サンスーシ宮殿 ― 音楽のタイムカプセル

 「ポツダムからの知らせによると、去る日曜日、ライプツィヒの有名な楽長バッハ氏が、ポツダム王宮のすぐれた音楽を聴くために、同地に到着した。」(『ベルリン報知』1747年5月11日付)
 ヨハン・ゼバスティアン・バッハは1747年5月7日、長男ヴィルヘルム・フリーデマンを伴ってポツダムに赴き、ときのプロイセン王フリードリヒ2世に謁見した。フリードリヒ2世は以前から大の音楽好きとして知られていた。王の周囲にはバッハの次男カール・フィリップ・エマヌエルを始め、クヴァンツ、グラウン兄弟、ベンダ兄弟といった当代随一の音楽家が顔を揃える。そんなフリードリヒ大王が、政務を離れ寛ぐ場所として造営したのが、ポツダムのサンスーシ宮殿だ。1745年に着工、1747年5月1日に東翼が竣工した。

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