名は体を表す。名と言っても《四季》なる通称のことではなく、その原題《和声と創意の試み》のこと。《四季》という名前は、12曲組の協奏曲集《和声と創意の試み》作品8のはじめの4曲に後世、つけられたものだ。この4曲にはそれぞれ春夏秋冬を表す詩(標題)が添えられていて、その詩を音楽が縁取っていく。重要なのは《四季》というあだ名ではなく、四季を四季たらしめる「創意」のほうにある。その点に着目して、アーヨ & イ・ムジチの1959年の演奏と、ビオンディ & エウロパ・ガランテの2000年の演奏とを比較する。