アルカンジェロ・コレッリ ― 作品すべてが代表作
イタリアの作曲家アルカンジェロ・コレッリ(1653―1713)には代表作がない。後世に誇る曲を書くことができなかったのか。事態は正反対で、残された作品全てが代表作というにふさわしいのだ。そしてそれらは、常に演奏の現場から生まれてきた音楽だった。
コレッリの残した作品は少ない。12曲からなる曲集6セット、他作曲家のオラトリオに寄せた序曲1曲、遺作とされるトリオソナタ6曲、トランペット・ソナタ1曲、4声部のソナタ2曲の計82曲が、真作と認められている。これらのほとんどすべてがコレッリを代表する楽曲であり、同時にバロック期のイタリアを代表する作品だ。
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