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アメリカ人は皆知ってる!? FraternityとSororityとは

こんにちは!GCSの根本です!

今回のnoteでは、アメリカに留学すると誰しもが一度は耳にするであろう、”fraternity(フラタニティ)”と”sorority(ソロリティ)”について紹介したいと思います!日本では知らない人も多いこの文化ですが、実はアメリカのキャンパスライフの中核をなす、アメリカ人にとっての「常識」なのです(!)

アメリカへの留学を計画している人はもちろん、アメリカのカルチャーに興味がある人にもオススメの内容となっておりますので、お楽しみに!


フラタニティとは何か

この「フラタニティ」については、アメリカの文化によほど詳しい人でなければ、聞いたことすらないかもしれません。かくいう私も、自他ともに認める「アメリカかぶれ」でありながら、実際に留学するまでこの文化については全く知りませんでした。それもそのはず、フラタニティについて詳細に書かれた日本語のwebサイトはほとんどありません。(フラタニティについてここまで詳しくまとめた日本語記事は本noteが初めてかも!)

それでは、このフラットとは一体何なのか?

一言で表すならば、「メンバー間の結束がとっっっっても強い(日本の大学でいうところの)サークル」です。以下に、その特徴的な点について箇条書きでまとめてみます。

  • 非常に長い歴史を持つ(100年以上の歴史を持つものも)

  • 男子はフラタニティ、女子はソロリティに入る(それぞれ1つずつだけではなく、複数存在する)

  • 同じフラタニティ(ソロリティ)に所属する仲間を「ブラザー(シスター)」と呼び、生涯にわたる強い絆を築く

  • 名前は2文字か3文字のギリシャ文字(SigmaだのDeltaだの....)

  • それぞれのフラタニティ/ソロリティが建物を所有しており、メンバーたちの多くがそこで共同生活を営む

  • 「博愛の精神」を育むために、ボランティア活動やコミュニティサービスなどにも取り組む

フラタニティの大まかな枠組みが分かったところで、ここからは、私が留学中に見聞きしたことを元に、さらに詳しくフラット文化(フラタニティ/ソロリティに関する文化の総称)について語っていきたいと思います!

私が留学していたアメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)は、国内でも随一のフラット文化が盛んな大学でした。そこで私が様々な友人から聞いた話や、実際にとあるフラタニティに潜入調査して分かったことを元に、その実態についてお伝えします!

(本稿はあくまで、カリフォルニア大学ロサンゼルス校での様子を中心に構成されています。大学によって状況は異なることをご留意ください。)

全米最大級!? UCLAのGreek Life

UCLAにある、とあるフラタニティの建物の外観。
とても立派ですね…!

フラタニティ/ソロリティの生活は、名前にギリシャ文字を用いることから、通称”Greek Life”とも呼ばれています。

UCLAには多くのフラタニティ・ソロリティがあるのですが、それらは”Professional Frat”と”Social Frat”の2種類に大別できます。前者は医者や弁護士など専門的な職業を目指す学生を対象に、それぞれの専門に限定して構成されている一方で、後者は自身の専門に関わらず入ることができるというのが違いです。また、人種や文化的背景、社会的階層によって棲み分けがなされていることが多いのも、特徴の一つだと言えます。(ラテン系の学生のフラットや、裕福な出身の学生のみのフラットなど)

それでは、これらのフラタニティ/ソロリティに、学生たちはなぜ入るのでしょうか?

実際にフラタニティに入っている学生を含む複数の友人に聞いたところ、入会の動機として最も挙げられたのは卒業後のキャリアに関するものでした。
先述したように、フラタニティに入ると、同じ組織に属する学生同士の生涯続く強い絆が結ばれます。それだけでなく、同じフラタニティを卒業したOB・OGとのコネクションを得ることもできるため、インターンシップや卒業後の就職を見つける際に圧倒的に有利になるとのことです。

加えて、冒頭でも述べたように、フラタニティはアメリカの大学文化の中心を構成する集団です。多くの友人を作り大学生活を充実させたい!という動機で加入を決める新入生も多いとのこと。この辺りは、日本の大学のサークルにも通じるところがありますね。

