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マルとバツ

 いってきますと言い、バスに乗った瞬間忘れ物に気づくことがある。2 日連続だと成長していないのは明らかだ。先生への言い訳を考えながら気まずい時間を音楽でかき消す。

 よく、人間は忘れる生き物だから(一回くらいなら大丈夫だ)と言われる。だがこれを真実と受け止めてはならない。怒りの裏返しであり、二度と忘れ物をするなと解釈できるからだ。

 どうしても一回忘れる人は、二回試行すればよい。学校に行く前に再度確認する。一回につき二分の一で忘れるなら、四分の三の確率で忘れずに持っていける。単なる確率の問題ではなく、先生にあれこれ言われる時間が減り、僕も先生も形式的で生産性のない時間をつくらずにすむのだ。

 確かめというのはテストにおいて重要だ。検算という特殊な方法まで編み出して、自分が出した答えが本当に正解なのかを判断する。

 もし間違えてしまうと、多数の人が被害を被ってしまう。みんなで共有できる答えを正解とするからだ。俺が答え、ではなく、算出した数字やら文章が答えである。