第二外国語、ちょっと本気でやってみませんか?
¡Hola!
noteを開いてくださりありがとうございます。
GCSの田中みのりです。
みなさま既にお察しの通り、私の留学先はスペインだったのですが、
留学先としてはなかなかマイナーな選択肢なので、なんで?とよく聞かれます。
その理由に関しては、前の記事で触れていますので、よければそちらも合わせてご覧ください(ちゃっかり宣伝)
さて、今回のnoteは、スペインをはじめ第二外国語(英語以外の言語)で留学すること、そして第二外国語学習をテーマにお届けしたいと思います。
これから第二外国語(第三でも第四でも!)を頑張ってみたいという方、
留学で第二外国語を必要としている方はもちろん、
全然そんなこと考えてないよっていう方にも、ぜひ読んでいただきたいです!
第二外国語で留学?
スペイン留学がマイナーである一番の理由は、やはり言語の問題だと思います。スペインに留学するには、基本的にスペイン語習得が必須になります。しかも、求められるのは現地でスペイン語の授業を受けられるレベル(CEFRでいうと概ねB1程度)です。
英語圏はもちろん、非英語圏でも英語さえできれば留学可能な地域はとても多く、おそらくそういった地域の留学を選択するのがマジョリティーです。
しかし、スペインをはじめ、フランスや中国、韓国など、第二外国語で学べる言語圏の国では、その言語を留学レベルまで学習しなければならない場合であることがほとんどです。
「いやハードル高すぎやん!」
と思いましたか?
あるいは、そういった「英語以外の言語で留学した人」は、
昔からその言語に触れていたとか、
既に英語力が高かったから他の言語やる余裕があったとか、
そういう「ワケありな人」なんじゃないかと思われるかもしれません。
でも、私がスペイン語の勉強を始めたのは、これを読んでいらっしゃるほとんどの皆さんと同じように、大学の第二外国語からです。
英語力の方はというと、これまた多くの皆さんと同じ、「受験英語」だけを極めた、「読めるけど話せません!」の人でした。
そんな私のことを端的に表すのであれば、
大学でスペイン語に出会って、英語も完璧じゃないままスペイン語学習に舵を切り、留学までしてしまった人間ということです。
そんな私がお伝えしたいのは、
誰だっていつだって新しい言語学べるんだよ!
第二外国語でも留学できるんだよ!
ということです。
でも、
正直やっぱり英語以外の言語って役に立たないじゃないですか、
今や英語が「世界共通語」みたいな感じじゃないですか、
そんな声が聞こえてきそうです。
ここは意気揚々とバッサリ否定したいところですが、
すみません、確かにそれはそうかもしれません。
それなら、
英語が「世界共通語」と言われる現代に、第二外国語を学ぶ意義はあるのだろうか?
なかなか難しい問いですね~。
人生をかけて向き合いたい問いの一つですが、
今の私なりの考えをお伝えしますと、
明確に、自信を持って、「はい」と言えます。
もちろん、世界中を見渡せば英語を話す人が非常に多いことは一目瞭然です。
英語の一番の特徴といえば、母語としない人たちがまず外国語として学ぶ言語であるということです。
ですから、より多くの人と会話ができるという点では、他の言語に比べて英語の優先度は当然高くなります。
でも、それで「英語だけ学べばいい」と結論づけてしまうのは、ちょっと勿体無い気がしています。
第二外国語を学ぶということは、誰かの母語を学ぶということです。
母語で話すことと、外国語で話すことが、どれだけ違うか。
日本語を母語とするみなさんならよくわかるはずです。
どれだけたくさん外国語を勉強して話せるようになっても、うまく言葉にできないことはたくさんあるはずです。
自分の伝えたいこと、自分が感じていることを一番その通りに伝えられるのは、やっぱり自分の母語なんじゃないかなと思います(そうじゃない人もいるかもしれませんが)。
そりゃ英語に比べたら通じる相手は多くないかもしれないけど、その言語を母語とする人とその言語で話してみたときの反応や、その人の心の開き方は、その人と英語で話した時には味わえないものだと思います。
2022年8月25日、いよいよ留学がスタートして、スペインへ向かう飛行機に乗り込んだ私は、スペイン人のおじさんと隣の席になりました。
「わ~、なんか話したりするのかな~、緊張する~!」
とか思ってそわそわしていたら、
Hoy nosotros compartimos este vuelo!(超うろ覚えなのでニュアンスです)
訳:今日このフライトを一緒に過ごす仲間だね!(超意訳です)
開口一番にこんな素敵なことを言ってくれました。
これが、めちゃくちゃ嬉しくて。
まず、飛行機で隣になった人に声をかけることそれ自体が異文化やな~と思いますよね。
そして、こんな素敵な言葉を聞き取れたことに感動…!この時点でスペイン語勉強しててよかった~という感じです。
その言葉を聞き取れた私はちょっと笑って会釈したからなのか、
その後も気さくに話かけてくださって、早くも実践会話チャレンジがスタートしました。
De donde eres?
