鉄筋コンクリートの建物は100年以上使えるように造られています(機能的検証)
100年前の1924年には、ラジオが初めて売り出されました。そのほかの電化製品といえば電球とアイロンと扇風機ぐらいしかなく、テレビはおろか冷蔵庫も洗濯機も無かったので、家庭での電気使用量は僅かでした。その後、使用量が激増したために、建物の電気設備は交換が必要になりました。近い将来、フィルム型の太陽光パネルが普及したら、建物の壁面でも発電できるようになって、給電設備は蓄電設備にとって替わられるかもしれません。空気から飲料水を作る技術も既に開発されていますから、給水設備も不要になるときが来るかもしれません。
私が現在居住中の建物は1972年8月竣工ですが、夜間オートロック設備は後から設置されました。築後50年くらいの建物で、部屋別のプッシュボタン式のオートロック設備が後付けされている物件は多いです。都心のマンションではセキュリティ性能は重要なので、監視カメラや宅配ロッカーも設置例が多いです。そのほかにもテレビの協調アンテナやインターネット設備などは、今はもう通常の生活に不可欠な共用設備になっていますから、ほとんどの中古マンションに後付けされています。
全住戸の玄関ドアを耐震枠付きでダブルロックの製品に交換したり、開口部のサッシを気密性や遮音性の高い製品に交換したりするマンションの共用部分の変更は管理組合の総会で決議しなくてはできません。ですから、それができているということは管理の良いマンションの証です。エレベーターは新築後40年頃が交換時期ですが、その際に地震時の自動停止機能などが付加されて、監視カメラも取り付けられます。このように現在の生活様式に適合するように、日々スキルアップできれば何年経っても快適に暮らし続けられます。
昇降機や電気・ガス・給排水等の付帯設備の交換や大規模修繕は40~60年サイクルでしょうか。その際に給水ポンプを交換するよりも給水方式を直結増圧方式に替えることで、撤去した貯水槽のスペースを防災倉庫やトランクルームとして活用できます。新たにレンタサイクルやLOOPのステーションを設置したり、カーシェアリングを導入したりといった取り組みも見られます。このような付帯設備の交換や、住まい方の工夫が適宜行われることによって、鉄筋コンクリートの建物は100年以上使い続けられます。
近年、生活様式の変化は加速度的に早くなっていますから、大量の廃棄物が発生するようになり、耐久消費財はリサイクルを考慮せずには供給しにくい時代になっています。建物の躯体も簡単に廃棄物にしないように、付帯設備の交換や、建物の維持管理、補修繕を適切に行って、できるだけ長く使いたいと思います。そのためには組合員(区分所有者)の一人一人が建物(共有物件)の管理にもっと関心を持つことが必要だと思います。
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