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音楽と2024年

今年ももうすぐ終わりですね。

今年は特に音楽との関わりの多い一年でした。
そこで、一年を音楽を通してふりかえってみます。

混声合唱団入団・退団

合唱団入団

昨年の第九ひろしまに参加した際に、
音楽への情熱と造詣の深さにひかれた方が
指揮していらっしゃる総勢約60名の
地元のアマチュア混声合唱団に入団しました。

見学時には、次の定演への練習が始まっており、
私は入団すぐに、ヘンデルが
オラトリオを書くきっかけになったと言われる
王妃キャロラインのお葬式で演奏された大曲の
練習からのスタートでした。

他の日本語の歌やジョン・ラターのキャロル曲も
私にとっては難易度の高い曲ばかり。

毎回ついていくのに必死で、デイトレも
noteの更新も読書も時には家事も何もかもそっちのけで、
とにかく毎日、あまり読めない楽譜とにらめっこし、
音取り音源を聞きながら個人練習に明け暮れました。

合唱フェスタ参加

そのまま、5月の駅前地下広場での
合唱フェスタ本番となり、
初めて人前で合唱団員として歌いました。

地下道という反響の大きく、
雑踏の音もあり、鳩も飛び回る環境での
合唱で、緊張で喉がカラカラになりましたが、
なんとか無事終わり、ホッとしました。

団主催15分のレッスン

その後、団員の希望者(特に初心者)に
ソリストの先生から各15分のレッスンを
受けられることになりました。
たった15分でしたが、

ずっと、誰にも歌のことを相談できず、
これで合っているのだろうか??と
不安に思いながら練習をしてきて、

はやいパッセージを歌う練習で
顎関節が痛くなってきていた私にとっては
そのよくない癖にも気づけて、
大変貴重な時間に思えました。

私から質問も2つして、それらにも
丁寧にお答えくださり、感謝しかありません。

合唱団定期演奏会

7月に合唱団の定期演奏会に出演し、
かつてない約2時間強の間、
大勢の中の1人としてですが
ステージに立ち続けるという経験ができました。

定期演奏会の会場設営や片付けも
団員が行うので、昔、大学時代にした
定演の経験を思い出しながら、
できるだけ役に立てるよう
そちらも自分なりにがんばりました。

平和記念式典での合唱ボランティア

8月6日には、平和祈念式典で
合唱ボランティアに参加しました。

広島生まれ、広島育ちでしたが、
恥ずかしながらこの歌をこの練習で初めて知り、
全く初見の楽譜と、過去の式典の映像を見ながら、
たった1曲ながら
アルトパートを個人練習していき、

初めて会う指揮者さんの指示のもと、
前日と当日早朝の、全2回の練習のみで
初めて会うメンバーと、吹奏楽をバックに
本番を歌うという経験もできました。

そこで会えた方々と話すと
とても明るくおもしろく、おかげで
音楽が繋ぐ人との関わりの楽しさも
思い出すことができました。

合唱団退団

その後、次の公演に向けての
練習も始まりましたが、
私の心はこの合唱団から
離れてしまっていたのだと思います。

数回の練習の後、私は突然退団しました。
そこが限界でした。

それ以上無理して居ても、
また音楽がキライになりそうでした。

古楽器ワークショップ参加

まだ合唱団にいる頃に、団員さんが
団員全員に向けて告知してくださっていた、
古楽器アンサンブルと合唱できるワークショップに
思い切って申込をしていました。

そのワークショップでは、
4声各パート4名の募集で、
私はかつてこんな小規模な
合唱をした経験がなかったので、
とても不安でしたが、

申込期限が過ぎても
たまたまアルトは1人空きがあり、
それで運よく入れていただけました。

バッハのカンタータを古楽器アンサンブルと歌う

申込が受諾され、楽譜をいただいたので、
すぐに練習を始めました。

ここでは、合唱団で指揮者さんが
練習時におっしゃっていたことを参考にしながら、
譜読みっぽいことをしてみました。

主催者のコーディネーターさんや指揮者さんが、
親切にもワークショップ掲示板を通して
たくさんのアドバイスをしてくださいました。

「私は、気軽に音楽の話ができる場所が
欲しかったんだな…」

ここでのやり取りを通して、
そう確認できました。

古楽器の音の温もり、丸さに心惹かれる

自分にとってはとても難しい曲でしたが、
なんとか自主練していき、迎えた事前練習では、
一番難しく不安だった最終曲で
家では間違えず歌えていた箇所が
どうしても入れず、他の方々に申し訳なく、大混乱。

