前半戦終了。
4ヶ月弱も間が空いてしまいました。前半戦終了時点でのまとめ・雑感ということにしておきます。
リーグ戦で言うと、湘南戦(アウェイ)、川崎戦(ホーム)、京都戦(アウェイ)、横浜FC戦(ホーム)、鹿島戦(アウェイ)、大阪ダービー(ホーム)、名古屋戦(アウェイ)、浦和戦(アウェイ)、横浜FM戦(ホーム)、新潟戦(アウェイ)、福岡戦(アウェイ)、FC東京戦(ホーム)、鹿島戦(ホーム)、横浜FC戦(アウェイ)分、空きましたね
全部挙げたら予想以上に多かったー!
この中で、分岐点となった試合は、横浜FM戦(ホーム)です。ここを基準に、5月20日の試合よりも前と、5月20日以降とで分けて感想文を綴ってみます。
横浜FM戦(ホーム)は、倉田のスタメン抜擢、佐藤・福岡のCBコンビ、という試合であり、以降、アラーノの右WG起用が固定された試合でもあります。まずは、横浜FM戦までを大まかに見ていきましょう。
1.湘南戦(アウェイ)から横浜FM戦(ホーム)まで
この時期に起きていたことは、私の観察では、大まかには3点です。
(1)守備の脆弱化と、運動量による守備強化
まず1点目に、守備が脆弱になりました。IH10(宇佐美・石毛)のところで、変形リスクが強く顕在化しました。守備時には2トップの一角、攻撃時には高めのIH、というポジションに関して、守備時なのか攻撃時なのかがあいまいになり、強度が落ちます。
ジェバリと宇佐美とのフィジカルコンディションの問題と、宇佐美の守備の問題があると思います。コンディションは置いておいて、宇佐美は、アンカー・DMFを背中で消しながらCBにアプローチする守備に関しては上手いのですが、アンカーにマークしつつ、適宜、MF守備を行うというやり方には慣れていなかったように見えました。
この対策として、石毛を起用。むりやりに運動量・強度を確保することで、解決しました。
これに伴い、CB陣の人選にも影響が生じます。ハイプレスに行くことで、頻繁に縦ズレが起きることになり、CBが前に引き出される頻度が高まりました。スタミナ面での要求水準が上がりましたね。
(2)殴り合い
2点目は、アラーノとポヤトスさんとの殴り合いです。もちろん比喩です。
アラーノは、勝てなさそうと見るや、右WGの位置を捨てて自由に動き回り、試合に混沌をもたらしていました。しかし、徐々に良化していきます。おそらくは、ポヤトスさんが、粘り強く対応した結果だろうと思います。また、キャプテン宇佐美をはじめ、選手らがポヤトスさんを支持したであろうことも、要素としてはあるでしょう。
最終結果としては、ポヤトスさんが勝ちます。ただ、妥協はしたかと思います。
当初案では、ワイドのWGにボールを渡してから、SBとIHとのサポートを得て、コンビネーションでワイドから崩していきたかったはずです。「ブレた」かどうかの評価が異なり得るのは、このポイントですね。
私は「ブレた」評価派です。WGが持ってからのコンビネーションと、SBが持ってからのコンビネーションとでは、だいぶ違うだろ派です。
妥協案として、WGはビルドアップ段階ではワイドに張れ、ボールが前進(相手MFライン超え)を始めたら中に入って良い、という仕組みに変えたように見えます。この仕組みは、ザッケローニさんと香川との『話し合い』での結論と同じですね。
(3)「落ちる」から「流れる」へ
最後の3点目は、ジェバリの動き方です。横浜FM戦の少し前の時期から、変わっています。以前は、ジェバリは落ちる動きをメインで行い、同時に、IH宇佐美・WGアラーノが相手DFライン背後に抜ける動きを行う、という方法を取っていました。そこから、ジェバリがワイドに流れてフィードを受け、WG/IHに落として起点化、という方法の割合が高まりました。
メインの攻撃が、「張ったWGに渡す」から「落ちるジェバリに当てる」に変化し、さらに、「ワイドに流れたジェバリに当てる」に変化した、って流れですね。
なお、宇佐美がCFWを務めたときとの比較では、宇佐美の方が、CFWとしてノーマルな動き方をしていました。さほど落ちず、さほど流れず、ですね。押し込まれたとき用の、ジェバリ固有のタスク(監督指示ないし容認)かと思います。
2.横浜FM戦以降
(1)SBの役割の左右対称化
まず1点目は、SBの役割の左右対称化です。横浜FM戦までの試合では、左SBと右SBとのビルドアップにおける貢献は、左右非対称だったんですよね。
左SBの黒川は、相手のMFラインの外で受ける。中へのパスを警戒させながら、ワイドを縦に『突破』。これにより、相手MFラインを突破し前進する。他方、半田は、この役割を求められていませんでした。0520以降は、半田もこれを行います。
半田もこれを行うことによって、右WGアラーノが幅を取っていなくても、最悪、外での前進程度は、行えるということになります。
三浦の配球が悪く見え始めたのも、ここ関連なのかと思います。三浦は、縦パスを当てる・フィード、という部分では、十分なキック精度を備えていますが、どの状況でSB半田に渡せば局面打開できそうなのかが掴めていないように思います(なお、私もちょっと掴みきれてません)。
