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石のアート

飛行機に乗る前、石のアートを見た。家の裏庭のように通りづらく、身をかがめないと通れない。京都の枯山水のように、白い砂利が広がっている。そして、背の低い木々が僕をしゃがませるために、大きめな石の通り道に各所に配置されている。他の石が白いといっても、たんに風化されているだけで、その石は実にごつごつしていて趣がなかった。ショートカットしようと思えば、白いのに脚を踏み入れなければならなかった。

飛行機に乗ろうとしていた。もう5分か10分前くらいで時間がない。石の道アートの作者の声が脳内に響き渡る。そこを歩くと聞こえるのだ。制作経緯、工夫したところ。すべてまったりしていて、細かい内容は聞き取れなかった。でも、努力したこと、皆に歩いてほしいことは理解できた。離陸が迫る中、一旦飛行機に入ったものの、混雑しているからとぼくはまたその道に戻った。