変わらざるを得ないTV番組

素人目線で偉そうにと言われて反論はできないが、TV番組の今の感想を綴りたい。

番組構成上時間が足りているのか足りていないのか、或いは出演者によって編集が変わるのか。以前にも書いた番組の編集でダイジェストを多用する番組が減ることなく闊歩してらっしゃる昨今。もしもの時の為の、というよりは特番用に未公開映像を撮り溜めているようにしか思えないと疑うバラエティ番組の面白さを削ぐ編集。ピークを先に見せることで視聴者を繋ごうと思っているのか、若年層にはそれがうけるのか、筆者にとっては謎で害悪そのものだが、残念ながら主流の番組構成になっている。

そんな中、最近の放送で昔からあったはずだが懐かしさを感じさせながらも新鮮に思えたのが番組最後のスタッフロールだ。エンディングパートを別に設け次回のダイジェストを見せながら流していたものがほとんどだったが、明石家さんま氏出演の番組「ホンマでっか!?TV」「踊る!さんま御殿!!」において、最後のトーク中にスタッフロールが流れ始めた。以前は当たり前にあったものがなぜか新鮮に思える。エンディング曲を流すと同時にだったり、或いはエンディング曲のアーティストのPVをカットインで流して、などいかにもエンディングですと宣言しながら始まるロールだったのだが、上記2番組においては最後のテーマトークで盛り上がる中、あれもう終わってしまうのかと、今日はここまでかと番組の時間の終わりを惜しむ演出となっている。会話のピークの中で終わってしまうのか、と思わせるこのスタッフロールはコロナ禍における番組の構成上なるべくしてなった編集かもしれない。

トークが中心の番組でコロナ対策とは言え演者の距離を保ち今まであった間で話せる距離感ではなくなってしまった。少し前より多人数が出演できるようにはなったが、2mほど離れたり、アクリル板で仕切る席に座ったり。声が届くほんの数ミリ秒の間の違いが生む苛立ちを演者たちは感じているはずだし、見ているほうにもそのもどかしさは生まれている。或いは番組から離れてしまった人が増えたかもしれない。YouTubeやSNSなどを使い個人で番組発信までできてしまう世の中になって、映像はより視聴者を限定させていき、更には使い捨て感まで出てきている。かといって面白クリエイターが増えたわけでもないが。似たような枠で演者が好みかどうかで差が出ているくらいだろう。

番組の本質として、ああこの番組が好きだ、と思わせることが何よりだ。演者を含め今日はどんなことが起きるのかを期待して観るものを選ぶ。そして次回もまた観たいと思わせることの難しさ。なかなかメディアに出ないゲストを連れてきたこともあった。その界隈で有名な一般人を迎える番組もある。だが、次回は次回。次回の宣伝もなく今日ははいここまで、また観てねのスタンスをとる番組は少ない。次回宣伝分の時間も配分されてしまっているから本編も削られる。ましてピークダイジェストを冒頭、前後半の間に入れるとなれば、本編は削られまくり、さらにはかつてのTOKIO出演のガチンコを観ているような全く前に進まない番組構成に辟易してしまい、結果として番組から視聴者は離れる。

トーク番組が潔くトークで締めることで、なくなりかけていた番組の本質を思い出させたスタッフロール。当たり前だったことに新鮮さを覚えた昨今、如何に多種多様な番組が生まれ朽ちていったのかを改めて考えさせられた演出だった。

本日はこの辺で。ある程度の敬称略。失礼いたしました。

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