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Success4:『キャズム』著者が説く、トランスフォーメーションの鍵

登壇者

ジェフリー・ムーア【ジェフリームーアコンサルティング / プリンシパル】

概要

米国の組織理論家で経営コンサルタント、そして『キャズム』の著者としても知られるジェフリー・ムーア氏。彼は、デジタル時代に生き残りをかけて変革に挑む米国の大企業を数多く指南してきました。

「かつてはプロダクトを中心に組織運営した時代でした、今はカスタマーを中心に据える時代です」。「取引を記録するシステムではなく、カスタマーとの関係を深めるシステムが必要です」。デジタル化がもたらす脅威と機会の本質は、次つぎ登場するデジタル技術そのものではありません。そこを見誤ると、やがて破壊的プレイヤーに新旧交代を強いられます。

デジタル化の本当の意味合い、カスタマーを中心に据えることの重要性、そして大企業がどうしたら変革に成功できるのか。新著『ゾーンマネジメント』のテーマである「大企業がデジタル時代の変革に成功するための戦略フレームワーク、およびその運営手法」についてお話しします。

今日のテーマ

ZONE TO WINについて
これは組織マネジメントのフレームワークのこと

昨今のディスラプションについて

これからはプロダクトからデジタルサービスの時代に。
その時代ではプロダクトの品質ではなく顧客サポートが重要になる。
その中で、これからカスタマーサクセスは組織変革のキーになる。

今までは需要が供給を上回っていたが、これが逆転した。
つまりこれから最も重要なのはカスタマーになる。
だからカスタマーセントリックなビジネスモデルが活躍する時代になる。

このような時代では製品の品質を向上させるための工場への投資よりは、UXを向上させるための投資が必要だ。
つまり、顧客のエンゲージメントを高めるための投資ということ。

Facebook、Youtube、Amazon、Salesforceなどは非常に上手くそれをやっている。
B2Cの消費者との関係構築、つまりカスタマーサポートは非常に先進的だ。

カスタマーサポートだけでなく、これからはカスタマーサクセスも非常に重要な要素になってくる。
新しいデジタルサービスのサブスクリプションモデルでは、顧客との関係構築をしないとチャーンされる。
これは非常に大きなビジネスの損失になるから。

カスタマーサポートはプロダクトを知り尽くしたプロだが、これからはカスタマーを知り尽くしたカスタマーサクセスが必要なのだ。
この大きな変化は全てを変えるだろう。

デジタルディスラプションが業界をどう変えるか?

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どのフェーズにいるのが適切なのか?を考える。
各業界ごとのフェーズと、自社のフェーズを比べてみよう。
スタートアップは非常に先進的で、確立されたビジネスは比較的遅れている傾向にある。

しかし18カ月後にはどこにいるべきだろうか?
例えば、大企業では1年で何も変えられないかもしれないが、2年もかかると遅すぎる。
だから、だから18カ月以内に変化を起こすことが大事なのだ。

4つのZONE

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自分がどのゾーンにいて、何がミッションで、何がKPIなのかを見出そう。

例えば、Incubationゾーンではイノベーションを起こさないといけないので、たくさん実験をしてたくさん失敗をしないといけない。
これはアメリカがとてもうまい笑。foolishになれるから。
これはR&Dの話だけではなく、カスタマーのところに行って話を聞いてプロダクトマーケットフィットを狙いに行く過程のことだ。

あるいはTransformationゾーンでは、新しいテクノロジーを使って過去に考えたこともない新しいビジネスを創出したりすることだ。
例えば、AppleはもともとPCの会社だったのが、今は音楽企業であり、携帯企業になった。
Amazonは本屋だったのが、ECサイトになり、クラウドサービスの会社になった。

これこそが変革だ。これを追及していかないといけない。
ある時大きな変化が起きて全てのビジネス環境を変えるからだ。
トヨタが自動車を売っている時にテスラが全自動運転の電気自動車を出してくるように。

Transformationゾーンでの変革は非常に痛みを伴うものだ。

残りの2つのゾーンは普通のビジネスのこと。
生産性を上げたり、成果を上げることはどこでもやっている。

Performanceゾーンからは、だいたいCEOが輩出される。

Productivityゾーンは、人事や経理など度々コストセンターと称されることも。
ここの役割はPerformanceゾーンの成果を押し上げることだ。
裏方から非常に大きな重要な仕事をしている。

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これからの顧客対応は課題解決が中心になる。
その中で顧客に対して、自分で課題解決ができるように教育を行っていく必要がある。

カスタマーサクセスは時に先生のような役割を果たす。
最も会社の中で信頼を得る職種で、カスタマーの代弁者になる。

カスタマーサポートはこれまで会社で最も重要な役割になり得なかったが、カスタマーサクセスはそうなり得るのだ。

カスタマーサクセスマネジメントについて

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Productivityモデルでは、より安く早く簡単にできることを追求する。
このレベルは社内の成果を向上させるだけで、社外に影響は及ぼせない。

Operationモデルは既存事業をアップデートすること。
Busモデルは新しい技術を使って新しいビジネスを生み出すこと。

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Productivityゾーンに居るCSMの役割は効率化だ。
CSMが労働集約型である限り効果が出てもスケールしない。
ここから現状の10倍成果を出せるようにしないといけない。

ヘルススコアは顧客のプロダクト利用状況を代弁しているものだ。
これをきちんと活用してプレイブックを作ることが大事。

Performanceゾーンに居るCSMは顧客や事業を拡大していくことだ。
きちんとリニューアルを行い、営業機会を創出していく。

Transformationゾーンに居るCSMはas-a-serviceモデルからの新しい収益を向上させないといけない。
ここでは収益の成長率やNPSがKPIになる。

ここから新しいビジネスモデルの中でのカスタマーサクセスの活躍が始まる。

以上。

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