一方で…フラット文化が抱える問題点も

“What happens here stays here” と言われるように、それぞれのフラットには外部に漏らしてはいけない秘め事が沢山あります。(私も実際に、調査中には「これ以上は話せない」と言われたことが何度かありました)

その代表的なものとして、新入生が入会するための通過儀礼、通称hazingがあります。その過酷さから”hell week”とも呼ばれるこの期間中に、フラットに入ることを希望する新入生は、先輩からの厳しい指導(?)を徹底的に受けることとなります。ここでは詳細は省きますが、このhazingを耐え抜いた者のみが、先輩学生から認められ、無事にフラットの一員となることができます。(イメージで言うと、軍隊や一昔前の体育会系の部活動などが近いかもしれません)

ただこのhazing、大学やフラットにより差はあるものの、その過酷さや危険性から、参加する学生に危害が加わることもあり、特に近年では問題視される傾向にあります。そのため、大学からは様々な規則やそれを破った際の罰則が課されているほか、フラット間で監視し合い事故を防ぐ仕組みづくりがなされているそうです。

以上に加えて、本稿で強調しておきたい点は、この組織自体が持つ、差別や抑圧を生み出す性質です。フラタニティとソロリティで男性/女性がハッキリと区分けされていることや、フラタニティに関連する事件において女性が標的になりやすいことなどに代表されますが、フラタニティの内部ではいわゆる「ホモソーシャルな」集団(女性と同性愛を徹底的に排除した男性同士の結びつき)が形成されています。こういった類の集団は、女性蔑視や同性愛嫌悪の性質を強く帯びています。この構造が維持され続けられていることは、大学内のみならず、アメリカ社会全体で差別や抑圧を生み出す要因にもなっていると私は考えます。(「ホモソーシャル」概念について興味がある方は、イヴ・K・セジウィックの『男同士の絆』を一緒に読みましょう!)

実際に、こういったフラット文化が持つ有害性については昔から指摘されており、様々な記事や論文が執筆されています。ですが、この文化が完全に無くなることは恐らく無いと言えるでしょう。

それはなぜでしょうか。

一つに、フラット文化には長すぎる歴史があることが関係しています。アメリカ社会の(特に政治・経済界の)重要な役職に就く人々は、フラット出身者が非常に多いです。(先述したように、フラタニティにはOBとのコネクションがあり就活に役立つため、その構造は再生産され続けます)

実際に、「フラット文化にはこんなに問題があるのだから、無くすべきだと思わない?」という問いかけを友人たちに投げかけてみましたが、「今さらは難しいだろう」「批判的な声はあっても、完全に無くすことは不可能だと思う」といった返答ばかりで、フラットの解体について肯定的な回答をした人は(筆者の周りでは)一人もいませんでした。

おわりに──留学することで見えてくるもの

以上、フラタニティとは何か?という解説から、その問題点に至るまで、私が見聞きしたことをベースに書いてみました。アメリカの大学に行けば必ず耳にする文化ではある一方で、これまで述べてきたように、その全てが賞賛できるようなものではないのも確かです。(これからアメリカに留学するという方には、その様々な側面を知った上で、自分なりの距離の置き方や関わり方を考えてほしいという思いもあり今回の記事を執筆しました。)

ただ、私の経験をお伝えすると、フラタニティ/ソロリティに関係する学生たちには良い人ももちろん多く、実際に話してみると至って真面目な人ばかりです!もしこれからアメリカに留学することを予定している方がいれば、
クラスメイトやルームメイトでフラタニティに入っている学生と出会った際には話を聞いてみるのもオススメです。

そして何より、留学に行くことでしか分からないことや見えてこないことが沢山あります!こうした「未知」に触れ、自身の知的好奇心を存分に満たすことができるのも、留学に行くことの一つの魅力だと考えます。

(留学中に見聞きして面白い!と思ったことは、メモに残すこともオススメです。詳しくは↓のnote記事をどうぞ!)

ということでGCSは、後期も引き続き留学に興味がある全ての人の背中を押すことに全力で取り組んでいきます!
私たちが提供するカウンセリングのサービスでは、今回のnoteで紹介したような、海外の大学生活のリアルについて話を聞きたい人も大歓迎です!

ここまでお読みいただきありがとうございました!それでは次回のnoteでお会いしましょう!

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