(2)WGの幅を取る・背後を狙う意識の低下
横浜FM戦よりも前では、アラーノは、幅を取ること・相手DFの背後のスペースを狙うことを強く意識していたように見えてましたが(なおビハインドでは暴走する)、横浜FM戦以降は、ジェバリとの距離を縮める動き方に変わっています。
(3)攻守セットプレイの良化
横浜FC戦でのCKからの「仕込み」が記憶に新しいですが、CKでクロスを蹴る場合に関しても、ようやく、詰め始めた様子です。CK守備も良くなってますね。チーム戦術を仕込もうとしていた時間分を、セットプレイに使えるようになったのかな?と思います。細かいことはわっかりませーん。
3.最後に
現時点での感想としては、うまいこと戦力に合った闘い方を見出したな!というところですね。ただ、いくつか疑問に思っていることがあります。
(1)選手層の薄さ
まず、このやり方では、SB黒川・半田の控えが居ません。相手MFラインをワイドで突破できるSBという、非常に高い要求水準になっています。正直、この要求水準を満たせるSBは、ほとんど居ません。補強は不可能と言っていいでしょう。
現戦力で、これが可能そうなのは、福田くらいでしょう(が、コンタクトプレイでの脳震盪再発が怖いため、コンバート可能かどうかも怪しいです)
次に、WGも、控えが居ません。中に入って機能するWG「のみ」が戦力となるため、福田や杉山のような、張って受けてから機能するタイプは、控え扱いにはなりません。
また、杉山と山見に関しては、SMFとしての守備に問題があるのかな?と推測しています。中に絞った後、ワイドに追い込んでいくアプローチで、中を切りきれていないシーンが記憶に残っています。少なくとも、山見に゙関しては、おそらくは、守備の部分が問題視されているのだろうと思います。
現在のWGには、中に入っての得点能力に加え、SMFとしての守備能力も求められているように思います。縦への突破力は求められてないですが、要求水準は高いです。
端的に言えば、「ハードワークでき得点も狙えるSMF」なわけでね…そんな便利な選手を手放すクラブは居ませんわな。国外からの出戻り狙いなら無くはないと思うので、「不可能」とまでは言いませんが、補強は困難だと思います。単独での局面打開力が高い点で、少し類型的には異なりますが、もと横浜FMの遠藤あたりが獲れると嬉しいですけどねぇ、難しいですよね
最後に、IH10(守備時に2トップの片方になる)です。ここは、山本または石毛で固まりつつありますが、山本を「アンカー及び引き気味IH」の控えと捉えると、やはり層が薄いですね。
8-10の選手が1枚欲しいのではありますが、具体的な起用をイメージすると、「ダワンの控え」なわけで、来てくれる日本人選手は居なさそうに思います。倉田なら可能そうですが、WGも薄いので、転用しにくいところです。
まとめると、SB、IH10、WG(SMF)の控えが居ません。左WGの控えに食野が居る程度です。ほかは居ません。
現運用では、SBは補強不可能、IHは補強困難、左WG⇔SMFを1枚補強できるかもしれない、ってところですね。左WG⇔SMFを1枚補強できれば、IHに倉田を回せますし。
(2)解決策妄想
3センターをMF型で固めてるのならば、WGを守備時2トップ化すれば良いじゃない!?と思ってます。
たとえば、非保持時、ジェバリ・宇佐美の2トップで、MFラインを倉田・ダワン・ラヴィ・山本で組みます。保持時には宇佐美がワイドに開き、倉田が前に出ることで、倉田・ジェバリ・宇佐美の3トップ、ダワン・ラヴィ・山本の3センターで攻撃をスタートする、とのイメージですね。
そうすると、左WG⇔SMFで、倉田・アラーノ・食野あたりが競争関係、右WG⇔CFWで宇佐美・杉山・山見あたりが競争関係になり得るかな、ってところです。この場合、右WGとして縦突破を得意としつつ、CFWもこなせ、SMF守備はできない、くらいのタイプのWGが1枚必要かもしれません。ジェバリ・宇佐美・(補強WG⇔CFW)の3枚+杉山・山見で、CFWと右WGとを回す、ってイメージですね
てなところです
・ちょっとお小言
誰が…っていうよりは、報道関連で、なんですが、目指す・目指していたのは、「保持」スタイルではないです。杉山・福田のWG起用時で、高さで優位が取れなくても、WGに当てて(フィード含む)サポート、セカンドボール回収、というやり方を取ってたでしょう。
保持できる方が良いのは良いのですが、基本的には、ポジショニングを基礎として、当てて・サポートです。「三人目の動き」を意図的に誘発する仕組みです。もしサポートを使えなかったとしても、セカンドボール回収または即時奪還、というやり方です(やり方でした)。
そこから変化し、現在は、守備強度と運動量とを強調したチームになってます。「WGに当てて、WGが持つ・関与してからのコンビネーション」というやり方から、「SBが持ってからのコンビネーション」へと変わったのは分かりやすいと思います
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