タイでコロナにかかったら(15) 隔離生活11日目※エピローグ(2022/7/27水曜)
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ラストナイトインバンコク
最終日の朝は珍しく遅く起きた。昨夜はアソーク駅近くにあるソイカウボーイというゴーゴーバーなんかが立ち並ぶ猥雑なストリートにあるバーで、ロートルな地元バンドの生演奏を聴きつつ、通りを眺めながら一人で延々と飲んでいた。さらに路上で売られていたタバコも購入し、バンコク最後の夜を静かにまったりと過ごしたのであった。
30食目
朝食は野菜スープとご飯。起きるのが遅かったので少し冷めていたが美味しくいただこう。スープには白菜と玉子豆腐ぽい豆腐。日本の定番の白菜とバラ肉の鍋みたいであっさり食べやすい。二日酔いの体に栄養剤のように染み渡る。
ログアウトは忘れずに
あ、そうそう。ホテルで自分のアカウントを使って観たサブスクは必ず忘れずにログアウトしよう。次に泊まった知らない人が自分のアカウントで観てたら嫌でしょ?なんなら閲覧履歴や検索履歴も消しとこう。これバタバタしてると本当に忘れがち。
またサミティベート病院へ
昨日受けたPCR再検査の結果を取りにまたもサミティベート病院へ。
やはり面倒だ。メールでPDF送ってくれてもいいのに。陽性なら先に連絡するということだったので、ここまで連絡がないということは確実に陰性だろう。ブレズクリニックの抗原定量検査がすでに陰性だったから、無くても帰国可能なのだが、保険申請で書類が必要なので午前中に行くことに。
結果はもちろん陰性。これでダブル陰性をゲットしたのである意味絶対に無敵。絶対無敵ライジンオーだ。
以前の日記にも書いたが、サミティベート病院でのPCR再検査はフォローアップクリニックで行われるパターンもある。そっちだとメールでPDF送ってくれるらしい。ただし医師の診察があるため、料金が少し追加される。
サミティベート病院の目の前にはこんな店があった。日本では1億万パーセントありえないだろう。
店内を覗くとがっつりあった。あはは。
皆カジュアルに楽しんでらっしゃる。まるでKALDIのカウンターにあるコーヒー豆のように産地ごとのブランドがずらりと並べられていたアムステルダムのコーヒーショップを思い出す。
31食目
昼食を食べにホテルへ戻る。別に外で食べてもよかったけどせっかく作ってくれたんだしね。もったいないじゃん。一瞬ガパオライスかと思ったがこれは食べたことある味だ。酢豚だな。完全に酢豚だ。ちょっと辛いのと、なぜかカシューナッツが入ってるのが新鮮で美味しくいただけた。タイ風酢豚って感じ。
PCR検査の結果もゲットしたし、もうやることがない。完全にオフだ。空港には夕食後に向かうとしてそれまで軽く遊びに行こう。といっても街中をウロウロするくらいだけど。
サイアムのガンダム
BTSサイアム駅で下車。車内から見えていたがサイアムセンター前にはガンダムが立っていた。
「東南アジア初のガンダムベースがOPEN!」とのこと。ガンダム専門ショップのことだね。新東名の静岡サービスエリアにもあったりする。ただ、ここまで載せていて申し訳ないが自分はガンダムあまり興味ない派なのでスルー。行きたいところは別にある。
MBK
MBKセンターことマーブルクロンセンターに到着。ここはとってもカオスで面白いので訪タイの際は必ず立ち寄るようにしている。
今回5年ぶりに来たのだが、なんと1Fフロアがドンキホーテになっていた。以前は東急百貨店だったはず。
店内も完全にドンキでした。ぐるっと周って即退店。
MBKの2F〜3Fはアジアン雑貨や衣類の店が多い。
4Fはまるごと携帯電話フロア。ここが大好きでよく来ていた。
コロナ禍で潰れてる店も多いし、客も少ないけどそれなりにがんばって営業してる感じ。昔はここでSIMのアンロックやジェイルブレイクやバッテリー交換などやってもらったりしたもんだ。
BACC
今度はMBKの向かい側にあるBACC(バンコク・アート&カルチャー・センター)へ。ここも何度か来たことがある、楽しい施設だ。
グミが売られていたので近づいてよく見ると、
なんと歯型でした。キモいけど面白い。
それから展示を観たり、
併設されているショップにお邪魔した。
この後はアソーク駅に戻り、ターミナル21という巨大デパートをウロウロしてお土産を買ったりとベタに観光客気分を味わった。
32食目
夕食。そしてこれがホテルでの最後の食事。献立表には「Butadonburi」とあったがドンブリではないよねこれ。トンテキ定食に近い感じ。和食とタイ料理のハイブリッドだ。ちょっと生姜っぽいソースが絡んだジューシーな豚肉を頬張る。この妙にしょっぱい味噌汁も最後だと思うと泣けてくる。フルーツも残さず全部食べた。
公園でチル
Googleマップを見るとホテルのすぐ近くに大きな公園があるようだ。
ホテルの窓からも見えて前から気になっていたので行ってみることに。
都会のど真ん中だがとても良い公園。中央に大きくて四角い池があり、その周りはジョギング&サイクリングコースとなっている。