(出身はどこ?)
Soy de Japón, voy a España para estudiar.
(日本です。留学でスペインに行くんです。)
Dónde vas a estudiar?
(どこで勉強するの?)
En Salamanca.
(サラマンカです。)
Salamanca! Yo vivo en Valladolid, cerca de Salamanca.
(サラマンカなんだね!私はサラマンカの近くにあるバジャドリードに住んでるんだよ。)
そんな教科書の最初の方にありそうな基本的な会話を頑張っているうちに、スペインでの生活やおじさんの住むバジャドリードについて色々教えてもらいました。
ほとんどスペイン人とスペイン語で会話した経験のない私のスペイン語力は、今思い返せば本当に低いものだったと思います。
しかも、おじさんはネイティブスピードでたくさんお話をしてくださったので、正直あんまり理解できていなかったと思うのですが…。
何よりも、少しでも会話ができたこと、言語の壁とか気にせずにたくさん話してくれたこと、その時の表情がすごく柔らかかったこと、それが忘れられないのです。
日本語を勉強している韓国の友人が、こんなことを言っていました。
「その人の母語で話せると、なんだかその人と近く感じる。」
これこそが、英語だけでなく、色々な言語を学ぶことの最大の意義だなと思いました。
その人が母語で話すことを聞くから、その人が見ている世界、その人が感じていることを、一番その通りに聞くことができる。
時には、その人の繊細な内面や細かいニュアンスまでも、理解することができるのです。
だから、その人の母語で話せると、距離がぐっと近くなるように感じられる。
私自身も、留学生活の中で何度も実感しました。
ビジネスや学問、旅行などにおいて、「役立つ」かどうかと言われたら、そうでないことが多いのは事実です。でも、色々な言語を学ぶことで、人生が圧倒的に「豊かになる」のです。
みなさんも、いろんな言語にチャレンジして、人生を豊かにしてみませんか?
…ということで、語ってしまってちょっと恥ずかしい気もしますが、
ここからは私のスペイン語学習歴をご紹介していきます!
私のスペイン語学習ヒストリー~「基礎スペイン語」時代からB2合格まで~
なんとなくスペイン語楽しいな~の学部1年
前述のとおり、私は大学に入ってからスペイン語を学び始めました。
もちろんこの段階では留学なんて頭の片隅にもありませんでした。でも、やるからにはちゃんと身につけたいな、という気持ちくらいはあったかもしれません。
学部一年のころは、毎週2コマある必修の「基礎スペイン語」の授業と、
NHKのラジオ「まいにちスペイン語」を聴いていました。
私は小学校高学年くらいから受験期までNHKの英語ラジオ番組にお世話になりまくっていたので、英語以外の言語もあるとわかって、大学生になったら絶対聴きたい!と思っていました。
とはいっても、毎日15分くらいのラジオはとってもお手軽なもので、
あくまで当時は英語学習をメインで進めていました。
「とりあえず交換留学の学内基準取ろう」と思ってTOEFLの勉強をしたり、
国際共修の授業を取ってみたり、
スペイン語は正直おまけ、といった感じでした。
「実践スペイン語」との出会いとスペイン留学の決意
2年生になって、文系ならみんなが取る展開スペイン語の授業と、引き続きまいにちスペイン語を聴いていたのですが、
なんと、全学教育に「実践スペイン語」という科目が存在するじゃないですか!
これは、スペイン語をもっと勉強したい!という学生のために、スペイン語の試験(DELE)や会話練習など、より「実践」的なスペイン語を学べる科目です。
どんな人がいるのか、どのくらいいるのか未知数だったけど、せっかくだしスペイン語頑張ってみたかったので、履修してみました。
すると、私のような超初級レベルの2年生から、既に留学やスペイン語圏への滞在経験のあるスペイン語ペラペラの先輩方まで、多様なレベル、経験を持った方がいらっしゃいました。
正直当時はあまりにも話せなすぎて、「第二外国語のレベル上げるのってめちゃくちゃ大変なんだな…」と痛感させられました。
でもそれと同時に、隣で流暢に先生方やTAさんとお話している先輩方を見て、憧れるな~なんて思ったりもしました。
そこから、2年生の前期は、「展開スペイン語」と「NHKのまいにちスペイン語」に加えて、「実践スペイン語」に通う日々となりました。
このあたりから、英語メインで勉強していたところが、スペイン語本気でやりたいかも?の気持ちに変わってきたような気がしています。
そんなこんなで夏休みに入ってくると、そろそろ10月の交換留学申し込みの準備をしなくては…という時期。
スペイン留学に興味はあるけど、
現状全く喋れてない私なんかが本当に行けるのかな…
これから留学レベルのスペイン語力身に着くのかな…
やっぱり何かしらの才能があるとか優秀だとか「特別な人」しか実現できないのでは…
不安だらけで、悩む日々が続いていました。
しかし、そんな時に心強かったのは、実践スペイン語で関わっていたスペイン留学を経験した先輩方や、スペイン語の先生方の存在でした。
ロールモデルがすぐそばにいる、
大丈夫だよ!と背中を押してくれる人がいる、
そんな環境に恵まれたのは、とっても幸運だったなと思います。
実践スペイン語を受けていなかったら、スペインに留学するという決断はできなかったと思います。本当に感謝しています…!(届け)
(もし今留学に興味あるけど自信ない…という方がいらっしゃったら、私が背中を押します!!カウンセリングやGCSイベントでお待ちしています!)
