
【新メンバー紹介⑪ 理学部3年 鈴木智也】
皆さん、初めまして!
今季からGCSメンバーとして活動中の、理学部3年の鈴木智也と申します!
活動開始から6か月も経ってしまいましたが(テヘ、
自己紹介と、アメリカでの研究活動にチャレンジした私の留学体験談についてご紹介できればと思います!
自己紹介

名前:鈴木智也
所属:理学部 物理学科
研究分野:材料物性、薄膜形成、半導体デバイス開発
留学先:ペンシルベニア州立大学/アメリカ
留学期間:学部3年8月~翌年5月(留学により1年留年
留学先で学んだこと:工学部での半導体系の応用技術、薄膜作成の独立研究
過去の留学:マラヤ大(マレーシア)、UCD(アメリカ)(両方オンライン
趣味:深夜ラジオ、美術館巡り、ラーメン、サブカル全般
僕は交換留学に行くまで一度も海外の地を踏んだことがなく、英語を話す経験も大学に入るまでは全くない人生でした。
思い返すと、留学も特にこれといったきっかけはなく、「普通の東北大生とは違う学生生活を送りたい」というある種のコンプレックスから「何か特別なことに挑戦しなければ」という焦りから始まったのかな、と今では思っています笑
今回は、そんな私が留学を決意した理由から留学先での苦難・成長、そしてこの記事を読んでくれた方へのメッセージをお伝えできればなと思います!
留学を決意したきっかけは?
僕の周りを見ると、留学に行く人には2つのパターンがあるように思います。それは、
①入学前から留学を考えていて、自力で情報収集を始めていた人
②入学してから留学に行く人が多いコミュニティに入り、自然と留学を考え始めた人
です。僕は②のパターンでした。
僕が入学後に初めて入ったサークルが、東北大に来た留学生のサポートをする「IPLANET」というサークルでした。ここでは日常的に各国から来た留学生と話せる機会があり、周りの日本人も当たり前に留学に行く人達ばかりで、日本にいながら海外留学に行っているような感覚で日々を送るうち、
「自分もいずれ留学に行くのだろうな」
と漠然と思うようになっていきました。

夏のマラヤ大オンライン留学
大学一年の夏に、マレーシアのマラヤ大学が提供するオンライン留学のプログラムに参加しました。
このプログラムを通して得られた1番のことはやはり、英語を話すことへの抵抗が無くなったということでしょうか。それまで英語を読む/聞く勉強は(主に受験勉強を通して)してきた僕でしたが、英語を話すこと自体ほとんど経験が無く、プログラム序盤は自分の考えすら思うように伝えられず悪戦苦闘していました(アイ、アム、ア、スチューデント、、、と必死に捻り出すようなレベル)
しかし、10日ほど経った頃、突如として英語が口をついて出てくるようになったのです!自分の語彙力・文法知識などに、話す力が追いついたような、魔法の様な感覚でした。
この体験で「英語って意外と話せるじゃん」となった僕は、自分でも留学に行けるかもしれない、と次第に思えるようになっていきました。
友人の留学決定
そうこうしているうちに大学1年生の秋、IPLANET(サークル)でずっと一緒にいた友人が、突然
「一年後アメリカ留学行くで!☆」
と留学を決め、「先を越された!」と非常に焦りました笑。それまでは「いつか行きたいな」とふんわり考えていた留学でしたが、この時から本格的に留学を考え始めました。
春のUCDオンラインプログラム
僕にとって2回目の参加となるオンライン留学は、カリフォルニア大学デイビス校(UCD)のものでした。このプログラムの特徴はズバリ、理系×アントレ。理系の専門知識の社会実装を学びました。現地の教員が行う授業では、欧米の大学では基本であるディスカッション中心の形式で行われ、とにかく発言すること・発言しない=その場に存在していないと同じということを身をもって体感しました。また、英語「を」学ぶのではなく、英語「で」学ぶことへの解像度を高められた機会でもありました。
なんでアメリカにしたの?
何となく始まった留学先探し

僕は茨城県つくば市出身なのですが、小学生のころから「小さいモノ」に向き合う研究者たちに憧れを持っていました。初めは素粒子・原子核が好きでしたが、次第にグラフェンシートや半導体素子などのものづくりに関心が移っていきました。となると半導体の研究・産業が盛んなのはアメリカ一択であろう!という勢いでアメリカを選びました。
今ならミュンヘン工科大やスウェーデン王立工科大学など、ヨーロッパの理系大学も考えたのになあと思う一方で、アメリカを選んで良かったなとも思っています。
唯一少し後悔しているのは派遣先大学選びで、僕は当時の親友が一年早くカリフォルニア大に留学に行っていたため、「あいつが西なら俺は東だ!」という理由で東海岸の大学を志望しました。調べていくと西海岸は産業と近くスタートアップ的な気質も強い一方、東海岸はMITやハーバードで有名なボストンを中心にアカデミックな雰囲気が色濃い印象があります。派遣先に選んだPenn Stateは専門分野の材料工学でtop30に入る(by QS ranking)ほどのトップ校で勉強と研究には最適な環境でしたが、それに気づくのは派遣先が決まってからだったので少々危ない橋を渡ったなあと思います笑
留学中のインターンシップにも興味があったので、場所にも寄りますが起業・産業界に興味のある方は西海岸もよく検討することをおすすめします!
留学では何してたの?
とにもかくにも留学が始まったわけですが、ざっくりと留学中にやっていたことを簡単に3つ紹介します!
研究

