JetRacerが面白い
最近は、JetRacerのKit化をコツコツおこなっています(DonkeyCarやJetBotはKit化済み)。 JetRacerはNVIDIAがオープンソース で公開しているAIカーです。
JetRacerは、タミヤのTT02という車体にも対応しており、国内で入手可能なパーツで開発する事が可能です。
下記が、JetRacerのデモ走行です。
JetRacerの面白さは、自動走行するために必要なデータセットの数の少なさにあります。上記走行に必要なデータセット数は200セットぐらいです。DonkeyCarが5000〜2万セットぐらい必要とするのに対し、その1/25〜1/100程度のデータセット規模で自動走行可能となります。
追加更新)
上記は、2021年11月23日に開催されたAIでRCカーを走らせよう!走行会での走行動画。こちらは100セットのデータセットを転移学習させて自動走行を実現。
JetRacerが少ないデータセットで自動走行できるのは、転移学習を使っているためです。ResNetの学習済みモデルに、フロントカメラの画像と、行きたい方向(X,Y)をデータセットにし、転移学習させる事で、コースを認識し自動走行し始めます。
ResNetのデータセットにはコースに関する画像が入っているわけではありませんが、そのResNetの学習済みモデルに、違うドメインであるコースに関するデータセットを追加して転移学習する事でコースを認識します。さらに、JetRacerでは、Jetson Nanoに搭載された128コアのGPUを使う事で、オンデバイス(Jetson Nano上)で転移学習させる事も可能となります。
JetRacerのデータセット収集と学習の方法は、下記Notebookでおこないます。オンデバイスでの学習が可能な事を最大限にいかして、リアルタイムに推論の結果を見ながらデータセット収集ができる仕組みになっています。走行会のデータセット収集時に邪魔者扱いされるJetRacerですが、中身は最先端です。
AI カー 2020
国内でも少しづつ盛り上がり始めたAI カーですが、2020年は、さらに盛り上がる事になるでしょう。
3月23〜26日にサンノゼで開催のGTCのJetson Developer Dayで、DIY Autonomous Car Raceが開催されます。世界中からAI カーレーサーが集結します。
また、2020年の春に、新しいJetsonモジュールのJetson Xavier NXが発売されます。
Jetson Xavier NXは、384コアのGPUを搭載しており、NXを搭載したAIカーも出現する事でしょう。まさに、走るスパコンです。NXはメモリが8GB搭載されていますので、自動運転車用のAutowareなども十分組み込めるスペックですので、AIカーの楽しみ方の幅も広がるのではないでしょうか?
JetRacerを始めてみたいと思った方は、下記チュートリアルや
JetRacerのNotebookをわかりやすくした下記Githubレポジトリなど参考にしてください。
このNoteを見て、2020年はAIカー始めてみたいと思った方は、各地で開催の走行会などに見学にいかれるといいのではと思います。東京なら、TechShopで開催されている走行会&見学会がおすすめです(下記は12月開催のリンク, 1月も開催予定だそうです)