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【動画】WTテコンドーの戦術史(執筆中)

 WTテコンドーのキョルギの戦術史に関する動画集です。

 主に世界大会の試合を見ながら解説を吹き込む形式の動画となっています。当時のルールが分からない方に向けて丁寧に説明する様にはしてますが、詳しいルールなどの補足事項は本文で書くようにしているのでご覧ください。

①2007世界選手権男子-54kg級(フィン級)決勝

 一般防具時代最後の世界選手権(2008の北京五輪も一般防具)。
 得点は上段2点・中段1点で回転蹴りの加点無しという時代です。反則にも減点(-1点)と警告(-0.5点)の二種類ありました。

 場外は即キョンゴでしたが、当時はまだ転倒に関しては1度目は黙認する審判が多く、これだけ転倒に厳しくキョンゴを取る主審も珍しいと思います。また、プッシングに関しても当時は未だ解禁されておらず、クリンチ時の掴みは禁止でしたが過度な掴みでなければグレーゾーンでした。

 中段も上段も副審が判定して得点を入れている事から、かなり明確な強打でなければポイントにならなかった為、浅い攻撃を連打するのではなく確実に点が取れる強打を狙ってステップ&フェイントを多用して試合を進めていたのが当時のWTテコンドーの特徴です。

②2009世界選手権男子-58kg級(フライ級)決勝

 電子防具が採用された最初の世界選手権。当時はラジャスト社の電子防具を使っていました。上段蹴りとパンチのみ副審が判断していましたが、上段蹴りについても強打は不要で当たれば3点。回転蹴り(ターン蹴りや後ろ蹴り)の場合は当たれば+1点というルールでした。

 当時は足の長い選手が前足で中段のポイントを取りつつカット蹴りで相手をコントロールしながら、距離が詰まった時にパンダルなどの上段への蹴りでタッチして勝ち切るスタイルが主流となりました。

➂2011世界選手権男子-68kg級決勝

 ラジャスト社の電子防具(胴のみ。ヘッドギアへの攻撃は副審+ビデオが判定)を用いて試合を行っていた最後の世界大会。
 この時代はゴンザレス・ボニージャ(スペイン)の様な前足での蹴りを多用して上段蹴りでの3点を狙う「カットスタイル」が流行っていたのですが、そんな中で回転蹴りでの加点で大量得点を狙って電子防具向けオールドスタイルのテコンドーを追い求める選手も少なからず居ました。
 当時はプッシングが禁止で更に転倒にたいする減点も緩かった(度重なる転倒には警告が付いたが、一発転倒しても警告が付かなかった)為、一部の選手の間では回転蹴りが多用されていました。レヴェント・トゥンチャット(ドイツ)やアーロン・クック(イギリス→モルドバ)、ダミアン・ヴィジャ(メキシコ→USA)などがその代表です。
 トルコ代表で世界大会を2度、五輪を1度制したセルベト・タゼグル(トルコ)も、この時代随一の回転蹴りの名手として知られており、無尽蔵のスタミナとスピードを活かして相手を攻め続け、痺れを切らして緩いカウンターを蹴ってきた所に強力な回転蹴りを当てるカウンターへのカウンターを得意としていました。