しかも、私のスマホのアラームが鳴ってしまい、
もう、大パニック状態でした。

でも、そんな中、トイレ休憩中に
歌唱指導の先生に思い切って声をかけ、
誰にも歌のレッスンを受けていない状態なので、
レッスンをしていただけないでしょうかとお願いしたところ、
「今はちょうどここにいる時間が多いから」と
ご快諾くださり、
連絡先を交換してくださいました。

翌日のワークショップ本番でも、
指揮者さんと、歌唱指導の先生の指導の下
一か所だけ落としてしまい大変悔しかったですが、
とりあえず最後まで歌い切って
ワークショップは終わってしまいました。

でも、生で古楽器の演奏を聞いたのは初めてで、
こんなに柔らかい音の楽器があるのだなと
心がほっこりしました。

また、古楽器の演奏の難しさも
ヒシヒシと伝わってきて、
各パートの方々の努力を想いました。

思い切って、楽器の写真を撮ってもいいか
お願いすると、快諾してくださり、
フォルムの美しさや味わい深さも
古楽器の魅力だなと思いました。

次回ワークショップ参加申し込み

ワークショップの最後に
次回ワークショップの告知がありました。

なんと、あのメサイアを演奏する
ワークショップだというのです。

メサイアは、今年、とある演奏会で
初めて全てを聴いて、
こんな曲だったのかと知れた曲で、

しかも、第一部をソロ曲も込みで
演奏するというではないですか。

実は、ある演奏会での
メサイア演奏を聴きに行くにあたり、
事前に予習をしていると、
どうしてもリピート再生してしまう曲があり、
その曲をきっかけに、カウンターテノール、
中でも、アンドレアス・ショルさんの存在や、
アルトというパートの魅力をより知れた、
大好きな曲だったのです。

それを機にアンドレアス・ショルさんの
レコーディング音源を聴きながら
ネットに落ちている楽譜を参考に
勝手に個人練習していたのでした。

ですから、夢のような企画だったのです。

もちろん、すぐに申込み、
ぜひ、この歌(ソロ曲)を歌わせてほしいと
お願いしました。

14年ぶりのバンド練習

まだ娘が生まれる前に
夫たちのバンドの仲間に入れていただき
ライブハウスでライブもしていたのですが、
娘が生まれてからはすっかりご無沙汰していました。

ドラム練習

もともとギターリストとしては
限界を感じていたこともあり、

娘が大きくなってきてからは
夫が持っているエレキドラム
(ヘッドホンから音が聞こえる)で
ドラムを練習していました。

そのおかげもあり、合唱団で
難しいリズムの曲を歌う時も
リズムに気を付けて歌えたのだと
今となっては思っています。

ギター練習

でも、またバンドをやらないかと
そのバンドの方々が声をかけてくださり、
久しぶりに集まって、
バンド練習をすることになりました。

そのバンドで、
私はやはりエレキギター担当なので、
久しぶりにエフェクターを引っ張りだし、
コード類を繋げて、練習を開始しました。

久しぶりにギターを持ちましたが、
コードの弾き方などは案外憶えていて、
毎日少しずつ練習をして、
新幹線で娘も一緒に東京に向かいました。

新宿のリハーサルスタジオに入って、
娘は初めて両親がバンドで演奏する姿を
見学する機会になりました。

大きな音が苦手な娘は、
ヘッドホンをして聞いてくれていましたが、
ふとみるとポロポロと涙を流していて、
みんなで慌てふためいていました。

すると、娘が
「かっこよすぎて・・・」と
泣きながら感動を伝えてくれ、
みんなで「ありがとう!!」と大喜び。

音楽は時を超える

バンドメンバーの皆さんと会うのは
実に14年ぶりだったにも関わらず、
私たちは、つい先日遊んでいたかのように
音楽を通して一つになれて、

心から、
「音楽って、時を超えるな」と
感じられる瞬間でした。

また、こうしてバンドに誘ってくださった
バンドメンバーにひたすら感謝していました。

(この練習は、合唱団の定演の
ちょうど1週間前の出来事です)

