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【変なバイト】ゾンビになってみた
突然ですが、
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ゾンビになりました。
今記事では、私がこうなった経緯を説明していきたいと思います。
ことの始まりは、クソコラ画像を作る素材を集めるためにとあるサイトにアクセスしたことだった。それはフリー素材だけを大量に掲載しているサイトで、ワニの赤ちゃんからコスプレ変態まで、様々な素材を扱っている。
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そこを閲覧していたところ、ふとあるページが目に入った。「モデル募集」。このサイトはフリー素材モデルやカメラマンなどを募集していて、採用されればなんと謝礼まで出るらしい。
やるしかない。「モデルのバイトをした」と何となくすごそうなことを言いたいという不純な動機も手伝ってか、気づけば私は脳死で問い合わせのメールを出していた。
返信はすぐに返ってきた。
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まさかの快諾。時給は1200円とのこと。
さっそく、どんなフリー素材をやろうかという話に。基本的には「なんでもあり」だが、時期的にはハロウィンが近いので魔女やメイドはどうか、と勧められた。
魔女はともかく、メイドは絶対にやりたくない。間違ってミニスカなど用意されても後で笑い物になるだけだろう。何か代案を捻り出せないかと頭の中をかき回していたら、トー横キッズだった時に渋谷ハロウィンに行っていて、仮装のために特殊メイクを覚えたことを思い出した。特殊メイクといっても顔面にわざとらしい傷跡をつける程度だが、仕上がりにはそこそこの自信がある。そこで、「ゾンビとかどうですかね」とダメ元で送ってみた。
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まさかのOK。それどころか、実写ゾンビのフリー素材は他に例がないので、もしやればパイオニアになれるとのこと。私はゾンビフリー素材界の開拓者になることを決意した。
撮影当日
さっそく、ゾンビになっていこうと思う。
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撮影場所は、池袋にあるスタジオ。
待ち合わせ場所に行くと、ゾンビの撮影に熱狂するとはとても思えないような、優しそうなおじさんがいた。彼はフリー素材サイトの管理人であり、カメラマンもやっているとのこと。
スタジオは駅から10分ほど歩いた場所にあった。
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なんだか、とんでもない場所に連れてこられてしまった。北池袋にいきなりジブリの世界が出現したようである。後ほど編集部のメンバーに見せたら「AVのセットみたいだね」と言われたのだが、それは彼らの脳味噌が腐っているだけであろう。
すると奥から、長髪にアロハシャツの、強そうな出で立ちの男性が出てきた。雰囲気を例えるならば、伝わる人にしか伝わらないと思うのだが、河合塾の墺タカユキ先生が近い。
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あまりにもこの場にそぐわないキャラクターだったため、てっきり派手な空き巣か何かかと思ったのだが、彼はこのスタジオのオーナーだった。備品やその使い方について丁寧に教えてくれた。
椅子が壊れやすいので気をつけて、と言われた時、マイルドおじさんが「大丈夫です、見ての通り這いつくばる撮影なので」とやや余計なことを言った。墺先生は苦笑しながらも「床の掃除も完璧にしてありますから」と返してくださった。流石にプロである。
このスタジオを利用できるのは3時間。墺先生が退出し、小道具などを整えると、さっそく撮影が始まった。
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最初はただ突っ立っているだけ、床に座っているだけといった普通の写真から。
「いいね、OLの日曜みたいだね!」
「怖さの中にどこかアンニュイな感じがあるね!」
おじさんが斜め上からコメントをぽんぽん出してきてくれるので私はすっかり乗せられ、終いには人生で一度もやったことのないようなモデルポーズまで出てきてしまった。
ゾンビ要素のないポーズが一通り終わると、ようやく本格的(?)なゾンビをやることになった。
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「いいね、怖いよ!」
表現力を褒められ、「演技経験ある?」とまで聞かれた。首や関節を巧みにグラインドさせたところなんかは我ながら様になっていたと思うし、自分のどこにこんなポーズのストックがあったのか驚くほどだった。就職できなかったらゾンビ役者になろうと思う。
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次はどんな動きをしようかと私が全身鏡と睨めっこしながら這いつくばっている間、おじさんに声をかけられた。
「そういえば、時間があるうちに、どうしても撮りたいものがある。これさえ撮れば精神的な重荷がなくなるんだ」
そこまで言うなんて一体何を撮るつもりなのかと思っていると、彼はあるものを取り出した。
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バラエティ番組でシークレットゲストの俳優が顔につけるアレじゃないか。
「これをつけて、『CM明けに正体がわかるゾンビ』のフリー素材をやろう!」
正気か? どこの誰がそんなフリー素材を使うんだ。このフリー素材サイト、大丈夫か? 不審に思う私をよそに、おじさんは無邪気にも準備を始めていた。
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これを撮り終わったあと、おじさんは満足げに一言。
「これさえ撮れれはあとは自由だ。ゾンビも十分撮れたことだし、あとはネタに走ろう!」
なんでだよ。私、まだゾンビやれるよ。
ゾンビ役者としての私のプライドはずたずたになりかけたが、おじさんが床一面に小道具を広げ出したのを見て、なんだか全てがどうでも良くなってしまった。
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そうこうしているうちに、あっという間に3時間が経った。100枚近い写真を撮ったが、結局その半分以上がゾンビに関係ないものだった。しかし、「ハロウィン」と検索してこれらの画像が出てくることを考えると何とも言えない気持ちになる。
おじさんとは次回の撮影の約束をしつつ解散した。
おわりに
思ったよりもネタが多めでびっくりしたが、とても楽しい撮影だった。体を折り曲げたり地を這いつくばったりしたおかげで全身筋肉痛になったものの、非常にやりがいがあり、ついに天職を見つけたと思った。
観光ガイドにウェブライターに動画クリエイター、大学生になってからというものことごとくバイトに落ち続けていた私は将来に対する自信をすっかり失っていたが、今回の撮影を通して「道」が見えてきた気がする。そう、ゾンビ・パイオニアになるという「道」が。
文責【馬耳内】
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