ガストで、心の底から感謝したご馳走 ~ 鳥羽周作シェフ監修 感動ハンバーグ
こんにちは。
マーケター&経営アドバイザー、ゴールデンマーケティング(株)社長の菅井です。
今回、ガストのフェアメニュー、「鳥羽周作シェフ監修 感動ハンバーグ」を、実食しました。
当社では、マーケティングの戦略立案から、経営戦略への落とし込み、実務への反映といった、経営アドバイザリング業務に加え、飲食店経営も手掛けております。
この記事は、マーケターという目線のみならず、飲食店経営者としてのレビューも伴いますので、少々辛口かもしれません。
さて、今回、大手ファミレスチェーン店である「ガスト」が、フェアメニューとして提供したのが、「鳥羽周作シェフ監修 感動ハンバーグ」です。
鳥羽周作シェフといえば、ミシュランの星を獲得されている、”sio”の、オーナーシェフでもあります。
飲食店も経営する私が尊敬する方の中の、お一人であったりもします。
実は私、鳥羽周作シェフのYouTubeやNoteブログは、従前から拝見していて、大の肉好きな方であろうと、勝手に察したりはしていました。
1、感動ハンバーグ誕生のきっかけ
少し話を戻します。
今回の企画、ガストが鳥羽周作シェフへ企画を提案し、実現したコラボであったようです。
ガストといえば、ファミレスチェーンの中でも、かなり以前から、ハンバーグに力を注いで来られた大手外食チェーン店であることは、よく知られているでしょう。
ハンバーグの中にチーズを仕込んだ、「チーズinハンバーグ」の、先駆者でもあります。
とはいえ、これまでのハンバーグといえば、ガストに限らず、多くの飲食店で、牛肉に重きを置いたものが主流でした。
しかし、このガストのフェアメニューにおいては、「ビーフ」よりむしろ、「九州産黒豚」が、強調されているあたり、ハンバーグのイメージを、良い意味で、覆してやろうという粋が感じられます。
一流シェフと大手ファミレスチェーン店とのコラボ、果たして、どのような商品が出来上がったのでしょう?
2、感動ハンバーグの実食
今回のフェアメニューは、ファミレス業界では、あまりお目にかかることのなかった、コースでの提供が基本です。
前菜に相当するサラダから始まり、スープ、そしてメインのハンバーグ(+ライス)、デザートのパフェ、という流れです。
せっかくですから、コースで頂戴するのがベストチョイスでしょうが、スイーツを食べる習慣のない私は、あえてハンバーグを単品とし、ガストの「和食セット」とともに、楽しむことにしました。
ちなみに、ガストの「和食セット」は、
・ご飯
・味噌汁
・小鉢
・浅漬け
が、1プレートで出てきます。
価格は、フルコースでフェアメニューを注文した際と、ほぼ同額です。
注文は普通に、各卓備え付けのタブレット端末から。
ガストにとっても、それほど経験のない、特別感あるメニューでしょうから、注文から提供まで、いつもより時間がかかると予想していました。
しかも今回利用店、ランチのピークタイムでもあり、混雑しています。
提供まで、スマホでニュースチェックをしつつ、ドリンクバーで時間を潰そうと企んでいたのですが、1杯目のドリンクを飲み干す前に、すべてのフードが運ばれてきました。
予想外に早い!
