもそも人口が少なければ成り立たないでしょうから。
まとめ
2024もエキサイティングでした。そしてめちゃくちゃ疲れました。
3DAYSになって久しいですが、製品も増えていてキーノート満載になってるし、目が回る忙しさだったなぁ。もっとブレークアウトセッションとかにも参加したかったけど時間がなかった。あっという間に終わってしまった3DAYSでしたとさ。
次はTDXかな!といことで、参加された皆様お疲れ様でした!