行くと決まったからにはやらねばならぬ!DELE猛勉強時代
さて、なんとか心を決めて2年生の10月に交換留学に申し込んだわけですが、
ここまで、私はスペイン語の試験というものを一度も受けていません。
いくら勉強を頑張っていても、しっかり外部試験でその能力を客観的に証明できなくては仕方がありません。
ちなみに、語学試験の話は交換留学に必要な語学要件の話にも大きく関わるのですが、
色々複雑で、大学によっても条件が異なるので、ここでの説明は割愛させていただき、私の経験だけお話させていただくことを、先にことわっておきます🙇
私が申し込んだサラマンカ大学は、学内申し込みの段階で試験は必須ではなかったため(もちろんあるならそれに越したことはない)、実践スペイン語でお世話になっていた先生に「あなたはA2レベルのスペイン語力を持っています」という旨の証明書を書いていただき、それを語学能力証明書として提出することで申し込むことができました。
でも、やっぱり試験を受けなきゃ始まらない!
ということで、まずは11月にあるDELEのA2レベルを受けることにしました。
2年生の後期からは、DELEの勉強と向き合うようになります。
DELEは、読解、聴解、作文、会話の4技能を対象とする試験なので、それぞれ対策が必要でした。
その時は、こんな感じで勉強していました↓↓
文法・語彙→大学の授業で使った教科書やウェブサイト、単語帳
読解・聴解→問題集をひたすら解く・復習する
作文・会話→実践スペイン語で先生の添削を受ける
その他→まいにちスペイン語(ラジオ)
読解や聴解は独学でもなんとかなりますが、作文は添削してくれる人、会話は面接官役をしてくれる人がどうしても必要になります。
ありがたいことに、先生方が万全のサポートをしてくださったお陰で、準備を進めることができました。
ちなみに、11月のDELEのA1、A2レベルは、仙台会場が東北大学のため、圧倒的ホームの環境で受けることができます!最強!
交換留学に申し込んですぐの高いモチベーションと周りのサポートがあって、
なんとかA2に合格することができました。
しかし、さらなる壁が迫ってきています。
最初の方に「留学レベルの語学能力」が求められると書いたのですが、
それは大体B1以上であることが多いです。
サラマンカ大学は必須ではなかったのですが、「推奨」ではありましたし、
B1を取れば自信を持って留学に行ける気がしていました。
というわけで、次は5月にあるB1の試験を受けよう!
2年生の春休みあたりからは、またもやスペイン語学習に励む日々となりました。
初級のA2と中級のB1にはかなりレベル差があり、勉強に苦労しました…😢
必要になる文法事項も増え、読む文章の難易度や聞くスペイン語の速さも格段に上がりました。
また、スペイン語に限らず英語以外の言語を学ぶ上で大変なのが、
日本語から学べるツールが充実していないということです。
英語なら、インターネットで調べればすぐに正しい日本語訳が出てくるし、無料で学べるサイトやアプリが潤沢にあります。
しかし、スペイン語となるとそういうわけにはいかないのです。
単語はまだしも、フレーズや慣用表現は、いくら調べてもうまく出てこなかったり、
文法などの解説がすぐに見られるサイトも本当に少ないです。
ということで私は、大学図書館に通ってスペイン語学習関連の本を読み漁ったり、ひたすらノートに写してまとめる作業をしていました。
お金もかからないし、スペイン語関連の本を色々見られるのでめちゃくちゃおすすめです!大学の恩恵を最大限に享受しましょう!