ということで、いざ実食タイム。
先ずは、ハンバーグにナイフを入れます。
すると、ハンバーグの肉汁が、ジュワーっと溶け出してきました、肉汁凄すぎ、期待高まります。
一口目から、良い意味で期待を裏切られました。
肉、特に豚の旨味が、半端ありません。
ハンバーグを包むデミグラスソースは、主張が強いながらも上品、いや、ハンバーグの肉の旨味が強いからこそ、主張の強いソースがマッチしてると感じました。
ハンバーグに閉じ込められた、「トリュフ香るチーズ」、こちらは、デミグラスソースとは逆に、主張を避けつつも、ハンバーグの旨味を引き立たせる、名脇役を演じています。
「感動ハンバーグ」の名に偽りはなく、セントラルキッチンでの食材加工を軸にし、厨房オペレーションを、徹底的にシンプルにした大手ファミレスチェーンが、ここまで上質な料理を提供できる時代が来たことに、衝撃を受けました。
ちなみに、ハンバーグのプレートには、いくつかの温野菜が添えられています。
その中の1つであるナスは油炒めは、これだけでも尊さが感じられると言いますか、憎い演出、手間をかけています。
3、課題
ここまで、褒めまくりで、記事を書き進めましたが、気になった点を少々。
写真の撮影直後に気づいたのですが、ソースが器に飛び散り、焦げ付いています。
これでは、見た目がもったいない、最も惜しい点であると感じました。
恐らく、厨房で加熱する際に、ソースがはねたのでしょう。
ただ、はねたソースが焦げ付いてしまうと、厨房のスタッフさんも、それをふき取るのは困難です。
解決策として、盛り付けと加熱の順序を逆にする手はあるものの、厨房オペレーションの手間が増えるばかりか、スタッフさんが火傷をされてしまうリスクも高まります。
セントラルキッチンに大量調理を集約し、厨房オペレーションの省力化を追求した結果、こうした課題をクリアするハードルが高まるのは、一種のジレンマと言えるでしょう。
もう1点。
これは、どちらかといえばマーケター目線で感じたことですが、ハンバーグの主役を「牛」でなく「豚」に置かれたきっかけが、気になって仕方ありません。
ハンバーグ=「牛」のイメージが、多くの消費者には根付いています。
消費者の好みの分かれやすい市場や、これまでの消費者の価値観を覆すような挑戦をするのは、上手くいかないケースも多く、大量供給を前提とする大手チェーン店は、敬遠しがちです。
それに対し、ガストは元々、チャレンジ精神豊富なのか、それとも鳥羽周作シェフがガストを説得したのか、経緯は知りませんが、この挑戦、ヒットすれば、消費者の価値観をアップデートできるでしょう。
もしかしますと、差別化の意図があったり、食材の大量調達、加工などの制約を乗り越えた結果、「豚」にシフトされたのかもしれませんが?
大衆ファミレスチェーン店のハンバーグ、それに、豚を主役にするハンバーグのポテンシャルも凄いよね、といった感じです。
私が実食のためにガストを訪れたときには、幸い、周囲の来店客の中に、「感動ハンバーグ」を食されている方、少なくありませんでした。
4、結び
私は個人的に、鳥羽周作シェフと、大手ファミレスチェーンであるガストのコラボ、とても好意を持って、受け止めています。
外食産業、飲食店経営においてはこれまで、一流かどうかを問わず、料理人さんと、経営規模の拡大を是とする経営者さんとの間で、利害関係が一致しないケースが、多々見受けられました。
もちろん、料理人さん自らがオーナーとなられるケースは別ですが。
にも関わらず、今回のコラボが実現した背景の1つして挙げられるのが、鳥羽周作シェフが掲げる理念である、「幸せの分母を増やす」というワードが、活きているように感じます。
今回のフェアメニューでは、ことさら、深みのあるコクが感じられるデミグラスソースを、どのように作ったのかが、どうしても気になります。
いかんせん、デミグラスソースの主役の1つである玉ねぎ、加熱具合のコントロールが難しいですからね。しかもそれを、大量調理しているのですから。
加えて、用いられる食材、例えば、九州産黒豚がそうですが、大量調達が難しい食材を、どう安定的に確保し、全国各地にハンドリングをしたのかも、興味が湧く点です。
最後に、この素敵なハンバーグの提供に尽力して下さった、鳥羽周作シェフと、ガストを運営する、すかいらーくのみなさまに、心より感謝申し上げます。
いやはや感動しました。これを専門店でなく、全国展開するチェーン店で味わえるのですから。
ご馳走さま♪
商売や経営の、当方へのご相談は以下から
Twitterは以下から
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?