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【アド街が東大に】東大生がアド街を見た率直な感想


私はアド街を許さない。


ことの始まりは11月初頭。テレビ東京を代表する有名番組、「出没!アド街ック天国」(通称・アド街)。この番組に、なんと東大生の街・駒場が出演することになった。

街を徹底的に紹介する地域密着系都市型エンターテインメント! お馴染みの街から「えっ、こんな街あったの?という意外な街まで、あらゆる街に出没する情報バラエティ番組です。

アド街公式WEBサイトより

明らかに後者の枠で選出されたであろう駒場東大前

※普段の駒場東大前

一体、この意外極まりない寂れた街の何をどう紹介するというのだろうか。この地の名所が独自に作成したランキングに沿って20位から1位まで紹介されるとのことだが、この番組がいかにして20個もの名所をでっち上げるのか、もはや見どころはそこくらいしかないだろう。


そうやって表面的には冷笑していた私はその実、愛する街が地上波で放送されるのを見るのが楽しみで楽しみで、放送前から呆けたように浮き足だってしまって仕方がなかった。

この放送が楽しみだったのには、もう一つ訳がある。

駒場東大前商店街にある定食屋、キッチン南海。

そう、それは愛するキッチン南海をお茶の間の皆様に見てもらえることが嬉しくて仕方なかったからだ。

キッチン南海は東大生に愛されるボリューミーな定食屋として有名だが、そんなことよりもこの店の魅力はなんと言ってもよく喋る店主である。

「駒場にいる高校生の半分は知り合い」「政治家は大体友達」などといった滅茶苦茶なエピソードトークでコミュニケーション不足の東大生の貴重な話し相手となってくれるが、本当なのかどうかは疑わしい。他の南海ファンが言うには、有名人の名前を出して「知り合いですか?」と聞いてみると必ず肯定してくるのだという。ただいくら突拍子もないことを言っても、常連の顔は覚えて人懐っこく絡んでくるその人柄はこの地に愛されている。

駒場商店街も狭いから、血眼になってネタを探すであろう撮影班はこの店にも入るに違いない。いざマイクを向けられたとき、南海店主の口からは一体何が飛び出すのだろうか。私はそれが見たくてしょうがない。

それでは、さっそく見ていこうと思う。アド街は我々に一体どんな駒場東大前を見せてくれるのだろうか。前置きもそこそこにアド街は、すぐに「駒場東大前・ベスト20」の紹介に入った。


第20位 アルバイトは東大生

まず初めに映し出されたのは、駒場東大前周辺で粉骨砕身働く東大生たちの姿。職種は補助教員からパン屋まで様々。

東大生アルバイトの活躍ぶりに伊沢も目を瞠っている。

パン屋でシステム開発をした東大生アルバイトが注目されていたが、「東大生アルバイトならこれくらいできる」というイメージが根付いてしまうので本当にやめていただきたい。私などはエクセルすらろくに使えない。


第19位 人気のカフェ

次は「人気のカフェ」。タイトルが雑すぎるのが気になるが、東大生の地味なイメージから打って変わってオシャレなカフェが紹介されていった。学食かまいばすけっとでしか食事をすることのない自分にとっては未知の場所ばかりだった。

「早くキッチン南海を出してくれ」と逸る気持ちを抑えつつ、次に進んでいく。


第18位 千里眼

パワー系ラーメンでお馴染みの千里眼。不動のクイズ王・伊沢も毎日利用していたらしい。「貧乏学生だったときに毎日ここを訪れて野菜をひたすら盛りまくっていた」という涙ぐましいエピソードを語った。

それに対しシソンヌの長谷川も負けじと尺のあるエピソードトークをかまそうとしたのか、「近所に住んでいてよく散歩している、この前は駒場キャンパス内でクワガタを見つけた」と微笑ましいトークを披露した。

「街に詳しい」枠で呼ばれた山田五郎。誰。


17位  ケルネル田んぼ

駒場野公園の一角にある田んぼ。これも存在を知らなかった。駒場野公園は東大から最も近い公園で、バーベキュー場がある。そこで夜な夜な缶酎ハイを飲んでいる東大生をたまに見る。


16位  食堂コマニ

東大駒場Ⅱキャンパス内にある学食。利用したことはないのだが、プロも唸る味らしい。駒場Ⅰキャンパスの方にある学食の方は値段の割に量が少なく不評らしいので、そこと混同しないように。


