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下向きの花

 とある CD のジャケットにこのようなイメージ画像が使われていた。人が花束の根本を握り、満開のほうは下へ向いている。振り回したらほろほろとこぼれそうなくらいに絶妙なバランスで写っている。

 画像はイメージと英語で書くように、その画像の状態が 0.1 秒しか続かなかったとしても、その当時の花は永遠に生き続ける。連射して何枚も撮ったのを取捨して、選ばれし一枚がイメージである。イメージは、もちろん実際の意味合いとは異なる。

 この不安定な構図を見たとき、もしそれが初見の人なら、この人はネガティブな性格なんだろうかと思うだろう。はじめて会ったときに暗い顔をしていたら、それは心に刻まれる。

 第一印象で決めるのは良くない。その人の人生のたった一瞬を切り抜いたものに過ぎないから。