「原神」が意外に面白かったし、中国の"本気"を感じたので自分なりにポイント絞って考察した話
最近リリースされ、何かと話題の無料ガチャありオンラインゲーム「原神」
最初は僕も半信半疑だった。
スクリーンショットで映し出される綺麗なグラフィックを見たときに「ブレワイまんまやんこれ」って、ブレワイ大好きだった僕はなんか侮辱された気がして嫌だったわけ。
「ブレワイにガチャ足してキャラクターに有名声優当ててデザインも今ウケそうな感じにしただけでしょ?どうせ中身もペラッペラやし、こんなんすぐコケるに決まってる。」
そう思ってたんだけど、なんとなく評判良かったのでどんなもんかとプレイしてみたが、結構よくできているし、面白かった。
かなり"本気"を感じた。
この本気という部分、今回かなり強調したいのだけれど、何が本気か、どのように本気かっていうと
「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」を徹底的にパクる、という一点に関してかなり本気を出している。
プレイした人ならわかると思うが、僕はこの点に関して相当評価されるべきポイントだと思うのだけどどうだろうか。
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・やっぱりブレワイのパクリだった。でも面白かった。
どのレベルでパクリかというと、オープンワールドにおける探索要素のほぼ全てが(スタミナを消費して行動する泳ぐ、飛ぶ、登る、走る等)がブレワイである。他にも回復手段もフィールドで見つけた肉などを料理して食べることがメインとなっている点もブレワイだ(ちなみに短期間で食べ過ぎると満腹状態になって食べられなくなるのも全く同じ)。
回復兼パワーアップ兼マップ拡張役のオブジェクト(女神像)なんか言い逃れできないほどまんまである。ここまで来るといっそ清々しい。
ただ、それらの要素を使っただけではなく、ブレスオブザワイルドの探索における緊張感もかなり忠実に再現されている。高い崖を登るときや泳ぐときはスタミナを気をつけなければならないし、逆にスタミナさえあれば普通ナシだろうと言うルートも開拓することができる。
マップは広大で端から端に移動するのにワープを使わなければかなりしんどいが、道中に出てくる宝箱を開けたり緊急クエストをクリアするとシナリオを進めるのに必要なポイントを手に入れることができるし、スタミナ強化に必要なアイテム(ゼルダで言うところのハートのかけら要素)も各地に点在しているので寄り道も結構楽しい。
ただその中で僕がオリジナリティを感じたのはスマホに最適化させるための戦闘システムの工夫と宗教観だ。この二点において、名作ブレスオブザワイルドの単なるパクリゲーでないことをプレイ中に感じたのだった。
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・戦闘システムについて
戦闘システムは元素という名称で属性システムを採用している。様々な属性が存在しているのだがその中で、例えば火と氷を合わせると「溶解」という現象が発生し、ダメージ量が跳ね上がるという仕組みだ。
基本的にポチポチポチと通常攻撃を連打するより、属性の相性を考慮した攻撃をした方がダメージ効率は良い仕組みになっている。
別にこれ自体は良くあるシステムだし、何が画期的なのかというと根本はこのゲームの対応ハードの話になってくるんだろうと考察した。
対応ハードは「PC」と「ps4」と「スマホ」
このスマホに対応するために、このゲームはかなり多くのものを犠牲にしていると考えられる。例えば戦闘アクション要素。
ブレワイにおける「ラッシュ」や「シールドアクションにおける反射」に代表する要素だ。ブレワイはかなり自由に戦えるように設計されていて、状況に応じて自由な判断のもとアクションを用いて戦うことが出来るのが魅力のひとつだった。
だがスマホ対応のゲームにおいて、そこまで多くのアクション要素を取り入れることはできない。操作が複雑になってしまうからだ。
ならばと考えたのがこの属性システムなんだろう。この属性システムはオープンワールドのアクションRPGにおいて、様々な場面に応じて敵の属性や味方たちの属性を考慮して選択できる自由さを与えている。例えば