15位 青木理髪室

今年創業100周年を迎える、東大生割引があるおそらく唯一の理容室。

初代主人が考案したのがこの「東大生カット」、「トップは少し長めに残し、サイドは短く刈り上げ、襟足を整えたさっぱりとして知的な印象を受けるヘアスタイル」とのこと。

しかしキャンパス内でこの「東大生カット」の人物を探そうとしたところ、ほとんどいなかった。「東大生カット」というよりもどちらかといえば軍人カットである。そういえば、東大の併願校に防衛大を選ぶ人って意外と多いらしい。軟弱な東大生には軍人への憧れがあるのだろうか。


14位 りた

住所非公開、完全紹介予約制の和食店とのこと。高級。貧乏東大生には一生縁がない場所かもしれない。しかし、流石にそろそろキッチン南海が出てもいい頃なんじゃないか? 期待は高まる。


第13位 駒場東大前駅

「かつては「駒場駅」と「東大前駅」という2つの駅があったが近距離にあった為、昭和40年に2つの駅を統合し、「駒場東大前駅」が誕生した」らしい。

大したことは言っていない、というか土曜のゴールデンタイムに流すにはあまりにも地味なネタじゃないかと感じるのは私だけだろうか? 早くもネタ切れを心配させるハラハラドキドキの展開となった。さっさと南海を出してくれ。


第12位 ル・ルソール

行列のできる人気ベーカリー。キャンパスから最も近いパン屋だが、オシャレすぎて東大生には敷居が高い。

味覚に役立つ??


第11位 東大生にお世話になっています

なぜタイトルがいきなり文になったのかはよくわからないが、再び東大生ネタに戻ったようだ。「東大の有名サークル」とのこと。筆者は東大に3年近く在籍しているが、寡聞にもそんなサークルは存じ上げなかった。


第10位 大学入試センター

受験生がお世話になる大学入試センター。主に共通テストに関する業務を行う。

ちなみにここの口コミ欄は地獄絵図になっている。


第9位 菱田屋

絶品料理で有名な菱田屋。ちなみに右のモザイクがかかっているポスターは創価学会。それにしてもキッチン南海はまだか?


第8位 1号館&13号館

また東大ネタかよ。全部一つにまとめてほしい。

なんかすごい人がすごい昔に建てたすごい建物らしい。すごい技術者と言えば、東大(旧東京帝大)工学部出身の水利技術者に八田與一という人がいるのだが、最近では同姓同名の別の人の方が有名になってしまい、なんとも世知辛い。


第7位 松見坂

キャンパスの裏にある坂。美味しい店がたくさんあるらしい。

ロバート馬場の店も。

ロバート馬場といえばポケモンサンデーのレギュラーメンバーで、ポケモンソムリエの役をしていたことでお馴染みである。

ポケモンをゲットしたときの決めゼリフは「○○ゲットで、グッドテイスト」

スイクンの使い手で、「ぜったいれいど」しか使わないクールなキャラだったと記憶しているのだが、今の馬場の風格はソムリエというよりも大将である。出世したのだろうか。

脱線してしまった。キッチン南海はまだですか?


第6位 日本民藝館

日本史に出てくる柳宗悦が作ったすごい館。


第5位 駒場東大前商店街

ついにやってきた。画面奥にある緑の看板がキッチン南海だ。

精肉店・太田屋、パン屋・角屋、駄菓子屋・かめがや。商店街の店が次々に紹介されていく。順当に行けば次が南海だろう。

しかしあろうことか、駄菓子屋の紹介が終わった時点でこのパートは終了してしまった。


え、キッチン南海、もしかして、スルーされた?


なんで???


サービス精神豊富なあの店主のことだから、「この店のバックには誰々がついてるよ」みたいに派手なことを言うもかえってテレビクルーをビビらせ倒してしまったのだろうか。

いやでもしかしランキングにはあと4個枠があるから、そこの中にキッチン南海が出てくる可能性もある。出なかったとしてもキッチン南海を差し置いて選ばれるような「名所」が何なのか気になる。続きを見ていこう。


第4位 駒場祭

いやだから1号館の紹介とかと一括りにして「駒場キャンパス」のワントピックでよくないか?


3位 日本近代文学館

すごい資料がすごいたくさんある。カフェもついてるよ。


2位 旧前田家本邸

チューダー様式のすごい屋敷。

はしゃぐ山田五郎。


第1位 東京大学駒場キャンパス


いや、だから全部「東大の駒場キャンパス」で一括りでいいだろ!

いくら駒場東大前には東大生しかいないからとはいえ、東大コンテンツに枠を振りすぎだろう。東大王も終了した今、東大生のコンテンツとしての価値は下がってゆく一方だというのに。


我らがキッチン南海を黙殺したテレ東を許すな!




文責【鈴木光宙】

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