こんな公園でジョギングできたら最高だな、隔離中はとにかく運動不足になったので、せめてここで走れたらよかったなと思いながら、池の畔の芝生に寝転がる。
空はちょうどオレンジに染まる寸前だった。日本に帰ればこんなことも気軽にできなくなるなと思い、一本だけ取っておいたタバコに火を付ける。ぎりぎりまで煙を肺に溜めて吐き出す。目を閉じると周りの人の話し声がなぜか日本語に聞こえてきて、まるで井の頭公園あたりに来てる気分になる。そしてゆったりと時間が流れた。
帰る頃にはもう暗くなっていた。そろそろチェックアウトするか。
チェックアウト
いよいよホテルをチェックアウトする。全部で55000バーツ(22万円)。カードで一括払い。
最後に気になっていたことをフロントの人に聞いてみた。ホテルの70%は隔離者。残り30%は一般客。隔離者はほとんど日本人、だそうだ。
本当にお世話になった。きめ細やかなサービスとフレンドリーなLINEスタンプにホッコリさせられた。いつか必ずまた泊まりに来ますと伝えてホテルを出る。
スワンナプーム国際空港へ
BTSアソーク駅からパヤタイ駅へ。そこからエアポートレイルリンクに乗り換えてスワンナプーム国際空港へ。
空港は思ったより混雑していた。翌日は現国王の誕生日で祝日。日本で言うところの天皇誕生日か。連休になる人も多いらしいので移動が多いのかも。
俺が乗る便を確認。23:50発TOKYO行き。成田空港って東京じゃないしめっちゃ遠いけどな。
タイ航空のチェックインカウンターに行く。成田行き、関空行き、セントレア行きが同じ時刻に重なっていたため、日本人旅行客でかなりの列が出来ていた。早めに来てよかったかも。パスポートやeチケットの他に陰性証明書の提示を求められたのでスマホで見せる。さらに「MySOSはインストールしてますか?」と聞かれる。
無事チェックインも荷物検査も通過し、後は乗るだけだ。余ったバーツをきれいに使い切るためにお土産をいくつか買う。薬局で歯磨き粉やお菓子などを買うことが多い。たとえ空港でも薬局はボッタクリ値ではなく普通の価格なので。
まだ時間が少しあるのでベンチに座ってビールとパンで夜食だ。ビアシン350mlで90バーツ。コンビニの倍の価格。高いけど機内でうまく寝るために泣く泣く購入。夜食用のパンとつまみはセブンイレブンで事前に買っていた。
俺はケチなので海外の空港のレストランで食事を摂ることはほとんどない。高いので。とはいえ世界中どこにでもあるファーストフードにも行きたくない。あとミネラルウォーターも空港で買わない。荷物検査前に飲み干した空のペットボトルは捨てずに蓋を開けたままリュックに挿しておく。そうすると没収されない。荷物検査通過後はトイレの前にある無料の給水器で補給できる。
余談だが、タイの街中にはこのような有料の給水器がいたる所にあり、
何度か実験の結果、これを使えば1バーツで1リットルくらいの水が出ることがわかって以来、あまりコンビニでミネラルウォーターを買わなくなった。観光客がいるエリアには見かけなくて、庶民が住んでいる住宅地にあることが多い。地元の人も利用しているだろうから飲んでも全然平気。たぶん。
ついに離陸
ボーディングゲートが開いたので搭乗口に向かう。いよいよ出発だ。乗客率は6割程度ってところかな。
やった!どうやら隣は居なさそうだ。これはあぐらかいて寝れるから最高。
機体はゆっくりと動き出した。バンコクがどんどん遠ざかっていく。なんだか寂しい。絶対にまた来ようと誓う。
日付が変わった頃に突然夜食が出る。やたらと手作り感のあるサンドイッチだ。ハムとチーズが入っている。お腹いっぱいだったので食べずに取っておいた。
次第に眠りについた。4時間くらいの仮眠だったのだが、結構寝付きは良かった気がする。朝5時頃に朝食が来た。
何かが入ったお粥 or スクランブルエッグ&パンのどちらかを聞かれて、迷わず大好きなスクランブルエッグに。思った以上にボリュームがあり大満足。これが正真正銘最後のタイ食事だな。マーガリンとジャムは隔離ホテルでもよく見たやつだ。ドラゴンフルーツも日本だとめったに食べられないから嬉しい。
機内モニターの地図で現在位置を見るとすでに沖縄あたりに来ていた。もう日本だね。
成田空港到着
ついた。ようやく日本帰国だ。
空港ではものすごい数のスタッフが待ち構えており、5メートルおきに「順路はこちらです!」「MySOSアプリのQRコードを提示してください!」「まだインストールされてない方はWi-Fiを使ってダウンロードしてください!」と延々と叫んでいる。せっかくデジタル化してるのにこれだけの人員を使っていたら無駄だと思うのだが…この過剰なまでの対応が日本に帰ってきた感。そう、日本は大人を子供扱いする国なのだ。ある意味丁寧なおもてなし精神と言えるのだが。
そんなこんなで無事に入国審査も済ませ、ついに日本の地を踏む。その後は京成電鉄に乗り自宅まで。車内で前回の「タイでコロナにかかったら(14)」をスマホで書き上げたのであった。
くぅ~疲れました。これにて完全完結です!今まで読んでいただきありがとうございます。まとめ版も同時公開しておりますのでそちらも参考にしてみてください。
では皆様今後も良い旅を!
ー 完 ー