留学先のPenn Stateでは、薄膜作成(真空装置を動かして、薄い金属の膜を作ること)の独立研究を行なっていました。その理由は、もともと材料研究に興味があったこと、また、日本では物理学科で理論を勉強していましたが、理論だけなく産業における応用・実装についても学びたかったことなどがあります。
アメリカの大学での研究活動は想像していたよりもハードでした、、笑 大変だったことを挙げるとキリはありませんが、特に研究室の教授や他の学生とのコミュニケーションには苦労しました。例えば、研究に関する込み入った話だと伝わらないことがあったり、何か良いアイデアを思いついて提案しようとしても、それを聞き入れてもらえないこともありました。。。また、研究には授業2コ分ほどの時間を割くことになるので、必然的にスケジュールの余裕も無くなるようになりました。また、留学に限った話ではないですが、研究室の先輩との人間関係に悩むこともありました。
反対に、研究活動から得られらたことも沢山あります!例えば海外のラボで実際に研究することで、海外でPhDに挑戦する場合の具体的なイメージがつきやすくなったことや、理系で海外で活躍するには高い専門性に加え、相手と対等なコミュニケーションを取るための対人的なメンタリティも磨く必要があることも身をもって知ることができました。
以上、学部3年で研究なんて大層なことだね、と言われてしまいそうですが笑、正直に言えば「やるだけなら誰でもできる、大事なのは何を持って帰るか」だと僕は思っています。
授業

留学先では、工学系の授業を主に履修していました。材料工学や半導体の分野で名高いPenn Stateでは、産業で使われているような応用的な技術などを実践的に学ぶことができます。そのため授業内容も、例えば実際に工場にある装置の仕組みについてなど、応用・実践中心のものでした。
また、せっかく留学に来たからにはということで、専門外の授業もいくつか受講しました。特に役立ったと感じているのが、理系のアカデミックライティングについての授業で、そこでは教授へのメールの書き方に始まり、論文のアブストやポスターの作成法など、今後に役立つスキルを磨くことができました。
ネットワーキング

多様な学生が集まるペンステでは、様々なバックグラウンドを持つ人との交流もできました。例えば、フラタニティというコミュニティのメンバーである学生と友人になることで、アメリカならではの大学カルチャーを肌で感じることができました。(フラタニティについて詳しく知りたい人は、GCS根本が書いた以下の記事をチェック!)
また、現地にいる日本人の大学院生との繋がりも、留学中に得られた貴重なコネクションの一つです。ペンステでは、大学院から来た日本人が多く在籍しており、日本人研究者のコミュニティもしっかりと作られています。XPLANEという海外大学院を目指す学生コミュニティを通して知り合った方と、留学前からzoomで繋がり、渡航後にも夕食をご一緒したり、ジムやサウナに行って繋がりを深めました。

ご一緒させて頂く中で、「彼らがなぜわざわざ日本から出て海外で戦っているのか」「人生のいろいろな選択がある中で、あえて海外に賭けようとしているのはなぜか」など、その人の夢の描き方や、リスクの取り方についてのお話を伺うことは、僕自身の刺激にもなりましたし、何かに挑戦する勇気をもらうことにもなりました。
ぶっちゃけ留学どうだった?

この質問は帰国した後、友達に会うたびに聞かれたものでしたが笑、正直な感想は「しんどかった」に尽きます。
これはあくまで僕の偏見に満ちた持論ですが、ヨーロッパ留学から帰ってきた人は「楽しかった」と言い、アメリカから帰ってきた人は「大変だった」と言う傾向があるように思います。(これはヨーロッパ留学が楽である、というわけではありません。留学には当然それぞれの苦労があります。)
僕が言いたいのは、アメリカという環境の特殊性です。アメリカは人生を試す場所だと思います。人は人生の何かを賭けてアメリカに行き、アメリカはそれに相当する試練を課してくる、そういう国だと僕は思います。
アメリカの生活は、Instagram的なキラキラしたものばかりでは決してありません。僕の周囲にいるアメリカ留学経験者は、みな何かしら後悔や心残りを抱えたまま帰国し、それを次への糧として、結果的に自分の分野で突き抜けている人が多い印象があります。
皆さんには、そういうアメリカという国に、ぜひ人生の何かを賭けて挑んで欲しいと願っています!
以上、留学の困難ばかりに偏ったnoteになってしまったかもしれませんが笑、留学に関する不安、目的、悩みetc…なんでもGCSに相談してください!僕たちが精一杯向き合います!以下のLINEアカウントから申し込める留学カウンセリングでも、GCSが企画するイベントでも、みなさんと話せることを心待ちにしています!!!