電気属性は雨が降っている時や水辺で「感電」現象を発生させられる
火属性は草むらを「炎上」させることができたり敵の持つ木の盾を燃やすことができる
といった具合だ。
戦闘中は4人いるパーティーメンバーと自由に交代することができ、それぞれ交代しながら属性攻撃を繰り出すことによって属性コンボを狙っていく。
1ボタンでメンバーの交代が可能な為、複雑なアクションを簡略化しつつも自由な状況判断とプレイングをプレイヤーに迫ることができている。
スマホに対応する為の簡略化で失われたアクションゲームの緊張感や気持ちよさをこのように属性システムで擬似的に再構築しているのだ。
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・宗教観について
予め書いておくが世界観に関しては僕が感じたオリジナリティはぶっちゃけゲーム自体のクオリティとはあまり関係ない。こういうことを考えるのはただの僕の趣味だし、僕は中国の神話や民話事情についてそこまで詳しくないので勘違いなんかもあるかもしれない。もしあっても適当に流して欲しい。
あまり詳しく書くとネタバレになるんだけど、神が人の姿を借りて出てくるところがあるわけ。力を失ってるとはいえマジで普通で、強キャラではあるけど圧倒的な存在感を出しているわけではないのね。
また、話の流れでこの世界は当たり前のように神が存在してるだとか、アイテムも神の目だとか神というキーワードの存在がかなり気安い。また、途中神の能力が敵に奪われたりする描写があったりするのだけれど、何故かそこまで絶望感がない。なんか大事なもの、例えるなら財布落としたくらいのノリでがっかりしている。
結構「無茶苦茶だ」と思ったのだけれど如何だろうか。
勿論日本のアニメやゲームにも神様が人になったり友達になったりする作品って沢山あると思うんだけど、大抵は雑に扱われていても実際は唯一無二の貴重な存在だったりするもので、ここまで神という存在が気安いのってあまりない気がする。
(これは日本のアニメだけど…笑)
日本で語られる神様も八百万といって決して崇高なだけの存在ではないけれど、どんな神様も神様であり、尊敬するべきだと無意識に刷り込まれている。
かたや中国にとって神様は日本よりもっと身近な存在であり、目に見える存在で普通にコミュニケーションできる相手として描かれることがとても多い風に感じている。多分この辺の感覚のズレは、元々人だった存在が神様や仙人になる逸話が大量にある中国だからこそなんだろうなと思う。
この辺の事情がシナリオを作る上で、スタッフの体に染み込んだ民話や神話がこういうところで無意識に発露されているというか。
プレイ中に制作者のバックボーンがなんとなく見える作品というのは個人的に大好きなのでこれは素直に良いなって思ったポイントだった。
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ここまで書いてアレだが、惜しい点はめっちゃくちゃある。探索にしても先頭にしてもUIにしてもやればやるほど惜しいと思う点が出てくる。
例えば戦闘にもっと操作性や緊迫感が欲しい(これはスマホ対応の時点で仕方ないことは既に語っているが)。慣れてくると正直属性コンボと攻撃ボタン連打だけじゃ飽きる。もっと刺激をくれ・・・。
また、ダンジョン増やして欲しい。絶対数がフィールドに少ない上にせっかく見つけてもレベル不足で挑めなかったりと、序盤の存在感は無に等しい。これは単純に探索の魅力を下げてしまうので、アプデとかで改善されないかな・・・と思っているポイントだったりする。
ただ恐らくスタッフはブレワイが大好きだ。じゃないとここまで徹底的にパクるのは難しいし、パクっただけじゃなくきちんとオリジナルゲームをプレイしている感覚をもらえるのはスタッフの努力だろう。
もしこれを読んだ人が原神に懐疑的なら一度プレイしてみて欲しい。無料だし。思ったより楽しめると思う。
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