Success4:お客さまの声を正しく聞けば、事業経営はうまくいく
講演者
田面木 宏尚【メルカリ / 取締役メルカリジャパンCEO】
概要
「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」をミッションに、個人間(C2C)のフリマーケットアプリ「メルカリ」をはじめとしたサービスを日本とアメリカで展開するメルカリ。
メルカリのカスタマーサクセスは、ある特定の職種や部署にとどまりません。なぜ会社全体でカスタマーサクセスに取り組むのか? - それは、お客さまの声こそが、メルカリビジネスが成長する源泉だと考えるからです。
メルカリでは、お客さまの声すべてを解析し、すべての部署で解決策を導き出す仕組みをプログラムとして設計・運用することで、定性的な声〈文章〉に加え、定量的な声〈データ〉をシンプルにサービスに活かしています。
アプリの枠を超えてメルカリが目指す次なるカスタマーサクセス/サービス(CS)とは何か? - CS出身のメルカリジャパンCEOが熱く語ります。
VOC(Voice of Customer)を事業に反映する取り組み
創業当初は社長自ら電話対応をしていた。
VOCカフェと言うものをやって、顧客の声を貼りだすようなこともした。
基本的には全部署が顧客の声に基づいて連携することが大事。
それを実現するためにVOC Programというものを始めた。
顧客の声を聴くのは難しくないが、事業に有益な声を選別するのが難しい。
そのためには、たくさん顧客の声に振れないといけない。
これを全部署でちゃんとやっていく。
VOC Program
カスタマーサクセスが顧客の声を聞いてきてフィードバックする。
でも顧客の声を紹介しても、社内が聞いてくれないことがしばしば。
どうすればちゃんとループが回っていくのか?
そのためにVOC meetingというものをやっている。
毎月1回、全経営陣でやっている。
最近こういう声が多い、こんなことがあったなどなど。
大事なのは月1で、やる・やらないを明確にすること。
決めればループが回る。
その時に全ステークホルダーを入れちゃうことが大事。
VOC Programの例
今まではメルカリで出品する時に4枚しかアップできなかった。
でもお客さんからは、ずっと画像を増やしてほしいと言われてきた。
実は画像枚数を増やすのは、非常に実装が難しかったため、今まではやっていなかった。
でもCSMがちゃんと顧客の声を持ってきて、フィードバックループを回せたからこそ、アップ可能な画像を10枚まで増やした。
これが非常に良い反響をいただいた。
画像を10枚にした後に売上がグッと伸びた。
画像10枚のプロダクト改善は実際すごく大変だった。
これはちゃんとフィードバックループを回して、これをやる!と決めないとできなかった。
でも、何でもかんでもプロダクトに跳ね返せばいいわけではない。
正しいVOCをちゃんと反映しないといけない。
サービスは機能追加しすぎると複雑性が上がって使われなくなってしまう。
なのでちゃんとVOCを用いて判断しないといけない。
ポイントは、全社で多角的に分析する体制を持った上で判断すること。
自社でもちゃんと実践する!
VOCはポジティブな声も載せていて、非常に励みになる。
会議室のディスプレイの待ち受け画面にまでVOCを載せている。
VOCのポータルサイトまで作っている。
どれか1つくらいはあなたの会社内でも出来るはず!
CRE(Customer Reliability Engineering)チームを配置
どういうVOCをプロダクトに反映させるべきか?などを全社横断で分析するチームが、いろいろな検証の場を設けてプロダクトに反映している。
多くの人に触れるような社内浸透だけでは不十分。
そこからちゃんと分析したり、経営陣で検討したりするプロセスを経る。
これを経れば、ちゃんと事業に跳ね返ってくる施策になることが多い。
なのでVOCは社内浸透だけでなく、多角的分析の両面が大事。
VOCのディスカッションの場を設けるべし
あらゆるタッチポイントを用意して議論・検証できるようにしておく。
お客様を実際にイベントに招いて社員と語り合う「メルカリ文化祭」などもやっていて、VOC収集のリアルイベントも非常に有効!
以上。
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