そんな苦しいB1対策時期は、こんな感じで勉強していました↓↓
文法・語彙→大学の本、単語帳、ウェブサイト
読解・聴解→問題集
作文・会話→スペイン語の先生による添削、練習
その他→スペイン語のポッドキャスト(spotify)、まいにちスペイン語
試験前は、先生のオフィスアワーにお伺いして添削や練習をしてもらう日もありました。こんなに熱心に私の勉強を支えてくださる先生がいらっしゃったのも、本当に幸運でしかないですね。
最終的に、ほんっとうにギリギリラインでしたがなんとか合格でき、
無事出発しましたとさ。めでたしめでたし。
…それで終わりのはずもなく、
まだスタートラインに立っただけです。こっからが本番です。
実践あるのみの留学期間
留学期間は、特別な勉強なんかしなくても、
普段の買い物も、大学の勉強も、友だちとの遊びも、全てがスペイン語学習の場であり、実践の場です。
私が留学していたスペインのサラマンカ大学には、大学附属の語学学校が存在し、留学生向けのスペイン語コースも開講されていましたので、それに参加していました。
また、サラマンカ大学でスペイン語教育専攻の学生が開講するスペイン語コースもあり、それにも参加していました。
このコースは、簡単なプレースメントテストを経てレベル別にクラス分けされたのですが、
私はなぜかそこで良い成績をとってしまったらしく、B1しか持っていないのにC1クラスに配属されてしまいました。
案の定、クラスメイトの中で私は圧倒的にレベルが低く、
周りの学生が流暢に話しているのを聞いて
「やばい次私指名されるやばい話せない」
みたいな時間を過ごしていました(笑)
当時は割と辛かった気がしますが、
周りの人に触発されてもっと頑張りたい!という気にもなれましたし、
クラスの後にみんなでカフェに行ったりと仲を深めることもできたので、
今となれば良い経験でした!
留学直後の勢いだけで挑んだDELEB2
私は帰国したのが6月下旬だったのですが、7月上旬のDELE(B2)に申し込んでいました。
帰国してから試験まではわずか2週間ほど。しかも、時差ボケや荷物の整理などで、最初の1週間はほとんど勉強できず…。
まあ正直、留学中に講義や課題でたくさん読んだし書いたし、いっぱいスペイン語聞いたし話したし!
と謎の自信もあり、問題集を購入して、2週間でできるとこまで解いて傾向と対策だけでもしておこう!という感じで勉強を始めました。
しかし、10か月留学を経験したにも関わらず、B2は本当に難しかったです!正直、留学中の講義ではいくらでも翻訳使えたし、B2に出てくるような込み入った内容の会話なんてほとんどしてこなかったのです。
問題解いて、復習にかなりの時間を割いて…のくり返しを限られた時間の中でしなくてはならず、
結局、このB2の問題集は半分くらいまでしかできませんでした。
そんなこんなで、相変わらずギリギリでしたが、なんとかB2を取ることができました!
留学経験しただけあって、会話の点数が高めでそれに救われました(笑)
ちなみに、留学の成果を試験で確かめたいのなら、
帰国してすぐ受けたほうがいいです!絶対!
帰国して1年以上たった今、私のスペイン語力はB2もあるでしょうか…
たぶんないです。
特にスピーキングは本当に落ちたなと実感します。
やっぱり使わないと忘れますね…。
これを書いていて、また本気でスペイン語やりたい!という気になってきました。私もまだまだこれからですね。
これから言語を学習するみなさんへ
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます!!
もうすぐ終わります!
なかなかマイナーな「第二外国語留学」を経験した身として
どうしてもお伝えしたかったテーマだったので、
ついつい色々書きたくてとーっても長くなってしまいました!
この記事で、
新たな言語の勉強に興味を持っていただける人がいらっしゃれば、
新たな言語の勉強をしてみたいという人の背中を押すことができていれば、
外国語学習の方法がわからないという人の参考に少しでもなっていれば、
これ以上の幸せはありません。
もっと詳しく聞きたいよ!という方がもしいらっしゃれば、
留学カウンセリングで直接お話することもできますのでぜひ!
お気軽にお申込みお待ちしております!
おまけ
この記事の中で、スペイン行きの飛行機で隣になったおじさんの話をしましたが、実はこの話には続きがあるのです。
無事マドリードに着いておじさんとは一旦お別れしたのですが、空港からサラマンカ(私の留学先)に向かうバスが出るまでかなり時間がありました。
特にすることもなかったので大きい荷物抱えて一人でフラフラしていると、さっきのおじさんにまさかの再会。
「まだ時間あるなら、一緒にビールでも飲もうぜ🍺」(意訳)
とお誘いいただき、彼の友人だというまた別のスペイン人の方も紹介してくれて三人で空港のバルで昼間からビール片手にお話するというなかなか不思議なシチュエーションが誕生しました。
思い返せば、お酒弱いしビール好きじゃないのに、あまりの優しさに感激したのと、スペイン語で丁重に断る方法が思いつかず…
日本で見る2倍くらいのサイズのグラスが出てきて、案の定ほとんど飲めなかったのはちょっと申し訳なかったな…
今ならやんわりと断るフレーズも覚えたのでうまく切り抜けられそうです。(留学の成果!)