声楽レッスン受講開始

合唱団を退団して、

ワークショップで改めて、
自分の歌や準備の仕方が
まだまだだと感じて凹んでいたタイミングで、
声楽のレッスンが始まりました。

発声の基礎から学び直す

先生はプロの声楽家として
国内外でご活躍の方です。

ですから、初めてのレッスンでは、
まずワークショップでの私の歌について
酷評されるだろうと覚悟していました。

でも、そんなことは微塵もなく、
とてもフランクでやさしく、明るい方で、
どよーんと暗くなっていた私を
下からグイッと陽の方向に
引き上げてくださるような方でした。

そして、まず発声の基本から教えてくださり、
クラシック曲を歌う上で
「この歌い方ができるようになれば、
その後がラクになるから」と
根気よく、私の声の扉を
開け続けてくださっています。

ソリストとして歌うことにチャレンジ

また、私が次回のワークショップに
さっそく申し込んだこと、

ソロ曲のうち1つを歌わせてほしいと
申込時に伝えていることもご存知で、

まずは、歌を聴いて、
それからそのソロ曲を歌っていいか
判断させてください。とおっしゃいました。

ですから、私も必死で、
先生の教えてくださることを吸収し、
自分のものにしようとしています。

基本の発声について数回レッスンを受けた後、
いよいよ、ソロ曲の練習に入りました。

ダメもとでしたが、でも、どうしても
この曲だけは歌いたかったので、
緊張もしましたが、
今の自分の中で思い切り歌いました。

すると、たしか2~3回目を歌い切った後、
先生に恐る恐る聞くと、
「大丈夫、大丈夫!歌っていいですよ!」と
明るく言っていただけて、

思わず飛び上がってしまいました。

先生はそんな私を見て面白がって笑っていて、
こんな優しい温かい先生だからこそ、
あの素敵で柔らかい歌になるんだなと思いました。

その後も、歌の基礎はもちろん、
譜読みのヒントや、歌詞について、
クラシック音楽の歴史について、
メサイア第一部の他の合唱曲の指導など、
いろいろと教えていただきながら、

それを踏まえて家での練習を頑張っています。

1月には、
そのワークショップの無料の公開発表会があり、
ドキドキですが、自分の精一杯を出せるよう
音楽を思い切り楽しもうと思います。

ピアノ練習

ピアノは、小学生低学年期と、
保育士免許の取得のために練習しましたが、
もうすっかり忘れています。

でも、声楽レッスンの中で、
練習の仕方のアドバイスを受け、
歌の練習のためにピアノもある程度は
弾けるようになった方がいいと思い、

娘の電子ピアノを借りて
練習を始めています。

今後は、ピアノを使って、
その時の自分の状態に合わせて
自分で普段の発声練習ができるように、
また、音取りを正確に、効率的に
できるように歌の練習に合わせて
ピアノを弾く機会を作っていくことにしました。

生演奏を楽しむ

私は合唱を始めるまでクラシック音楽を
ほぼちゃんと聴いたことがなかったので、
とにかく、クラシックを
もっと知る必要がありました。

もちろんレコーディング音源は
世界中のスペシャルな方々の演奏が
いつでも簡単に聴ける
大変ありがたいツールではあるのですが、

やはり、生声で歌を歌っていこうという
自分に必要なのは、
生演奏を聴くことだと感じています。

生演奏には、レコーディング音源にはない
息遣いや会場の音響や雰囲気、
空気の流れなどがあり、
それを感じとっての演奏になるので、
会場全体で一つの作品であり、しかも
その一瞬でしか体験できないものと
言ってもいいのではないでしょうか。

だからこそ、時間を作って足を運び
お金を払ってでも、作品の一部として
その場を体験する価値があるのです。

ですから、気になる演奏会に
足を運んでみるようになりました。
(時間や、おこずかいの制限内で)

アマチュアの方の演奏も、
プロの方々の演奏も、
学生さんたちの演奏も、
そしてプロアマ学生さん混同の演奏も、
どれもそれぞれに勉強になることばかりで、
毎回いい刺激を受けて帰宅しては、
つい、すぐに練習したくなってしまいます。

音楽とは、どこまでも広がり、
どこまでも深く果ての無いもので、
だからこそ素晴らしいのだなということに
今年は一番気づかされたような気がします。

また、音楽が本当に好きな人は
音楽を通して人と繋がれる人だし、
どんなにうまくても、有能でも、
人間一人だけでは音楽はできないし、
音楽にも「縁」というものがあるのだと
確信できた一年でした。

来年も、引き続き、歌の練習や演奏を重ねて
少しでもいい演奏をして、
自分の音楽活動を通して、誰かの口角が
ミリでも上がるといいなと思っています。

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